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ボタニカルキャンドルの作り方!香り・デザイン選び、簡単にできるコツ

記事作成日:2025.01.10
「手作りのボタニカルキャンドルを作ってみたいけれど、難しそう…」
「せっかく作るなら、おしゃれで長持ちするものを作りたい」

そんな声をよく耳にします。実は、ボタニカルキャンドル作りは適切な手順と知識があれば、初心者でも素敵な作品を作ることができるのです。本記事では、基礎知識から実践的な作り方、さらには上級者向けのテクニックまで、詳しく解説していきます。
ボタニカルキャンドルの作り方!香り・デザイン選び、簡単にできるコツ

目次

そもそもボタニカルキャンドルって?

ボタニカルキャンドルは、その美しさと癒し効果から、近年特に注目を集めているハンドメイドアイテムです。基本的な知識を身につけることで、より魅力的な作品作りが可能になります。

1-1ボタニカルキャンドルの定義

ボタニカルキャンドルとは、キャンドルの中にドライフラワーやドライフルーツなどの植物素材を閉じ込めた、自然の美しさを活かしたキャンドルのことです。通常のキャンドルと異なり、視覚的な美しさと香りの両方を楽しめる点が大きな特徴です。植物素材を使用することで、環境にも優しく、癒し効果も高いとされています。
火を灯していない時でも、インテリアとして楽しむことができ、火を灯すと植物の影が幻想的な雰囲気を演出してくれます。また、植物素材からほのかに香る自然な香りは、心を落ち着かせてくれる効果があります。
最近では、ナチュラル志向の高まりとともに、ハンドメイドの趣味として人気を集めているアイテムです。

1-2使用される植物素材について

ボタニカルキャンドルに使用される植物素材は、その種類によって異なる魅力を持っています。最も一般的なのはドライフラワーで、バラ、ラベンダー、かすみ草などが人気です。これらの花材は、乾燥させることで色彩が落ち着き、キャンドルに優雅さを添えてくれます。
ドライフルーツも魅力的な素材の一つです。オレンジやレモンの輪切り、シナモンスティックなどは、見た目の美しさだけでなく、良い香りも楽しめます。季節に合わせた素材選びも重要で、春には桜やビオラ、秋には紅葉や実物を使うことで、季節感のある作品を作ることができます。
素材を選ぶ際は、完全に乾燥していることを確認することが大切です。水分が残っていると、カビの原因になったり、キャンドルの品質に影響を与えたりする可能性があるからです。また、火気に強い素材を選ぶことも安全性の面で重要です。

1-3キャンドルワックスの種類

キャンドルの基礎となるワックスの選択は、作品の質を左右する重要な要素です。最も一般的なのがソイワックスで、大豆から作られた植物性のワックスです。環境にやさしく、燃焼時間が長いのが特徴です。
パラフィンワックスは、石油から精製された従来からあるワックスです。扱いやすく、着色もしやすいため、初心者にもおすすめです。近年では、環境への配慮からミツロウやパームワックスなど、自然由来のワックスも注目を集めています。

ボタニカルキャンドル作りに必要なもの

美しいボタニカルキャンドルを作るためには、適切な準備が欠かせません。ここでは、必要な材料や道具、そして安全な作業環境の整え方について詳しく解説していきます。

2-1基本的な材料リスト

ボタニカルキャンドルを作るための材料と道具は、意外とシンプルで身近なものばかりです。専門的な道具も必要ですが、100円ショップでも代用できるものが多くあります。まずは基本の材料と道具を揃えることから始めましょう。
【材料】
・ワックス(ソイワックスまたはパラフィンワックス)200g
・キャンドルの芯(容器サイズに合わせて選択)
・ドライフラワーやドライフルーツ(完全乾燥したもの)
・耐熱ガラスまたは陶器製の容器
・シリコンスプレーまたはサラダ油(型離れ用)
【道具】
・耐熱容器(ステンレスまたはホーロー製)
・温度計
・割り箸やスプーン(攪拌用)
・IHクッキングヒーター
・湯煎用の鍋
・ピンセット(植物素材の配置用)
・はさみ(芯のカット用)
初めてボタニカルキャンドルを作る際は、材料選びが成功の鍵となります。特にワックスの選択は重要で、初心者の方はパラフィンワックスから始めることをおすすめします。また、植物素材は必ず完全に乾燥したものを使用し、水分を含んだ新鮮な植物は避けましょう。
容器選びも大切で、耐熱性があり、デザイン的にも美しい物を選ぶことで、より魅力的な作品に仕上がります。道具類は初めは最小限のもので始め、徐々に必要に応じて揃えていくのがよいでしょう。手に入りやすい100円ショップの道具から始めて、慣れてきたら専門的な道具に移行することをおすすめします。

2-2安全な作業環境の整え方

ボタニカルキャンドル作りは、高温のワックスを扱う作業のため、安全な環境づくりが何より重要です。まず、作業スペースは清潔で平らな場所を選びます。テーブルには新聞紙やクラフト紙を敷き、万が一のワックス飛散に備えましょう。
換気も重要なポイントです。ワックスを溶かす際には必ず換気扇を回すか、窓を開けて新鮮な空気を取り入れます。密閉された空間でワックスを加熱すると、蒸気が充満して危険です。また、火災予防の観点から、作業場所の近くに消火器や濡れタオルを用意しておくことをお勧めします。
予期せぬやけどを防ぐため、長袖の服装と、必要に応じて耐熱手袋を着用します。髪の長い方は必ず結び、垂れ下がった髪が高温のワックスに触れないよう注意が必要です。子どもやペットがいる場合は、作業中は近づかないよう配慮することも大切です。

ボタニカルキャンドルの作り方(基本編)

基本的な作り方を理解することで、誰でも美しいボタニカルキャンドルを作ることができます。ここでは、初心者の方でも安全に作れる基本的な手順を詳しく説明していきます。

3-1基本の手順

ボタニカルキャンドル作りは初めての方でも失敗なく進められる工程です。ただし、高温のワックスを扱うため、手順を正しく理解し、安全に気をつけることが大切です。基本の手順を理解して、美しいキャンドルを作りましょう。
1.ワックスを細かく刻むか、ペレット状のものを準備
使用するワックスは小さいほど均一に溶けやすくなります。固形のワックスは包丁で1cm角程度に刻むか、最初からペレット状になっているものを使うと作業がスムーズです。
2.耐熱容器にワックスを入れる
ステンレスやホーロー製の耐熱容器を使用します。プラスチックは熱で変形する可能性があるため避けましょう。容器の大きさは作るキャンドルの1.5倍程度が扱いやすいです。
3.IHヒーターか湯煎で80~85度まで加熱
直火は温度管理が難しく危険なので避けます。温度計を使って温度を確認しながら、ゆっくりと加熱します。温度が高すぎると変色や品質低下の原因になります。
4.容器を清潔に保ち、水気を完全に拭き取る
キャンドルを入れる容器は中性洗剤で洗い、完全に乾かします。水分が残っているとワックスとの相性が悪く、仕上がりに影響を与える可能性があります。
5.容器の中心に芯を配置し固定
専用の芯立てを使用するか、割り箸で挟んで固定します。芯が傾くとキャンドルが均一に燃えないため、まっすぐに立てることが重要です。
7.芯の長さを容器より1cm長めに調整
芯が短すぎると火が消えやすく、長すぎると大きな炎になり危険です。容器の深さに合わせて調整し、最終的に上部を5mm程度に切ります。
8.溶かしたワックスを少量注ぎ、固める
容器の底から1cm程度の高さまでワックスを注ぎ、完全に固まるまで待ちます。この土台があることで、植物素材が安定して配置できます。
9.ピンセットでドライフラワーを配置
壊れやすいドライフラワーは、先の細いピンセットで優しく扱います。配置する際は、火をつけた時の見た目を想像しながら、バランスよく配置します。
10.残りのワックスをゆっくり注ぎ入れる
側面から静かにワックスを流し入れることで、気泡の混入を防ぎます。一度に注がず、様子を見ながら少しずつ注ぐのがコツです。
完成したボタニカルキャンドルは、見た目の美しさだけでなく、火を灯した時の幻想的な雰囲気も楽しめます。植物素材の配置を工夫することで、世界に一つだけのオリジナルキャンドルが作れます。初めは基本に忠実に作り、徐々に自分らしいアレンジを加えていくことをおすすめします。

3-2温度管理のポイント

温度管理は、ボタニカルキャンドル作りの成功を左右する重要な要素です。ワックスの温度が高すぎると、植物素材が変色したり、ワックスそのものが変質したりする可能性があります。逆に温度が低すぎると、ワックスが均一に広がらず、表面に凹凸ができてしまいます。
温度計を使用して、常に適切な温度を保つことが大切です。ソイワックスの場合は、溶かす際の温度は85度前後、注ぐ際は75度前後が理想的です。パラフィンワックスは若干高めの温度設定が必要で、溶かす際は90度前後、注ぐ際は80度前後が適温となります。
また冷却時の温度管理も重要です。急激な温度変化は避け、常温でゆっくりと冷やすことで、キャンドルの表面にヒビが入るのを防ぎます。
冷却には通常2~3時間かかりますが、気温や湿度によって変化することもあるので、完全に固まったことを確認してから型から外すようにしましょう。

3-3仕上げの技術

キャンドルの仕上げ作業は、見た目の美しさを決める重要な工程です。表面に凹みができた場合は、少量のワックスを溶かして追加することで平らに整えることができます。この際のワックスの温度は、元のキャンドルが溶けない程度の75度前後に抑えることが大切です。
芯の調整も重要な仕上げのポイントです。固まったキャンドルの芯は、着火前に5~7ミリ程度の長さにカットします。長すぎると炎が大きくなりすぎ、短すぎると火が消えやすくなってしまいます。カットする際は、必ず専用のウィックトリマーか、鋭利なハサミを使用しましょう。
最終チェックでは、キャンドルの全体的な外観を確認します。側面に気泡や凹みがないか、植物素材が適切に配置されているか、芯が真っ直ぐ立っているかなどをチェックします。完成したキャンドルは、すぐに使用せず、24時間ほど置いてワックスを完全に安定させることをお勧めします。

デザインと香りのアレンジ

キャンドルの見た目と香りは、作品の魅力を大きく左右します。ここでは、より魅力的な作品を作るためのデザインと香りのテクニックについて解説していきます。

4-1植物素材の効果的な配置方法

植物素材の配置は、キャンドルの見た目を決める重要な要素です。奥行きのある美しい配置を実現するためには、大きな素材を基準に配置していくことがポイントです。例えば、大きな花びらや葉を背景として置き、その手前に小さな花や実物を配置することで、立体感のある構図を作ることができます。
色彩バランスも重要な要素です。同系色の植物素材を組み合わせることで統一感が生まれ、異なる色味をアクセントとして加えることで、より印象的な作品に仕上がります。例えば、白やピンクのドライフラワーをメインに使い、深い緑の葉や赤い実を差し色として使うことで、バランスの取れた美しい配色が実現できます。
季節感の演出も忘れてはいけないポイントです。春なら桜や菜の花、夏は向日葵やかすみ草、秋は紅葉や木の実、冬はヒイラギやユーカリなど、その季節らしい素材を選ぶことで、より魅力的な作品に仕上がります。

4-2香りのブレンド技術

香りの付け方は、ボタニカルキャンドルの重要な要素です。基本的な香りの組み合わせとしては、フローラル系とシトラス系、ハーブ系とウッディ系など、相性の良い香りを選ぶことが大切です。例えば、ラベンダーとオレンジの組み合わせは、リラックス効果が高く人気があります。
季節に合わせた香り選びも重要です。夏場は爽やかなレモングラスやミント、冬場は温かみのあるシナモンやバニラなど、その季節にふさわしい香りを選ぶことで、より豊かな香りの体験を作り出すことができます。
アロマオイルの使用量は、ワックス100グラムに対して3~5滴を目安とします。香りが強すぎると逆に不快感を与えることがあるため、控えめに始めて徐々に調整していくことをお勧めします。また、ナチュラルな植物素材本来の香りを活かすため、アロマオイルは補助的な使用に留めるのが理想的です。

応用テクニックとアレンジ例

基本的な技術を習得したら、より個性的な作品作りにチャレンジしてみましょう。ここでは、さらに魅力的な作品を作るための応用テクニックを紹介します。

5-1色付きキャンドルの作り方

色付きキャンドルを作る際は、キャンドル用の専用着色料を使用することが重要です。一般的な染料や絵の具は使用できません。着色料は、溶かしたワックスに少しずつ加えていき、目指す色よりも若干薄めの色に調整します。これは、固まった後の色味が少し濃くなる傾向があるためです。
色と素材の調和を考える際は、ドライフラワーなどの植物素材の色味を活かすことを意識します。例えば、淡いピンクのバラを使用する場合は、ワックスも同系色の優しいピンクに着色することで、統一感のある仕上がりになります。反対に、植物素材を引き立たせたい場合は、ワックスは白や淡いベージュなど、控えめな色使いにすることをお勧めします。

5-2さまざまな型の活用

円柱型は最も基本的な形状ですが、四角型や特殊な形状の型を使用することで、より個性的な作品を作ることができます。型を選ぶ際は、植物素材の大きさや配置のバランスを考慮することが重要です。例えば、小さな花を使う場合は細長い円柱型が、大きな花を使う場合は幅広の四角型が適しています。
特殊な形状のキャンドルを作る際は、型離れをよくするために、シリコンスプレーや専用の離型剤を使用します。複雑な形状の場合は、ワックスを注ぐ際に気泡が入りやすいため、ゆっくりと注ぎ、必要に応じて竹串などで気泡を潰しながら作業を進めます。

安全な使用と保管方法

キャンドルを楽しむためには、適切な使用方法と保管が欠かせません。ここでは、安全に使用し、長く楽しむためのポイントを解説します。

6-1使用時の注意点

キャンドルの火の取り扱いには細心の注意が必要です。火をつける際は、芯の長さが適切か確認し、周囲に燃えやすいものがないことを必ず確認します。燃焼時間は一度に3時間を目安とし、それ以上の連続使用は避けましょう。長時間の燃焼は、ワックスが過度に溶け、植物素材が露出して危険な状態になる可能性があります。
消火する際は、専用の消火キャップを使用するか、芯を溶けたワックスに倒して消します。吹き消すと、火の粉が飛び散る危険があるため避けましょう。また、燃焼中はその場を離れず、就寝時や外出時には必ず消火することを習慣づけることが大切です。

6-2適切な保管方法

ボタニカルキャンドルは、直射日光を避け、涼しい場所で保管することが重要です。高温になる場所での保管は、ワックスが溶けたり、植物素材が変色したりする原因となります。適切な保管温度は20度前後で、湿度は50%以下が理想的です。
長期保存する場合は、ホコリや汚れから守るため、箱や袋に入れて保管します。特に植物素材が表面に出ている部分は傷つきやすいため、薄紙で優しく包むなどの保護が必要です。また、芯が折れ曲がらないよう注意し、必要に応じて固定具で保護することをお勧めします。

よくある問題と解決法

キャンドル作りでもっとも多い問題の一つが、表面の凹みです。これは、ワックスが冷える過程で収縮することで起こります。この問題を解決するには、最初から少し多めにワックスを用意しておき、凹みができた後に追加で注ぎ足す方法が効果的です。追加のワックスは75度程度に温めて、ゆっくりと注ぎ入れましょう。
気泡の発生も頻繁に起こる問題です。これを防ぐには、ワックスを注ぐ際の温度管理が重要です。適温より低いと気泡が残りやすくなります。また、注ぐ際は容器の側面に沿ってゆっくりと流し入れることで、気泡の混入を最小限に抑えることができます。既に気泡が入ってしまった場合は、ヒートガンや乾燥機の温風で表面を軽く温めることで、気泡を消すことができます。
植物素材の浮き上がりは、特にボタニカルキャンドルで起こりやすい問題です。これを防ぐには、ワックスを2段階で注ぐ方法が効果的です。最初に少量のワックスを注いで植物素材を固定し、完全に固まってから残りのワックスを注ぎ入れます。また、素材が大きすぎる場合は、適度な大きさにカットして使用することも検討しましょう。

ギフトとしての活用法

手作りのボタニカルキャンドルは、心のこもった贈り物として喜ばれます。ここでは、ギフトとして活用する際のポイントを詳しく解説します。

8-1ラッピングのアイデア

ボタニカルキャンドルのラッピングでは、キャンドルの自然な魅力を引き立てることが重要です。基本的な包装方法として、まず不織布やオーガンジーの布で優しく包み、リボンやラフィアで留めます。この際、キャンドルが傷つかないよう、柔らかい素材を選びましょう。
季節に合わせた装飾も効果的です。春はパステルカラーのリボン、夏は涼しげな風合いの和紙、秋は木の実やドライフルーツを添える、冬は深みのある色のベルベットリボンを使うなど、季節感を演出します。また、メッセージカードを添える際は、キャンドルの使用上の注意点も簡単に記載しておくと親切です。

8-2用途別おすすめデザイン

誕生日プレゼントとして贈る場合は、受け取る方の好きな花や色を取り入れた、パーソナライズされたデザインがおすすめです。例えば、誕生月の花をモチーフにしたり、好きな香りを取り入れたりすることで、より特別な贈り物となります。
結婚祝いには、純白のワックスにバラやカスミソウを使用した上品なデザインが人気です。二人の門出を祝うにふさわしい、清楚で華やかな印象を演出することができます。また、新居のインテリアとして長く楽しんでもらえるよう、シンプルながらも存在感のあるデザインを心がけましょう。
季節のギフトでは、その時期ならではの植物素材を活かしたデザインが効果的です。クリスマスシーズンならヒイラギやモミの葉、バレンタインには赤やピンクのバラ、母の日にはカーネーションなど、行事や季節に合わせた素材選びで、より思い出に残る贈り物となります。

まとめ

ボタニカルキャンドル作りは、基本をしっかりと押さえることで、誰でも素敵な作品を作ることができます。初めは失敗することもあるかもしれませんが、それも作品づくりの過程として楽しんでいただければと思います。
本記事で紹介した技術や知識を参考に、ぜひあなただけの特別なボタニカルキャンドルを作ってみてください。作る楽しみ、灯す喜び、そして誰かに贈る幸せ。それらすべてを味わえるのが、ボタニカルキャンドル作りの魅力です。まずは小さな一歩から始めて、徐々にスキルアップしていくことをお勧めします。