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ヨガの呼吸法一覧|代表的な9種類・得られる効果を詳しく解説

記事作成日:2024.12.12
「ヨガの呼吸法の種類が知りたい」
「ヨガの呼吸法を行うとどんな効果が得られるの?」

ヨガに興味がある方は、上記のような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ヨガの呼吸法は、さまざまなメリットが期待できる魅力的な健康法です。

この記事では、代表的なヨガ呼吸法の種類や具体的なやり方、呼吸法で得られる効果についてなど詳しく解説していきます。

ヨガの呼吸法を習得して、心身ともに健康になりましょう。
ヨガの呼吸法一覧|代表的な9種類・得られる効果を詳しく解説

目次

ヨガの呼吸法とは

ヨガの呼吸法は生命エネルギーを効率よく取り込むためのものです。
「プラーナヤーマ」とも呼ばれ「生命エネルギーの拡大」を意味します。
プラーナヤーマの目的は、正しい呼吸法を通じて心身にエネルギーを取り入れ、健康を促進することです。

現代では、心と身体の健康を保つためにプラーナヤーマを実践する人が増えています。呼吸法によって生命エネルギーが身体にスムーズに取り込まれ、心身の活性化やバランス調整に役立ちます。

ヨガの呼吸法|代表的な9種類を解説

ここでは、基本的なヨガの呼吸法を10種類を紹介します。
1.腹式呼吸
2.片鼻呼吸(ナーディショーダナ)
3.胸式呼吸法
4.シータリー呼吸
5.シッカーリ呼吸(シートカーリー)
6..ウジャイ呼吸
7.バストリカ呼吸
8.ブラーマリー呼吸
9.カパラバティ呼吸
10.ムールチャ呼吸

以下で、一つずつ解説していきます。

2-11.腹式呼吸

腹式呼吸は、吸う息でお腹を膨らませ、吐く息でお腹を凹ませる基本の呼吸法です。腹式呼吸により横隔膜が上下すると、内臓が活性化され副交感神経が優位になります。

腹式呼吸のやり方は、以下の通りです。

1.座ったり寝たりして楽な姿勢になる
2.息を吐き切った後、鼻からゆっくりと息を吸い込み、お腹が膨らます
3.鼻から息をゆっくりと吐きながらお腹をへこませる
4.吸ったときの倍くらいゆっくりと長く吐く

お腹に両手を当てると、お腹の動きを感じやすくなります。
腹式呼吸を意識すると、ヨガの効果がさらに高まり、リラックスした状態でヨガに取り組めます。また、筋肉をゆるめる効果もあるため、心身ともに落ち着いた状態を保ちやすくなるでしょう。

2-22.片鼻(ナーディショーダナ)呼吸

ナーディショーダナ呼吸は、片方の鼻の穴を交互に使って呼吸を行う呼吸法です。ヨガ後や寝る前に取り入れると、心身をリラックスできます。

片鼻呼吸法のやり方は、以下の通りです。

1.あぐらをかき、上半身を真っ直ぐに保つ
2.右手の親指で右の鼻の穴を閉じ、左の鼻からゆっくりと息を吸う
3.右手の薬指で左の鼻の穴を閉じ、親指を離して右の鼻からゆっくりと息を吐く
4.次に右の鼻から息を吸い、親指で右の鼻の穴を閉じ、薬指を離して左の鼻から息を吐く
5.1〜4の流れを10回程度繰り返す

片鼻呼吸は、自律神経を整えるだけでなく、リラックス効果を高めるためのシンプルな呼吸法です。
忙しい日常の中でも手軽に実践できるので、ぜひヨガの終わりや寝る前のリラックスタイムに取り入れてみてください。

2-33.胸式呼吸法

胸式呼吸は、集中力を高め、心身を活動モードに切り替えるのに効果的な呼吸法です。
胸式呼吸を行うと、交感神経が優位になり、身体が緊張状態や活動状態に切り替わるため、集中力を高める効果が期待できます。

胸式呼吸のやり方は、以下の通りです。

1.座る、立つ、横になるなど、楽な姿勢をとり、背筋を伸ばし肩の力を抜く
2.まず、胸や肺の中の空気を全て出し切るイメージで口からゆっくりと息を吐き切る
3.肋骨を左右に広げるように意識しながら、鼻からゆっくりと息を吸い込む
4.肋骨が元の位置に戻るのを感じながら、鼻または口から、ゆっくりと息を吐き出す
5.吸うときの秒数(3〜4秒程度)と吐くときの秒数(4〜6秒程度)を意識しながら、これを数回繰り返す

ヨガの胸式呼吸は、日常の浅い胸式呼吸とは異なり、深くて大きな呼吸を意識するのがポイントです。深い呼吸によって、肋間筋を動かし、ストレスなどで硬くなった筋肉をほぐしながら、多くの酸素を取り込み心身を活発にします。

深い胸式呼吸を行う際は、肋骨の動きに集中し、身体全体の緊張を解きほぐすよう心がけましょう。

2-44.シータリー呼吸

シータリー呼吸は、口から息を吸い、鼻から吐く珍しい呼吸法です。
息を口から吸い込むときに舌を丸めて吸うと、冷たい空気が体内に取り入れられ、身体を冷ます効果が期待できます。

シータリー呼吸のやり方は、以下の通りです。

1.楽な姿勢で座り、息を吐き切る
2.舌をストロー状に丸め、「シー」と音を出しながら口からゆっくりと息を吸い込む
3.息を吸ったら口を閉じ、鼻からゆっくりと息を吐き出す
4.このサイクルを2〜3セット繰り返す

シータリー呼吸は、暑さを感じるときや気持ちを鎮めたいときに最適な呼吸法です。また、気化熱を利用して体温が下がり、真夏の暑い日やホットヨガ後に体温を調整するのに適しています。
イライラや興奮した気持ちを鎮め、リラックス効果も得られるのでリフレッシュしたい時に取り入れてみましょう。

2-55.シッカーリ(シートカーリー)呼吸

シッカーリ(シートカーリー)呼吸は、「シー」と音を出しながら空気を取り込む呼吸法です。シッカーリ呼吸は、歯の間から空気を吸い込むことで冷たい空気を取り入れ、体温を下げる効果があります。シータリー呼吸と同じく心身を落ち着かせる効果があります。

シッカーリ呼吸のやり方は、以下の通りです。

1.楽な姿勢で息を吐き切る
2.上下の歯を軽く合わせて口を「イー」と横に広げ、舌を上顎につけて安定させる
3.歯の間から冷たい空気を吸い込みながら「シー」と音を出す
4.口を閉じて鼻からゆっくりと息を吐き出す
5.このサイクルを10~20回、または3~10分間続ける

シッカーリ呼吸は、クールダウン効果があり、暑さを和らげたいときやリフレッシュしたいときにおすすめです。

2-66.ウジャイ呼吸

ウジャイ呼吸は、集中力を高め、リラックスをもたらす力強い呼吸法です。
胸式呼吸の一種で、鼻から吸って鼻から吐き、吐くときに喉の奥で「シー」と摩擦音を出すのが特徴です。
集中力とリラックス効果を期待できます。

ウジャイ呼吸のやり方は、以下の通りです。

1.胡座になり鼻からゆっくりと息を吸い、胸が膨らむのを感じる
2.喉の奥を少し締めて鼻からゆっくりと息を吐き、「シー」という摩擦音を出す
3.2〜3セット繰り返す

「シー」という音は自分にだけ聞こえるくらいの大きさが理想です。練習中は少し強めに音を出しても構いません。2〜3セット繰り返すと、身体が温まりリラックスが促されます。
難しいと感じるときは、まず口を開けて音を出しながら練習すると良いでしょう。

ウジャイ呼吸は、全身を温め集中力を高める効果があります。呼吸が深まり、リラックスと集中を同時に体感できるでしょう。

2-77.バストリカ呼吸

バストリカ呼吸は、勢いよく吸って吐く動作を繰り返すことで体内に新鮮な酸素を送り込み、内臓を活性化させる呼吸法です。

バストリカ呼吸のやり方は、以下の通りです。

1.息を吐き切る
2.腹部を使い、勢いよく息を吐き出す
3.素早く息を吸う
4.2と3を15〜30回を1セットとし、2〜3セットを目安に行う

バストリカ呼吸は、心臓やのどにエネルギーが突き抜けるイメージで行いましょう。

簡単にできるので、朝や運動前などに取り入れると、エネルギーに満ちた一日をスタートできます。

2-88.ブラーマリー呼吸

ブラーマリー呼吸は、息を吐くときに「ンー」とハミング音を出す呼吸法です。頭蓋骨に心地よい刺激を与え、心を落ち着かせる効果があります。

ブラーマリー呼吸のやり方は、以下の通りです。

1.姿勢を正して座り、目を閉じる
2.親指以外の4本の指で両まぶたを軽く覆い、親指で耳の穴を閉じる
3.鼻からゆっくり息を吸い、「ンー」と低いハミング音を出しながらゆっくり息を吐く

ハミング音を出すときは、上下の歯を少し開けて軽く口を閉じておこないます。振動が頭の中に響くように意識しましょう。

ブラーマリー呼吸は、ストレスが溜まったときやリラックスしたいとき、集中力を高めたいときなどに取り入れるのがおすすめです。

2-99.カパラバティ呼吸

カパラバティ呼吸は、腹筋を強く使って行うリズミカルな呼吸法です。
呼吸を通して肺や横隔膜、腹筋を積極的に動かし、血行を促進するため、心身がスッキリする効果が期待できます。

カパラバティのやり方は、以下の通りです。

1.胡座になり、一度息を吐き切る
2.鼻から息を吸い、お腹を膨らませる
3.腹筋を凹ませながら「フッフッフッ」と鼻からリズミカルに短く強く吐き出す
4.1秒に1回程度のペースで20〜30秒間続ける(慣れている方は1分程度続ける)
5.このサイクルを2〜3セット繰り返す

息を吸う動作は、自然に行い、吐くことに集中しましょう。
「火の呼吸」とも呼ばれており、体内を温めてエネルギーを高める効果があるとされています。カパラバティは、特定の眼病や高血圧がある方や妊娠中の方は負担が大きいため、避けた方がいいでしょう。

カパラバティ呼吸は、初心者は短時間から始め、無理なく行いましょう。

ヨガの呼吸法で得られる4つの効果

ヨガの呼吸法で得られる効果はたくさんあります。

・新陳代謝が向上する
・インナーマッスルの強化
・自律神経のバランスを整える
・集中力を高める

以下で、一つずつ詳しく説明していきます。

3-11.新陳代謝が向上する

深い呼吸を意識的に行うと、新陳代謝の向上が期待できます。
深い呼吸をすると、普段よりも多くの酸素を体内に取り込むことができ、リラックス効果により血管が拡張し、酸素や栄養が効率よく全身に行き渡るためです。

血流が良くなると冷え性が緩和され、肩こりが軽減されるケースがあります。また、体内に十分な酸素が行き渡ると、免疫細胞の働きも活性化され、免疫力の向上にもつながります。

深い呼吸は新陳代謝を高めるだけでなく、身体全体の健康をサポートします。日常生活に取り入れて、体調改善を目指してみてはいかがでしょうか。

3-22.インナーマッスルの強化

ヨガの呼吸法は、インナーマッスルを鍛える効果があり、体幹強化や姿勢改善につながります。
ヨガの腹式呼吸は、横隔膜や腹横筋といった深部の筋肉を意識的に使用するため、インナーマッスルを鍛えるトレーニングとなるためです。

インナーマッスルが鍛えられると、姿勢が良くなり、腰痛や肩こりの予防にも役立ちます。また、体幹が強化されると、日常生活や運動パフォーマンスが向上する効果も期待できるでしょう。

3-33.自律神経のバランスを整える

ヨガの呼吸法を取り入れると、自律神経のバランスが整います。
自律神経は呼吸と密接に関係しているためです。

身体が活動状態や緊張状態にあるときに優位に働く交感神経が優位になると呼吸は浅く速くなります。また、身体がリラックスしているときや休息しているときに優位に働く神経副交感神経が優位になると深くゆっくりとした呼吸になります。呼吸を意識的にコントロールすると、自律神経のバランスを調整できます。ストレスや不規則な生活が多い現代社会において、健康を維持するためにおすすめの方法です。

意識的な呼吸法を取り入れ、自律神経のバランスを整える習慣を始めてみましょう。

3-44.集中力を高める

ヨガ呼吸法は、集中力を高め仕事や勉強のパフォーマンス向上が期待できます。
呼吸に意識を集中することで心を静め、頭の中にある雑念を取り払う効果があるため、心がクリアになり、集中力が向上します。

たとえば、仕事のプレゼン準備や試験勉強の際にヨガ呼吸法を取り入れると、気持ちを落ち着けながら集中状態の維持が可能です。また、短時間の実践でも効果が得られるため、忙しい日常でも手軽に取り入れられるのも魅力です。

ヨガ呼吸法を毎日の習慣に取り入れ、より高いパフォーマンスを実現しましょう。

ヨガの呼吸法をおこなう際の3つのポイント

ヨガの呼吸法をおこなう際は、以下の3つのポイントを押さえておくとより効果を高められます。

・安定した姿勢でおこなう
・身体の力を抜く
・吸う息と吐く息の時間配分を意識する

以下で詳しく解説します。

4-11.安定した姿勢でおこなう

ヨガの呼吸法を効果的に行うためには、安定した姿勢を保ち正しい身体の使い方を意識しましょう。
背筋を伸ばし、胸を広げた状態を意識すると、体内に十分な酸素を取り込めます。

呼吸に集中できない場合は、無理に難しいポーズを取る必要はありません。たとえば、あぐらをかいて安静な状態を保ちながら、呼吸に集中するだけでも十分な効果を得られます。初心者の方は、まずシンプルな姿勢から始めてみましょう。

ヨガの呼吸法は、無理のない安定した姿勢で行うことでその効果を最大限に発揮します。まずは簡単なポーズから始めて、呼吸に集中する習慣をつけてみましょう。

4-22.身体の力を抜く

ヨガの呼吸法を効果的に行うためには、意識して身体をリラックスさせましょう。
身体に力が入ると、自然と呼吸が浅くなりやすくなるためです。

たとえば、ポーズを取る際に肩や首に力が入っていると、呼吸が浅くなりがちです。その場合は、一度身体の力を抜いてリラックスすると、自然と深い呼吸ができるでしょう。

ヨガの呼吸法では、まず身体を脱力させるくらいリラックスさせ、深い呼吸を意識しましょう。

4-33.吸う息と吐く息の時間配分を意識する

ヨガの呼吸法を行う際は、息を吸う時間と吐く時間を意識しましょう。
均等なリズムを意識すると、呼吸がスムーズになり、ヨガの効果が高まるためです。

インストラクターの指示が特にない場合は、吸う時間と吐く時間を同じくらいにするのがおすすめです。時間を計る必要はなく、心地よいペースで呼吸を行いましょう。

ヨガの呼吸法では、吸う・吐く時間を意識しつつ、リラックスした状態を保つことが大切です。自然なリズムで深い呼吸を楽しみ、ヨガの効果を最大限に引き出しましょう。

ヨガの呼吸法をおこなう際の注意点

ヨガの呼吸法をおこなう際は、以下の3つに注意して行いましょう。
・食後すぐには行わない
・体調が悪い時は控える
・安全な環境で行う

詳しく解説します。

5-1食後すぐには行わない

食後すぐにヨガ呼吸法を行うのは、消化不良の原因になる可能性があるため避けましょう。

ヨガの呼吸法は、食事後はできれば4時間程度の間隔を空けてから行うのが理想的です。消化が落ち着いた状態で呼吸法を楽めるでしょう。

ヨガの呼吸法は、食後すぐを避け、適切なタイミングで始めると安全に行えます。

5-2体調が悪い時は控える

体調が優れない時は、ヨガの呼吸法は無理して行わず休みましょう。
無理に行うと症状が悪化する可能性があるためです。

以下の症状が見られる場合は、ヨガの呼吸法を行うのは控えましょう。
・発熱
・風邪
・頭痛
・吐き気
ヨガ呼吸法を行うと身体に負担がかかり、症状が悪化するリスクがあります。
また、呼吸器系の疾患がある方は、特定の呼吸法が症状を引き起こす場合があるため、慎重な対応が必要です。

ヨガ呼吸法は健康促進に効果的ですが、体調が悪い時には控えるべきです。身体を労わり、安全に取り組むために、必要に応じて医師と相談しながら行いましょう。

5-3リラックスできる環境で行う

ヨガ呼吸法を効果的に行うためには、リラックスできる静かな環境を選びましょう。
転倒の危険性がある場所や騒音の多い環境では、ヨガ呼吸法に集中できず、リラックス効果が得られにくくなるためです。

以下の状態を意識した環境を整えましょう。
・床の状態:固い床で行う場合は、ヨガマットやブランケットを敷くと、身体に優しく安全に行えます。
・温度と湿度:室内の温度や湿度を適切に調整し、暑すぎず寒すぎない快適な空間を整えましょう。
静かな場所:騒音のない静かな場所を選び、心を落ち着けて呼吸に集中できる環境を作りましょう。

リラックスできる静かな空間は、ヨガ呼吸法の効果を引き出すために重要です。環境を整えた上で、快適にリラックスしながら実践してみましょう。

ヨガ呼吸法は心身を整える効果的な健康法

この記事では、代表的なヨガ呼吸法のやり方や取り入れ方、得られる効果について詳しく解説しました。

ヨガ呼吸法は、初心者でも気軽に始められる簡単で効果的な健康法です。リラックスや集中力の向上、免疫力アップなど、さまざまな効果が期待できます。
呼吸を意識的に行うと、自律神経のバランスが整い、心身にプラスの影響をもたらします。

ヨガの呼吸法は、特別な道具や場所を必要とせず、自宅や職場でも取り入れやすいのが魅力です。正しい方法を学び、日常生活にヨガ呼吸法を取り入れてみましょう。忙しい日常の中でも短時間で実践できるので、継続もしやすいです。また、ヨガ呼吸法は年齢や体力に関係なく誰でも行えるため、幅広い人々におすすめです。

この記事を参考に、自分に合ったヨガ呼吸法を見つけて、ぜひ活用してみてください。
習慣化することで、日々のストレスを軽減し、より充実した毎日を過ごせるでしょう。