刺繍デザイナー資格

趣味や仕事に活かせる刺繍資格!取得方法やメリットを解説

針と糸があれば、誰でもはじめられる「刺繍」。
「おうち時間」が増えたことから、刺繍を趣味ではじめた方も増えているようです。

刺繍が上達すると「もっと刺繍を極めたい」「刺繍を人に教えてみたい」と考える方も少なくありません。

そこでおすすめするのが、刺繍資格の取得です。

本記事では、
* 初心者でも取得しやすい刺繍資格
* 師範を目指したい方向けの刺繍資格
* 刺繍資格の取得方法やメリット
をわかりやすく解説します。

刺繍資格を取得して、趣味や仕事に活かすのはいかがでしょうか。
趣味や仕事に活かせる刺繍資格!取得方法やメリットを解説

目次

【基本情報】刺繍資格とは

針と糸があれば誰でも気軽にはじめられる刺繍は、女性を中心に人気を集めています。

刺繍の方法は数多く、さまざまなステッチを組み合わせてアレンジしながら楽しめるのが特徴です。
ハンカチにワンポイント刺繍を施したり、刺繍アクセサリーを使ったりして、自分用の自作グッズを身に付ける方もいます。
また、刺繍作品は思いのこもったプレゼントとしても最適です。

中には刺繍のさまざまな技法を身に付けて、作った作品を販売している方もいます。
センスが認められると、刺繍作家として活躍する道も開けるかもしれません。

初心者やスキルアップを目指したい方には、刺繍資格の取得をおすすめします。

刺繍は低コストではじめられ、楽しいだけでなく仕事にも活かせる実用的な趣味です。
おうち時間を活用して資格取得を目指すのはいかがでしょうか。

初心者におすすめの刺繍資格2選

これから刺繍にチャレンジする初心者やブランクのある方でも、比較的簡単に取得できる資格があります。
刺繍の基本を身に付けて、趣味として楽しみたい方におすすめです。
また、「将来は刺繍に関連する仕事に就きたい」と考えている方でも、目標への第一歩として役立つ資格です。

ここでは、初心者におすすめの刺繍資格を2つご紹介します。

2-1刺繍デザイナー

「刺繍デザイナー」は、日本インストラクター技術協会(JIA)が主催する民間の刺繍資格です。

資格取得により、クロスステッチやフランス刺繍など刺繍のさまざまな技法・針と糸のサイズ・額縁や布など使用する道具に関する幅広い知識を持つことを証明します。
また、刺繍の図案の読み方や自分で構図・図案を考えるスキルも身に付け、刺繍デザイナーおよび講師として活動できるようになります。

刺繍デザイナー資格試験の基本情報
受験資格 特になし
受験料 1万円(税込)
受験申請 インターネットからの申し込み
受験方法 在宅受験(試験期間中に解答し、提出期限までに返却用封筒で解答用紙を返送)
合格基準 70%以上の評価
試験日程 年6回(偶数月中旬)
試験内容 * 刺繍の種類
* 刺繍に使う針や道具
* 刺繍で作れるもの
* 色の組み合わせ
* 刺繍を刺す構図や配置
* 額の選び方
* フランス刺繍について
* リボン刺繍について
* ビーズ刺繍について など
参考:日本インストラクター技術協会「刺繍デザイナー(刺繍資格)

2-2刺繍アドバイザー

「刺繍アドバイザー」は、日本生活環境支援協会(JLESA)が主催する刺繍資格です。

刺繍に関する基本的な知識を身に付け、フランス刺繍・ビーズ刺繍・コード刺繍などさまざまな刺繍の種類についての知識や実際の刺し方を知っている者を認定します。
図案を書いたり自分でグッズを作ったりして自ら刺繍を楽しむほか、第三者にもアドバイスできるようになります。

刺繍アドバイザー資格試験の基本情報
受験資格 特になし
受験料 1万円(税込)
受験申請 インターネットからの申し込み
受験方法 在宅受験(試験期間中に解答し、提出期限までに返却用封筒で解答用紙を返送)
合格基準 70%以上の評価
試験日程 年6回(偶数月中旬)
試験内容 * フランス刺繍
* ビーズ刺繍
* リボン刺繍
* コード刺繍
* ターハンガー
* ミシン刺繍
* ニードルポイント
* クロスステッチ
* 刺し子 など
参考:日本生活環境支援協会「刺繍アドバイザー

師範を目指したい方におすすめの刺繍資格

刺繍の基本から段階的に学習し、最終的には師範を目指したい方もいるでしょう。
刺繍の世界は奥深く、ひとつの資格を取得した後もステップアップできる目標が生まれます。

ここでは、師範を目指したい方におすすめの刺繍資格をご紹介します。

3-1日本手芸普及協会認定の刺繍資格

師範を目指したい方におすすめするのは、「公益財団法人日本手芸普及協会」が認定する刺繍資格です。

同協会の刺繍部門では以下の3つの技法を学び、資格取得を目指せます。

* ステッチ100
地域や時代により、様々な種類の刺しゅうの技法があります。それらの中から、色糸を使うフランス刺しゅう、リボンを糸として使用するリボン刺しゅう、ビーズをあしらうビーズ刺しゅう、布を寄せるスモッキング刺しゅう、立体的に刺すレイズドワークなど、代表的な技法を学びます。
* 白糸刺しゅう
白布に白い糸で刺す刺しゅうの総称です。その歴史は古く、織物の縁どりとしてはじまり、中世の教会装飾に多く用いられ、のちに一般の装飾や室内装飾にも用いられるようになりました。洗濯に耐えるように芯を入れて密に刺した結果、立体的で陰影のある清楚な日用品が多く生まれました。
* 区限刺しゅう
布地の織り糸をカウントしながら刺し、パターンを作っていく刺しゅうの総称です。シンプルなステッチのくり返しで幾何学模様を作ったり、絵柄を刺し埋めたりします。 多くの国で見られるクロスステッチや、地方で生まれ育まれてきたハーダンガーワークやこぎん刺しゅうなどがあります。
引用:日本手芸普及協会「刺しゅう部門のコース

3つのコースはそれぞれ、「本科」「高等科」「講師科」「指導員」の4つのレベルに段階的に進めます。
各コースで本科から指導員のレベルに達するには、最短1年9ヵ月の期間が必要です。

すべてのコースで指導員資格を取得すると、「師範養成講座」「指導者のためのアドバンスプログラム」を受講し、修了後に「刺しゅう師範」の資格を得られます。

腰を据えてじっくりと学習し、刺繍を極めたい方にピッタリのカリキュラムです。

3-2戸塚刺しゅう協会認定の刺繍資格

「戸塚刺しゅう協会」も知名度の高い団体で、初心者から師範を目指す方まで段階的にじっくりと学べる資格取得制度を用意しています。

同協会は会員制で、「教室会員」と「師範会員」に分かれています。

【教室会員】
入会金3,000円/年会費4,000円

* 初級
バックステッチ・クロスステッチなど30種類のステッチを習得します。
* 中級
カットワークを含む20種類のステッチを習得します。
* 上級
初級・中級で学んだステッチを20種類以上使用してオリジナル課題を仕上げます。
上級資格取得後に師範会員への入会が可能になります。

【師範会員】
入会金3万円/年会費3万2,000円

師範会員に入会することで、戸塚刺しゅうの師範としてレッスンを提供できるようになります。
また、全国で開催される師範会員対象の講習会にも参加できます。
師範会員は、課題作品の審査を経て師範3級→師範2級→師範1級→師範総代の順にステップアップする仕組みです。

目標を持ってステップアップし、最終的に「戸塚刺しゅうの先生」として活動したい方におすすめです。

3-3楽習フォーラム認定の刺繍資格

「楽習フォーラム」は、生涯学習の普及推進を目標に株式会社オールアバウトライフワークスが運営する団体で、「一般財団法人生涯学習開発財団(GLLC)」の後援を受けて5つの刺繍資格を認定しています。

【オートクチュール刺繍アクセサリーディプロマ】
世界各地のさまざまな技法・素材で、オーダーメイドのドレスやバッグを装飾する「オートクチュール刺繍」をマスターするコースです。
6つのアクセサリー制作をとおして、刺?の基本技術から糸刺繍・ビーズ、スパンコール刺繍・リボン刺繍・コード刺繍・ゴールド刺?を体系的に学びます。

【オートクチュールビーズ刺繍ジュエリー】
本場のオートクチュール・コレクションで使用されるフランス製パイエットや、世界的に高い評価を得ているMIYUKIビーズなど、厳選された素材・道具を使ってオートクチュール刺繍の技法を学びます。
カリキュラムで作る作品は洗練されたジュエリーに仕上がり、身に付けて楽しむことも可能です。

【ソウタシエジュエリーディプロマ】
ヨーロッパの伝統的なコード刺繍に、ビーズステッチや刺繍の基本技術を加えてデザイン性の高い作品を作れるようになります。
7つの技法と70のテクニックをマスターし、奥行きと広がりのあるソウタシエの世界観が学べるコースです。

【ビジューソウタシエディプロマ】
ソウタシエにビーズステッチを組み合わせ、キラキラしたビジュー感のある独創的なアクセサリー作りを学べます。
ビーズステッチテクニックをより多くしたコースで、ビーズ好きの方におすすめのコースです。

【刺しゅうステッチ検定】
「英国刺繍バイブル ステッチ408」を教科書とし、ステッチが用いられた歴史的背景や伝統的技法230種をマスターするコースです。
ステッチをきれいに仕上げるコツや、効果的な使い方・刺し方を学び、インストラクターとして講座開講ができるレベルに達します。

いずれのコースも、講座修了後に課題作品の審査を受けてディプロマ証および認定証を取得できます。
さらに楽習フォーラム会員に登録することで、「ディプロマインストラクター」および「認定インストラクター」として活動することも可能です。

刺繍資格を取得するメリット

刺繍は、針と糸を用意すれば手軽にはじめられ、手に職をつけたい方にも実用的な趣味です。
資格取得を目指すことでさまざまな技法を学び、センスを磨けると期待できるでしょう。

ここでは、刺繍資格を取得するメリットを解説します。

4-1資格を趣味に活かせる

刺繍資格を取得することで、趣味に活かせるメリットがあります。

教本を読みながら自己流ではじめる方もいますが、きれいに仕上げるのは意外と難しいものです。
刺繍資格の取得を目指して学習することで、基本的な知識やさまざまな技法を学び、難易度の高い作品も作れるようになります。

身の回りのさまざまものに刺繍を施し、オシャレな自作グッズを楽しむ方も少なくありません。
また、子どもたちの持ち物にカワイイ刺繍を入れると喜ばれるでしょう。

刺繍資格は、身近なものに刺繍を取り入れて、生活を豊かにしたい方にピッタリの資格だといえます。

4-2資格を副業や仕事に活かせる

刺繍資格を取得するメリットには、副業や仕事に活かせることも挙げられます。

刺繍資格取得者は、世界中でも親しまれている実にさまざまな刺繍の種類や技法を熟知しており、自宅やカルチャースクールで講師活動をする方も少なくありません。
資格によっては、登録団体の教室でインストラクターとして活躍できる機会も開かれている場合があります。

資格取得で身に付けた知識や技術を駆使して、作成した作品をネット販売する方もいます。
インターネットの普及により、自作グッズの売買を手軽に行えてたいへん便利です。
また、高い技術とセンスが評価され、刺繍作家として活躍できる可能性もあるでしょう。

手芸店や大型店舗の手芸センターで働く方も、刺繍資格を取得することで接客に活かせます。
豊富な知識が評価され、キャリアアップにつながることも期待できるでしょう。

刺繍資格の取得方法

刺繍資格の取得方法

刺繍資格の取得方法として、以下の3つが挙げられます。

* 独学で資格取得を目指す
* 教室に通って資格取得を目指す
* 通信講座で資格を取得する

ライフスタイルや目標に応じて、最適な資格取得方法は異なります。
ここでは、それぞれの資格取得方法のメリットやデメリットを解説します。

5-1独学で資格取得を目指す

刺繍資格を取得するのに、独学で直接受験する方法があります。

例えば、初心者でもチャレンジしやすい「刺繍デザイナー」「刺繍アドバイザー」は、それぞれの主催団体に直接受験を申し込めます。
年6回、2ヵ月おきに資格検定試験を実施しており、在宅受験で資格取得が可能です。

合格基準は70%以上の評価で、満点を取る必要がないため比較的難易度は低いと考える方もいるでしょう。
また、一発合格をすれば受験料1万円で資格取得ができ、コストパフォーマンスが最も高い方法でもあります。

ただし、刺繍資格には数多くの技法や刺繍の歴史など幅広い知識が求められ、刺繍の刺し方を知っているだけでは難易度が高いといえます。
ある程度の経験を持っている方でない限り、独学での資格取得はおすすめできる方法ではありません。

5-2教室に通って資格取得を目指す

刺繍資格を取得する方法に、教室に通うことも挙げられます。

そもそも刺繍を習うのに、教室に通うのは一般的な方法です。
講師の直接指導により刺繍の技法をマスターし、資格取得を目指しながらステップアップできます。

刺繍は、上達したければ練習あるのみ。

手軽にはじめられる趣味ではあるものの、刺繍の世界は奥が深く、極めるには時間がかかります。
刺繍教室に通うことで、体系的に刺繍の技法を学ぶことができ、資格取得により段階的にステップアップできるのがメリットです。
また、講師や刺繍仲間とのつながりができ、モチベーションを保つ効果も期待できます。

刺繍教室では、会員登録することで資格取得後に認定講師として活動できるなど、さまざまな特典が得られるケースもあります。
通学の時間が取れる方や、将来的にサポートを得ながら講師として活躍したい方などは、通学による資格取得がおすすめです。

5-3【おすすめ】通信講座で資格を取得する

忙しい方でも資格取得しやすい方法として、通信講座をおすすめします。

通信講座なら、自宅にいながら時間の制限なしに自分のペースで学習を進められます。
特に、忙しい会社員や子育て中の主婦などは、教室に通って資格取得を目指すのは難易度が高いといえるでしょう。

初心者でも資格取得しやすい講座に、「SARAスクールジャパン」「諒設計アーキテクトラーニング」が挙げられます。
いずれの講座も、「刺繍デザイナー」「刺繍アドバイザー」の2つの資格を同時に取得できるコースを用意しています。

基本コース(5万9,800円、税込)は、専用テキスト・練習問題集・5回分の課題などが含まれていて、試験対策に集中できるのがメリットです。
また、卒業時に試験免除で資格認定される特別コース(7万9,800円、税込)もあり、確実に資格を取得したい方におすすめします。

受講期間は、1日30分程度の学習で約6ヵ月、短期集中の場合は最短2ヵ月です。
すぐに資格が欲しい方や、スキマ時間にコツコツ学習したい方にもピッタリの講座です。

ほかの刺繍教室でも、通学講座と通信講座を選択できるケースがあるため、事前に確認するとよいでしょう。

まとめ

趣味や仕事に活かせる刺繍資格を、資格の取得方法やメリットと共にご紹介しました。

刺繍は手軽にはじめられる定番の趣味であるとはいえ、技法の種類は数多く、極めるにはたいへん奥深いといえます。
資格取得により刺繍の基本をマスターすることで、早い上達が期待できるでしょう。

また、刺繍は技術やセンスを磨いて仕事に活かせるのも大きなメリットです。
作品の販売や講師活動など、幅広く活躍できる場があります。
また、資格によっては仕事のサポートもしてくれる場合もあり、資格取得で収入を得たい方にピッタリです。

まだまだ自宅で過ごす時間が多い昨今、実用的な趣味として人気の高い刺繍資格にトライしてみるのはいかがでしょうか。