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キャンドルの正しい消し方!息を吹きかけるのはNGな理由とは?

記事作成日:2025.01.10
リラックスタイムの演出に欠かせないキャンドル。やさしい炎の揺らめきと、心地よい香りで癒やしを与えてくれる大切なアイテムですが、実は多くの人が間違った方法で火を消していることをご存知でしょうか。
正しい消し方を知らないために、キャンドルを十分に楽しめていない方も少なくありません。本記事では、キャンドルを安全に楽しむための正しい消し方と、その理由について詳しく解説していきます。
キャンドルの正しい消し方!息を吹きかけるのはNGな理由とは?

目次

正しいキャンドルの消し方

キャンドルを安全に、そして長く楽しむためには、適切な消し方を知ることが重要です。専用の道具を使うことで、安全性が高まるだけでなく、キャンドルの寿命も延ばすことができます。それでは、具体的な消し方を見ていきましょう。

1-1スナッファーを使用する方法

スナッファーは、キャンドル専用の消火器具で、最も安全で確実な消火方法を実現できる道具です。長い柄の先端に円錐型や鐘型の金属カバーが付いており、このカバーで炎を覆うことで酸素を遮断し、安全に消火することができます。
火傷のリスクも少なく、アロマの香りも損なわないため、キャンドル愛好家に特に重宝されている道具の一つです。具体的には、以下の手順で火を消して行きます。
1.カバー部分を炎にゆっくりと近づける
2.優しく炎を覆うように被せる(完全密着は不要)
3.数秒間そのままの状態を保つ
4.完全に消えたことを確認
5.カバーをゆっくり外す
6.芯を真っ直ぐに整える
スナッファーを使用する際は、急激な動きを避け、ゆっくりと丁寧に操作することが重要です。カバーと炎の間に適度な隙間を設けることで、煙が自然に抜け、芯への負担も軽減されます。
また、消火後は必ず芯を整えることで、次回の使用時もスムーズな点火が可能になります。長い柄があることで手を炎に近づける必要がなく、安全性が高いのも特徴です。正しい使用法を身につけることで、キャンドルをより長く、より安全に楽しむことができます。

1-2キャンドルディッパーでの消し方

キャンドルディッパーは、スナッファーとは異なる原理で消火を行う専用道具です。先端が耳かきのような独特の形状をしており、この形状を活かして芯を溶けたロウの中に押し込むことで安全に消火を行います。
また、多機能な設計により、消火以外の用途でも活躍する実用的な道具として知られています。具体的には以下の手順で火を消して行きます。
1.ディッパーで芯を慎重につかむ
2.溶けたロウの中にゆっくりと押し込む
3.芯が折れないよう注意しながら沈める
4.数秒間待って消火を確認
5.芯を真っ直ぐに起こす
6.使用後はロウを拭き取り保管
キャンドルディッパーは消火だけでなく、長くなった芯の先端のカットや、溶けたロウ内の異物除去にも使用できる便利な道具です。使用後は必ず付着したロウを丁寧に拭き取り、次回の使用に備えて適切に保管することが重要です。
特に芯を起こす作業は、次回の点火をスムーズにするための重要なステップとなります。また、道具の特性を理解し、慎重に扱うことで、より安全で効果的な使用が可能になります。

1-3身近にあるものでも代用できる

専用の消火器具を持っていない場合でも、家庭にある道具を使って安全に消火することが可能です。例えば以下のような道具で代用できます。
1.金属製のピンセット
2.新しい割り箸
3.金属製のスプーン
4.キッチンばさみ
5.金属製の箸
6.耐熱性のある小皿
基本的には、ディッパーと同じ手順で火を消していきます。代替手段を使用する場合は、それぞれの道具特有のリスクに注意を払う必要があります。金属製のピンセットは柄が短いため火傷に注意が必要です。割り箸は木製のため焦げやすく、素早い作業が求められます。

スナッファーやディッパーは100均で買える?

キャンドルを安全に消すための専用器具、スナッファーやキャンドルディッパー。専門的な道具だけに、100円ショップで手に入るのか気になる方も多いのではないでしょうか。2024年2月現在、ダイソーやセリアなどの主要な100円ショップでは、残念ながらスナッファーやキャンドルディッパーの取り扱いは確認できません。
ただし、手頃な価格で購入したい場合は、カメヤマローソクの火消しがおすすめです。楽天市場やAmazonなどのオンラインショップでは300円前後で販売されており、比較的お求めやすい価格となっています。より本格的なスナッファーやキャンドルディッパーは、キャンドル専門店やインテリアショップで購入できます。価格帯は1,000円から3,000円程度が一般的です。
なお、100円ショップには金属製のピンセットや割り箸など、代用できるアイテムは豊富に揃っています。専用器具を購入するまでの一時的な対応として、これらを活用するのも一つの方法です。

なぜ息を吹きかけてはいけない?

キャンドルを消す際、多くの人が無意識のうちに息を吹きかけて消しています。一見手軽で簡単なこの方法ですが、実は様々なリスクや問題をはらんでいます。ここでは、なぜ息を吹きかける消し方を避けるべきなのか、詳しく見ていきましょう。

3-1火傷のリスク

息を吹きかけてキャンドルを消す行為は、予期せぬ火傷を引き起こす可能性があります。キャンドルが燃えている時、芯の周りのロウは液体状に溶けています。この溶けたロウは100度近い高温になっており、息を強く吹きかけることで飛び散る危険性があります。
特に強く吹きすぎた場合、溶けたロウが予想以上の距離まで飛散することがあります。高温のロウが皮膚に付着すると、即座に火傷を引き起こします。また、服に付着した場合は、衣服を傷めるだけでなく、布地を通して皮膚に達する可能性もあります。
さらに、溶けたロウが目に入ってしまった場合は、重大な傷害につながる可能性もあります。このように、一見何気ない動作が、思わぬ事故を引き起こす原因となりかねないのです。

3-2火災の危険性

息を吹きかけて消す方法には、火災を引き起こすリスクも潜んでいます。強い息を吹きかけることで、燃えている芯の火種が飛び散る可能性があるためです。特に、カーテンや壁紙、書類など、燃えやすいものが近くにある場合は危険です。
火種は見た目以上に遠くまで飛ぶことがあり、気付かないうちに周囲の可燃物に落ちている可能性もあります。また、火種が完全に消えていないと思われる場合でも、空気の流れによって再び燃え上がることがあります。
就寝時や外出時に不完全な消火をしてしまうと、取り返しのつかない事態を招く可能性があります。さらに、アロマキャンドルなど、容器入りのキャンドルの場合、溶けたロウが容器から溢れ出て、テーブルや家具に引火する危険性もあります。火災は一瞬の不注意から発生する可能性があり、その被害は甚大なものとなりかねません。

3-3キャンドルの品質が下がる

息を吹きかけて消す行為は、キャンドル自体の品質も低下させてしまいます。まず、急激な息により、芯が焦げて黒くなってしまう可能性があります。焦げた芯は、次回の点火時に煙が出やすくなり、不快な臭いの原因となります。
また、アロマキャンドルの場合、本来の香りに焦げ臭さが混ざってしまい、せっかくのアロマの効果が損なわれてしまいます。さらに、息を吹きかけることで、溶けたロウの表面に細かい波紋ができ、固まった後の見た目も損なわれます。
また、強い息は芯を倒してしまう原因にもなり、そのまま固まってしまうと、次回の点火が困難になることもあります。キャンドルは見た目の美しさも大切な要素です。息を吹きかけることで、その美しさが損なわれてしまうのは残念なことです。

火を消した後のポイント

キャンドルを消した後にも気をつけることがたくさんあります。消火直後の煙や匂いへの対応、次回使うときのための準備など、知っておくべきポイントをご紹介します。これらの対応をしっかり行うことで、キャンドルをもっと快適に楽しむことができます。

4-1芯をまっすぐに起こす作業

キャンドルを消した後、最も大切な作業が芯を起こすことです。溶けたロウの中に芯が倒れたままだと、そのまま固まってしまい、次回点火する際に困ってしまいます。
消火後、芯が完全に冷めるのを待ってから、ピンセットなどを使って慎重にまっすぐに起こしましょう。
この時、芯を引っ張りすぎると切れてしまう可能性があるので、優しく扱うことが大切です。まっすぐに起こした芯は、次回の点火をスムーズにするだけでなく、キャンドルが均一に燃えるためにも重要な役割を果たします。

4-2溶けたロウの適切な処理

使用後に溶けたロウをそのままにしておくのは、実はキャンドルにとってよくありません。溶けたロウの中に芯が浸かったまま固まってしまうと、次回の点火が難しくなるだけでなく、古いロウが劣化して嫌な臭いの原因にもなってしまいます。
溶けたロウは、紙コップや空き箱、牛乳パックなどの使い捨て容器に流し入れ、固まってから燃えるゴミとして処分しましょう。
この際、キッチンなどの排水溝に流すのは絶対に避けてください。排水管が詰まる原因となります。また、ロウを捨てる際は完全に冷めてから行うようにしましょう。熱いロウは思わぬ事故の原因となる可能性があります。

4-3次回のために芯の長さを整える

キャンドルの芯の長さは、燃焼状態に大きく影響します。理想的な長さは5〜6ミリ程度です。消火後、芯が完全に冷めてから、専用のはさみやカッターで適切な長さにカットしましょう。
長すぎる芯は、炎が大きくなりすぎたり、煙が出やすくなったりする原因となります。また、芯が焦げて黒くなっている部分は、次回の点火時に煙の原因となるため、しっかりと切り落としておくことをお勧めします。
カットする際は、まっすぐに切ることを心がけ、斜めに切ってしまうと、炎が傾いて燃えムラの原因となってしまいます。このような簡単なケアを習慣づけることで、キャンドルをより長く、より美しく楽しむことができます。

4-4消火直後の煙と匂い対策

キャンドルを消すと、どうしても煙や匂いが出てしまうものです。でも、正しい消し方をすれば、その量を大幅に減らすことができます。専用の消火器具であるスナッファーがなくても、ピンセットや割り箸を使って、芯を溶けたロウの中にそっと押し込むように消すと、煙が少なくて済みます。
それでも少しは煙が出てしまうので、窓を開けて換気をする必要があります。ただし、一気に強い換気をすると、かえって煙が部屋中に広がってしまうので要注意。ゆっくりと空気を入れ替えるのがコツです。
また、芯が黒く焦げてしまっている場合は、次回使う前にその部分を切り取っておくと、点火時の煙も少なくなります。これだけでも、部屋の空気がずっとクリーンに保てますよ。

4-5再点火できない場合の対処方法

キャンドルを消した後、次に使おうとしたら火がつかない…。そんな経験はありませんか?これには主に二つの原因があります。一つは芯がロウに埋もれてしまっているケース、もう一つは芯が曲がったまま固まってしまっているケースです。
このような場合は、まず爪楊枝などを使って、芯の周りのロウを優しく取り除いてみましょう。そして、曲がっている芯をまっすぐに直します。それでも火がつきにくい時は、芯を2ミリくらい引き出すか、黒くなった部分を切り取ってから、もう一度試してみてください。

安全に楽しむためのお手入れ方法

キャンドルは、毎日のちょっとした気配りで、キャンドルをより安全に、より長く楽しむことができます。基本的なお手入れの方法から、保管方法まで詳しく見ていきましょう。

5-1お手入れ方法

キャンドルを消した後のお手入れも、安全に使い続けるためには欠かせません。まず、完全に冷めるまで最低でも30分は待ちましょう。温かいうちに触ったり動かしたりすると、ロウが変形したり、火傷の危険があったりします。
冷めたら、表面についたホコリや汚れを、少し湿らせた柔らかい布で優しく拭き取ります。この時、強くこすると表面に傷がつくので注意が必要です。
また、表面に凸凹ができている場合は、専用の道具で丁寧に整えると、次回より美しく燃えやすくなります。芯の周りに固まったロウや、燃えカスは定期的に取り除くことで、クリーンな炎を保つことができます。

5-2キャンドルの保管方法

キャンドルを使わない時の保管方法も、安全性を保つ重要なポイントです。まず、直射日光が当たらない、涼しい場所を選びましょう。
暑すぎる場所に置くと、ロウが溶けたり変形したりする可能性があります。理想的な保管温度は18度から22度です。特に夏場は、高温による変形に注意が必要です。また、アロマキャンドルの場合は、香りを保つために密閉できる容器に入れて保管するのがおすすめです。
保管時は必ずホルダーやプレートを使い、直接棚などに置かないようにしましょう。キャンドルの油分が染み出して家具を傷める可能性があるためです。
また、重ねて保管すると重みで変形する可能性があるので、横並びに置くのがベストです。定期的に状態をチェックし、変形や劣化が見られた場合は使用を控えましょう。

5-3しばらく使わない時の保管方法

長期間使用しない場合の保存方法には、特別な注意が必要です。まず、キャンドルを包装する際は、柔らかい紙や布を使用し、表面に傷がつかないよう保護します。プラスチック製の袋で包む場合は、ロウと直接接触しないよう注意が必要です。
温度変化で袋に付着してしまう可能性があるためです。また、複数のキャンドルを重ねて保管することは避けましょう。重みで変形したり、色移りしたりする可能性があります。アロマキャンドルは、それぞれの香りが混ざらないよう、個別に包装して保管することが重要です。
保管場所の温度は、理想的には18度から22度の間を維持することが望ましいです。湿度も重要で、高湿度環境では芯が湿気を吸って使用できなくなる可能性があります。
定期的に保管状態を確認し、必要に応じて場所を変えるなどの対応をすることで、長期保存後も美しい状態を保つことができます。

キャンドル使用時の注意点

キャンドルを使用していると、時にはトラブルに遭遇することもあります。適切な対処法を知っておくことで、安全にキャンドルライフを続けることができます。代表的なトラブルとその解決方法について見ていきましょう。

6-1炎が大きくなりすぎた時の対処法

キャンドルの炎が急に大きくなってしまった場合は、冷静な対応が必要です。まず、周囲に燃えやすいものがないことを確認します。
炎が大きくなる主な原因は、芯が長すぎることや、空気の流れが強いことです。このような場合、決して息を吹きかけたり、水をかけたりしてはいけません。
代わりに、スナッファーがあれば、それを使って慎重に消火します。スナッファーがない場合は、耐熱性のある大きめの皿やボウルで、上からゆっくりと覆うようにして酸素を遮断します。その際、急な動きは避け、ゆっくりと確実に行動することが重要です。
消火後は、芯の長さを適切な長さまでカットし、設置場所の空気の流れも見直すことで、再発を防ぐことができます。

6-2火が消えない場合は?

通常の方法では消火できない状況に陥った場合は、より慎重な対応が求められます。このような場合、まず周囲の人に知らせ、必要に応じて避難の準備をします。消火器がある場合は、それを使用する準備をします。
ただし、通常の水系消火器は使用を避け、粉末消火器やABC消火器を使用することが推奨されます。状況が深刻な場合は、ためらわずに消防署への通報を行います。その間も、可能であれば燃えやすいものを遠ざけるなど、延焼を防ぐ対策を取ります。
また、火災報知器が作動した場合は、むやみに止めようとせず、確実に安全が確認できるまで作動させたままにしておくことが賢明です。緊急時に備えて、避難経路や消火器の設置場所を日頃から確認しておくことも重要です。

6-3芯のトラブルへの対応

キャンドルの芯に関するトラブルは比較的多く発生します。芯が埋もれてしまった場合は、完全に冷めるのを待ってから、爪楊枝やピンセットで慎重に掘り出します。
この時、周囲のロウを温めすぎると全体が溶けてしまうので、室温で少しずつ作業を進めます。また、芯が折れてしまった場合は、周りのロウを溶かしましょう。その後、溶けたロウを処分します。もし芯が全くない場合は、新しく芯を入れなおす必要があります。
キャンドルの表面が凸凹になってしまった場合は、ドライヤーの温風で表面を少しだけ溶かし、平らになるよう整えることもできます。ただし、この方法は熱で溶けすぎる可能性があるため、慎重に行う必要があります。

まとめ

キャンドルの炎は私たちに安らぎと癒しを与えてくれる大切なアイテムですが、その取り扱いには正しい知識と適切な注意が必要です。特に消し方は、キャンドルの寿命や安全性に大きく影響する重要なポイントです。息を吹きかけて消すという一般的な方法は、火傷や火災のリスクがあるだけでなく、キャンドル自体の品質も損なってしまいます。
代わりにスナッファーやキャンドルディッパーといった専用の道具を使用することで、より安全に、そしてキャンドルを長く楽しむことができます。
また、日々のお手入れと適切な保管を心がけることで、お気に入りのキャンドルをより長く、より美しく保つことができます。ぜひ、本記事で紹介した正しい消し方とケア方法を実践して、素敵なキャンドルライフを楽しんでください。