システムキッチンの引き出しを効率よく使うためには、なんとなく収納を卒業することが第一歩です。
見た目が整っていても、「どこに何があるか分からない」「結局ごちゃついてしまう」状態では、キッチンの使い勝手は上がりません。
以下の4つのルールを意識するだけで、調理中の動きがスムーズになり、片付けやすいキッチンに近づきます。
● 一緒に使う道具をグループ化する
● 作業動線に沿って収納する
● 使用頻度別に収納場所を決める
● スペースに合わせて収納方法を工夫する
一つずつみていきましょう。
キッチン収納では、使用するシーンごとに道具をグループ化すると、引き出し内がスッキリ整理されます。
調理や片付けの流れに沿って収納されていると、必要なものをすぐに取り出せるためです。
また、調理時間の短縮にもつながります。
例えば、以下のようにグループ化するといいでしょう。
グループ | 収納するアイテム例 | 引き出しの場所例 |
---|---|---|
調理グループ | 包丁・ピーラー・まな板 | 上段 or シンク下 |
加熱グループ | フライパン・鍋・鍋ふた | コンロ下の深型引き出し |
盛りつけグループ | おたま・トング・盛り付け用箸 | 上段 or 調理台下 |
キッチンの引き出し収納を使う目的ごとに分けると、作業がスムーズになり、整理された空間が保てます。
システムキッチンでは、調理の流れ(洗う→切る→焼く)に合わせて収納するのが基本です。
動線に沿って収納することで、何度も引き出しを開けたり移動したりする手間を省き、家事効率が上がります。
例えば、以下の収納方法がおすすめです。
作業エリア | 収納するアイテム | 収納スペース例 |
---|---|---|
シンク周辺 | ボウル、ざる、洗剤、掃除用品 | シンク下 |
調理台周辺 | まな板、包丁、調理ツール | 上段引き出し |
コンロ周辺 | フライパン、鍋、調味料 | コンロ下・中段 |
毎日使うからこそ、どこに何があるかが一目でわかる収納にするのがストレスのないキッチン作りのコツといえるでしょう。
よく使うものは手前や上段に、あまり使わないものは奥や下段に収納しましょう。
頻度に応じた収納をすると、よく使うアイテムが“ワンアクションで取り出せるため、家事のストレスが減ります。
例えば、以下の収納方法がおすすめです。
頻度 | 収納するアイテム | 収納位置 |
---|---|---|
毎日使う | カトラリー、ラップ、フライパン | 上段・手前 |
週1程度 | 保存容器、ストック調味料 | 中段・中奥 |
たまに使う | 来客用食器、特別な調理器具 | 段・奥・吊戸棚 |
使う頻度×位置で分類すると、無駄な動きをなくし整理されたキッチン空間が保てるでしょう。
引き出しの深さや横幅に合わせて、収納アイテムや配置方法を工夫することが重要です。
サイズに合わない収納をすると、使いにくくなるためです。
例えば、以下の収納方法がおすすめです。
引き出しのタイプ | 工夫する収納方法 | おすすめアイテム例 |
---|---|---|
浅型(上段) | 仕切りトレーで細かく分類 | カトラリーケース |
深型(コンロ下) | 立てる収納で省スペース化 | フライパンスタンド・ボックス |
シンク下 | 排水管避け+ボックス活用 | 排水管避けラック・ 滑り止めシート |
「サイズに合ったアイテム」と「立てる・仕切る・重ねない」を意識すると、見た目もスッキリ整います。
引き出し収納と言っても、キッチンには「上段」「深型」「シンク下」など、場所ごとに使い方や収納のコツが異なります。
ここでは、場所別に実践できる引き出し収納のアイデアをご紹介します。
● 上段引き出しの収納アイデア
● 中段・深型引き出しの収納アイデア
● シンク下引き出しの収納アイデア
● 吊戸棚・高所の収納アイデア
上段の引き出しは、使用頻度の高い小物やカトラリーを整理するのにおすすめです。
浅くて見やすい高さにあるため、よく使うものをサッと取り出しやすく、キッチン作業がスムーズになります。
具体例は、以下の通りです。
収納アイテム | 活用ポイント | おすすめ収納グッズ |
---|---|---|
カトラリー類 | 種類ごとに仕切って収納 | 仕切りトレー・カトラリーケース |
調味料・スパイス | 立てる収納で一目瞭然 | 調味料ボックス・スパイスラック |
ラップ・ クッキングシート |
横向きに入れて引き出すだけ | ラップホルダー・専用仕切り |
キッチンツール (計量スプーンなど) |
使用頻度で分けて手前に | 滑り止め付きトレー |
上段はすぐに使いたいもの専用エリアとして整理すれば、毎日のキッチン作業がもっと効率的になるでしょう。
深さのある中段・深型引き出しには、鍋やフライパンなどの大きめの調理器具を立てて収納するのがおすすめです。
重ねてしまうと出し入れしづらくなりますが、立てて並べれば一目でわかり、使いたい器具をすぐに取り出せます。
具体例は、以下の通りです。
収納アイテム | 収納方法 | おすすめ収納グッズ |
---|---|---|
フライパン・鍋 | サイズ別に立てて収納 | 鍋スタンド・仕切りラック |
鍋のフタ | フタ専用スタンドに立てる | 鍋フタスタンド |
ストック食品 | ジャンル別にボックスで分類 | ファイルボックス・ラベル付き収納 |
保存容器 | フタと本体を分けて収納 | スタッキングケース・仕切りボックス |
深型引き出しは「立てる」「仕切る」「ラベリング」の工夫で、整理された便利な収納スペースに変わります。
シンク下は、水回りに関連するアイテムを中心に使いやすく整理して収納しましょう。
シンク周辺で使うものをまとめておくと、調理や掃除の流れが自然とスムーズになります。
具体例は、以下の通りです。
収納アイテム | 配置方法 | おすすめアイテム |
---|---|---|
洗剤・スポンジ | 排水管を避けて収納 | 排水管避けラック・取っ手付きボックス |
ボウル・ざる | 重ねずに立てて収納 | 仕切りスタンド・ディッシュラック |
掃除道具 (ブラシ・クロス) |
一括でまとめる | 引き出し用バスケット |
キッチンペーパー・ ごみ袋 |
種類ごとに分けて収納 | ハンギングホルダー・ケース型収納 |
限られたスペースでも、用途別にまとめる+取り出しやすさを意識すれば、シンク下の収納力は格段にアップするでしょう。
吊戸棚には、使用頻度が低いアイテムや予備のストック品を収納するのが基本です。
手が届きにくいため、日常的に使うものよりもときどき使うモノを収納するのが効率的です。
具体例は、以下の通りです。
収納アイテム | 収納ポイント | 便利アイテム |
---|---|---|
来客用食器 | 割れ防止で仕切り収 | 食器用スタンド・ボックス |
消耗品のストック | ジャンル別にラベリング | 吊戸棚用ストッカー |
季節物 (ホットプレートなど) |
出し入れしやすい配置に | 取っ手付きボックス |
使用頻度の低い鍋や器具 | 上段の奥に配置 | スタッキングラック |
使うタイミングが限られるモノは、吊戸棚にまとめて収納しましょう。出し入れしやすいアイテムを選ぶことで不便を感じないでしょう。
キッチンの引き出しは、収納力がある反面、油断するとすぐにごちゃついてしまいがちです。
ここでは、誰でもすぐに実践できる収納の工夫を3つご紹介します。
● 立てる収納で「見やすく・取り出しやすく」
● 仕切り収納で「用途別にすっきり分類」
● ラベリングで「誰でもわかる収納」
キッチン引き出しの中身は、できるだけ立てて収納すると「見やすく・取り出しやすい」状態をキープできます。
重ねてしまうと下のモノが見えにくくなり、「使いたいのに取り出せない」「毎回中を探す」というストレスが生まれがちです。
立てる収納なら一目で中身がわかり、毎日の調理がスムーズになります。
具体例は、以下の通りです。
アイテム | 立てる収納アイデア |
---|---|
保存容器のフタ | ファイルボックスに縦に収納 |
フライパンのふた | スタンドラックに立てて見えるように収納 |
ラップ・ホイル類 | 専用の仕切りスタンドを使用 |
食器(小皿) | ケースに立てて並べる |
「立てる収納」は、使いたい物がサッと見つかるため、時短かつストレスフリーなキッチンになるでしょう。
キッチン引き出しの中は、仕切りを使ってアイテムごとに分類すると、収納が格段にスッキリします。
キッチンには、用途や形が異なるモノがたくさんあるので、同じ場所に雑多に入れてしまうと、散らかる原因になるためです。
仕切り収納を取り入れることで、使う物を迷わず見つけられ、作業効率や片付けのしやすさもアップします。
アイテムカテゴリ | おすすめの仕切り収納アイデア |
---|---|
カトラリー類 | カトラリートレイを使って「スプーン」「フォーク」などに分類 |
調味料 | 調味料ラックやボックスで「和食用」「洋食用」に分けて収納 |
調理ツール | 仕切りボックスで「頻度別」「用途別」に分けて整理 |
袋類 (ゴミ袋・保存袋) |
仕切りケースに立てて分類+ラベルで一目で見分けやすく |
仕切りを活用した収納術は「探さない」「迷わない」のが基本です。
一つひとつのモノに居場所を作ることで、引き出しの中がすっきり整い、毎日の家事がスムーズになります。
キッチン引き出しは、ラベリングをすると、誰が見ても中身が分かりやすくなり、家族全員が使いやすくなります。
どこに何があるかが曖昧だと、物を探す時間が増えたり、収納のルールが共有されず片付けが崩れやすくなったりします。
ラベルを付けておけば、家族や来客でも一目で「使うもの・戻す場所」が把握できるため、整理整頓を維持しやすくなります。
ラベルの対象 | ラベリング例と使い方 |
---|---|
カトラリー用 引き出し |
「スプーン」「フォーク」「お箸」などと表記した カトラリーケースに貼る |
保存容器の収納 | 「フタ」「本体」「弁当箱」などをボックスに分類し、 ラベルを外側に貼る |
調味料のケース | 「和風調味料」「洋風調味料」「ストック」と 用途別に分類してラベルで明示 |
食品ストック | 「和風調味料」「洋風調味料」「ストック」と 用途別に分類してラベルで明示 |
ラベリングは「使う人目線」の収納が重要です。
視覚的に中身を明確にすることで、探す手間が減り、キッチンがより快適な空間になるでしょう。
● 仕切りトレー
● ファイルボックス
● フライパン・鍋ふたスタンド
● 滑り止めシート
● 取っ手付き収納ボックス
● 排水管避け棚
● 吊り下げラック
● 吊戸棚用ストッカー
引き出し内の小物類は、仕切りトレーを使えば、スッキリ整理できます。
カトラリーや調理ツールがバラバラだと探しづらく、出し入れがスムーズにいきません。
トレーで仕切ると、用途別に分類できるので作業効率が上がります。
仕切りトレーを使用した収納例は、以下の通りです。
● 「スプーン」「フォーク」「お箸」をそれぞれ分けて収納
● キッチンツールを「よく使う順」に並べて整理整頓
● 仕切りの幅や高さを調整できるタイプもおすすめ
仕切りトレーは、小さな工夫で使いやすく整った引き出し収納を叶える必須アイテムです。
ファイルボックスは、立てて収納するのに最適なアイテムです。
ファイルボックスを使えば、縦収納で中身が一目瞭然、整理がしやすくなるためです。
ファイルボックスを使用した収納例は、以下の通りです。
● ラップ・ホイル類を立てて収納
● フライパンや鍋のフタも種類別に収納可能
● 調味料ボトルの倒れ防止にも使える
ファイルボックスは、省スペース・スムーズな出し入れを実現できる、万能なキッチン収納ツールです。
フライパン・鍋ふたスタンドは、調理器具を立ててスッキリ収納できる便利アイテムです。
重ねて収納すると、出し入れのたびにガチャついてしまい、ストレスの元になるためです。スタンドなら収納の見た目も整い、効率もアップします。
フライパン・鍋ふたスタンドを使用した収納例は、以下の通りです。
● フライパンはサイズ別に立てて収納
● 鍋のフタを垂直に並べて見える化
● コンロ下の引き出しに設置して、家事動線もスムーズ
フライパン・鍋ふたスタンドは、見た目も機能性も兼ね備えた縦収納で、毎日の調理ストレスを軽減できるでしょう。
滑り止めシートは、引き出し内の「動かない収納」を叶える名脇役アイテムです。
ケースや調味料ボトルが引き出しを開け閉めするたびにズレると、破損のリスクが高まります。
滑り止めシートを使用した収納例は、以下の通りです。
● カトラリーケースやツールボックスの下に敷く
● 調味料ラックのズレ防止
● 食器棚の中にも活用可
滑り止めシートは、滑りを防ぐだけでなく、汚れ防止・掃除もしやすくなる一石二鳥のアイテムです。
取っ手付き収納ボックスは、引き出しの奥のモノもラクに取り出せる便利グッズです。
奥行きがあるキッチン引き出しでは、奥の物が取り出しにくいので、取っ手があれば、スムーズに「引き出して→使って→戻せる」動線がつくれます。
取っ手付き収納ボックスを使用した収納例は、以下の通りです。
● 調味料やストック食材をまとめて収納
● お弁当グッズなど使用頻度の低いアイテムも奥にスッキリ収納
● 高さがあるボックスならカトラリー類の収納にもおすすめ
「引き出し奥が使いづらい…」という悩みも、取っ手付き収納ボックス1つで即解決できます。
排水管避け棚は、デッドスペースになりがちなシンク下を有効活用できる棚です。
シンク下は配管が通っているため、通常のラックが置きづらい場所です。
排水管の形状に合わせて使える専用棚なら、空間をムダなく活用できます。
排水管避け棚を使用した収納例は、以下の通りです。
掃除用具やスポンジのストックを収納
● ゴミ袋や洗剤の置き場に
● 上部に鍋、下部にタッパーなどの組み合わせも可
シンク下がゴチャつきがちな方は、まず排水管避け棚で収納力アップを狙いましょう。
吊り下げラックは、引き出しでは足りない収納スペースを空中に増やせるアイテムです。
システムキッチン周りのちょっとした空間も、工夫次第で収納可能です。吊り下げ式なら、スペースを圧迫せずにモノを整理できます。
吊り下げラックを使用した収納例は、以下の通りです。
● 食器棚やシンク下の棚板に設置して、ラップやキッチンペーパーを収納
● 袋や布巾、キッチンツールの収納にも
● 中が見えるワイヤータイプも人気
吊り下げラックは、見た目もスッキリ整い、空間を上下で使いこなす収納におすすめです。
吊戸棚用ストッカーは、高い位置の収納を安全・スムーズに使えるようにするアイテムです。
吊戸棚は奥まで手が届きにくく、使いにくい場所に使用するのにおすすめです。ストッカーを使えば、まとめて出し入れができて、落下のリスクも軽減されます。
吊戸棚用ストッカーを使用した収納例は、以下の通りです。
● 取っ手付きのボックスに、軽めのストック食品や紙皿類を収納
● 「滅多に使わないけど取っておきたい」用品におすすめ
● ラベルを貼れば何が入っているかも一目瞭然
手が届かない場所も、吊戸棚用ストッカーを使用すれば「使える収納空間」に変えられます。
システムキッチンの引き出し収納は便利な一方で、「奥のモノが取り出しにくい」「ごちゃごちゃしてしまう」「サイズが合わない」などの悩みもつきものです。
ここでは、よくある3つの収納の悩みと、その解決アイデアをわかりやすくご紹介します。
● 奥のモノが取り出しにくい場合
● ごちゃついてしまう場合
● サイズが合わない・活用しにくい場合
奥のモノが取り出しにくい場合は、取っ手付きボックスやキャスター付きケースで奥行きを活かす収納術がおすすめです。
システムキッチンの引き出しは奥行きがある反面、奥の物を出すのが億劫になりがちです。取り出しやすさを考慮したアイテムを使えば、奥まで使える収納空間になります。
収納例は、以下の通りです。
解決アイテム | 活用アイデア例 |
---|---|
取っ手付きボックス | 食品ストックや調味料のストックをまとめて収納 引き出して一気に取り出せる |
キャスター付き収納 | 調理器具やストック食材を奥に置いてもラクに引き出せる |
スライド式トレー | ラップ・ホイル・キッチンペーパーなどを2段構造でスッキリ整理 |
奥まで活用するには、引き出すことを前提にした収納をするのがポイントです。
引き出しがごちゃつく原因は、モノの定位置が決まっていないことです。
「仕切り収納+ラベリング」で、誰でも片付けやすくなります。
収納例は、以下の通りです。
整理アイテム | 活用例 |
---|---|
仕切りトレー | カトラリーやキッチンツールをサイズ・用途別に分類 |
ラベルシール | 「スプーン」「お弁当グッズ」などラベルを貼り、迷わない収納に |
滑り止めシート | 開け閉めのたびにズレるケースもピタッと安定 |
小さな工夫でキッチン全体が整います。誰が見てもわかる収納こそ、散らからないキッチンの近道といえるでしょう。
「引き出しのサイズが合わない…」という悩みには、伸縮タイプの収納グッズや置くだけで設置できるラックが便利です。
可変式や柔軟に対応できるアイテムを選ぶと、ぴったりフィットし、収納効率が大幅にアップします。
収納例は、以下の通りです。
調整可能アイテム | 解決できること |
---|---|
伸縮式のラック | 奥行きや横幅が合わない引き出しにも対応可 |
ソフト素材の ボックス |
形が不規則な場所や排水管まわりの収納にも使える |
ワイヤーラック | 高さの微調整ができて、スペースに合わせたレイアウトが可能 |
収納は「空間に合うかどうか」が重要です。サイズの悩みも、グッズ選び次第でスッキリ解決できるでしょう。
ここまで、システムキッチンの引き出し収納術について、よくある悩みとその解決法、便利なアイテムや実例を交えながらご紹介してきました。
システムキッチンの引き出し収納に関するお悩みは、どの家庭にも起こりがちです。
しかし、仕切り収納やラベリング、立てて収納する工夫などを取り入れるだけで、毎日の家事が格段にラクになり、キッチン全体がスッキリと快適な空間に変わります。
また、引き出しの奥まで活用できるボックスやスタンド、滑り止めシートなどの便利グッズを取り入れると、収納のしやすさもアップするでしょう。
見た目も使いやすさも妥協しない、そんな“理想のキッチン収納”が実現できます。
ぜひご自身のキッチンに合った方法を試してみてください。