心理カウンセラーは、独立開業に適している仕事の一つです。
なぜなら、スキルや資格があって顧客からの信頼が得られさえすれば、特別な設備や資格がなくても開業できるためです。
カウンセリングにはそれほど広いスペースを要さないこともあり、自宅の1室でも開業できます。
また、近年においては心理カウンセリングを受けることが一般化していることも開業の追い風要因です。
現代社会はストレス社会ともいえます。
また、精神状態が少し悪化した際に、カウンセリングや心療内科での診察をうけることがそれほど珍しいことではなくなっているため、うまく宣伝できればスムーズに集客できます。
一般的に、心理カウンセラーは、相談者の心の悩みや不安を聞いて、相談者が自ら解決できるように働きかける役割を担います。
カウンセリングの際に用いられるのは、傾聴などのテクニックや心理学に関する学術的な知識です。
一部の役割を除き、心理カウンセラーになるために特別な知識やスキルは必要なく、顧客からの信頼を得るための実績や評判が要求されます。
心理カウンセラーとして独立開業することは、それほど難しいことではないため、個人で活動している人は近年増えています。
参入者も多いことから、独立開業すれば必ず成功するとは限りません。
心理カウンセラーとして独立したあとに失敗しないよう、事前にメリット・デメリットを十分に理解しておきましょう。
心理カウンセラーとして独立開業することの最大のメリットは、時間に縛られることなく自由に働けることです。
そのため、育児中の人でも日中のスキマ時間などを活用して働ける環境は子育て世代にも魅力的でしょう。
この章では、心理カウンセラーとして独立開業するメリットを4つ紹介します。
独立して開業した場合は、少なくとも職場内での人間関係は大きく軽減されます。
会社員のように上司から意に反する指示を受けたり、同僚と意見が食い違ったりすることもないためです。
また、心理カウンセラーは基本的には設備や商品の仕入れも少ないため、取引先や業者との関係性に悩むことも少ないでしょう。
その分、患者とは密な関係を築き上げる必要があります。
逆にいえば、職場内での人間関係のストレスが少ない分、顧客との関係構築を考えることが重要です。
心理カウンセラーは達成感を得られやすい仕事です。
なぜなら、相談者の多くが最初の相談の時点では大きな悩みや不安を感じていて、カウンセリングの結果次第でそれらが解消される可能性があるためです。
仕事が順調に推移すれば、相談者の方から感謝されることも少なくありません。
「人の役に立ちたい」「人の悩みを解決したい」と日頃からお考えの方は、特にカウンセリングの仕事に大きなやりがを感じられるでしょう。
会社勤めで組織の中で働いているわけではないため、自分が思うサービスに挑戦できます。
自分が思うサービスがうまくいけば成長と自信がリアルに実感できるでしょう。
自分がやってみたいサービスなどが明確にあり、挑戦したいと願う人にとってはやりがいを最大限試せるチャンスでもあります。
カウンセラーとして独立した場合、自分が頑張った分だけ目に見えて収入は増えていくため、モチベーションを保ちやすいでしょう。
また、心理カウンセラーは原価やコストはほとんど必要ないため、稼いだ売上げがほぼ利益になるのも魅力の1つです。
一方、会社員の給料は毎月だいたい決まっており、どれだけ働いても上限がわかってしまうことが一般的です。
将来的な昇給や社会的意義の観点では会社員としての仕事にやりがいを感じる方も少なくないでしょうが、独立したカウンセラーはその結果がすぐに大きく現れます。
独立開業は基本的に1人で行うため、デメリットと感じることもあるでしょう。
メリットばかりではなく、もちろんデメリットもあるため事前に確認しておく必要があります。
ここでは、心理カウンセラーとして独立開業するデメリットを4つ紹介します。
独立開業すると、基本的にすべての業務を自分1人でこなさなければいけません。
そのため、集客やカウンセリングの営業だけでなく、経理・確定申告・各種保険の手続きなども自分で完了させる必要があります。
経理担当者を雇えば負担は減りますが、開業と同時に雇用するのは難しいでしょう。
将来的に人材を雇用するにしても、軌道に乗るまではすべての業務を1人でこなす覚悟が必要です。
カウンセリングの仕事は、基本的に1人で行います。
そのため、会社員のように誰かに相談したり仕事を手伝ってもらったりはできません。
プロジェクトのチームと協力するような仕事をしていた人が独立開業すると、孤独を感じやすいでしょう。
心理カウンセラーの仕事は1人で行いますが、孤独感を感じたときは無理せず家族や友人に相談する場を設けることで少しは気持ちが楽になります。
心理カウンセラーは必ず資格が必要な職業ではありません。
そのため、新規参入してくる人も多く、顧客を獲得するまで時間がかかる場合があります。
当然、顧客が獲得できないと売上げにもつながらないため、収入も不安定です。
売上げを安定して稼ぐには、集客技術や営業などで実績を作っていく必要があります。
心理カウンセラーとして独立開業すると、すべての業務を自分でこなさないといけないため時間がいくらあっても足りない日々が続くでしょう。
独立すれば自分の好きな時間に働けると考えている人も多いですが、実際はやることが山ほどあり食事の時間もままならないことがあります。
その結果、体を壊してしまい生活や売上げに支障をきたしてしまいます。
どんなに忙しくても、睡眠時間と入浴時間は確保し、体がリラックスする時間を作りましょう。
飲食業などと比べると設備投資や仕入れなどは必要ないですが、心理カウンセラーとして独立開業するためには事前の準備が大切です。
身軽に始められる分、順を追って準備していきましょう。
心理カウンセラーは資格がなくても開業できます。
ただし、お客様の悩みを解決する「プロ」として活動するなら心理カウンセラーの資格は取得しておきましょう。
資格を取得してアピールできれば、お客様の信頼も得られます。
また、心理カウンセラーのジャンルで専門性を明確にして活動すれば、ニーズに適したお客様が集まり結果的にコストパフォーマンスも上がるでしょう。
心理カウンセラーとして、営業を開業するためには税務署に「開業届」を提出する必要があります。
開業届は、開業した日から1ヶ月以内に提出しなければいけないため、期限が過ぎないように注意しましょう。
また、株式会社を設立する場合は、法務局で別途登記手続きが必要です。
万が一、売上げが低いからといった理由で開業届を提出せず営業すると、補助金や助成金の申請ができなかったり青色申告ができなかったりと不都合なことが起こります。
開業届は必ず提出してから営業を始めましょう。
心理カウンセラーとして開業する際、大きな初期投資は基本的に必要ありません。
ただし、開業と同時に店舗を構える場合、内装などが必要になるため資金が必要です。
自己資金で足りるのが理想的ですが、足りない場合は日本政策金融公庫などからの借入も検討しましょう。
自宅で開業する場合には、テナント料などは必要ありません。
しかし、パソコンなどの事務用品やネット予約が可能な環境の準備にかかる資金は必要ですので確認しておきましょう。
マイナス状態のクライエントを癒したいという方は、カウンセラーやセラピストが向いているでしょう。
心理カウンセラーは、心に悩みや苦しみを抱えた人やストレスに悩んでいる人を解決に導くスペシャリストです。
そのため、独立する際にはお客様が安心して悩みを相談できる環境を整える必要があります。
ここからは、心理カウンセラーが独立開業する際におすすめの開業場所3つをご紹介しますので参考にしてください。
カウンセリングは広いスペースを必要としないため、ご自身の自室でも開業できます。
カウンセリングの最中は、対話が中心で、大きな設備を必要とする訳でもないため、決して広い部屋でなくても問題ありません。
6畳ほどのスペースがあれば十分でしょう。
自宅を使えば初期投資がかなり抑えられ、出社する必要もないため時間を有効活用できるでしょう。
店舗を借りて出店すると、基盤となる場所を確保できるため、お客様からの信頼は得られやすくなります。
信頼は、良い口コミが広がったり継続して相談してもらえたり、将来に繋がるでしょう。
ただし、実店舗を借りるには入居審査に合格必要があり、家賃が発生するデメリットもあるためよく考えてから借りる必要があります。
近年、カウンセリングの方法も多様化しており、対面で会って相談を受けるだけでなく、電話やメール、SNS上でカウンセリングを受ける方法も増えています。
インターネット環境が整えば場所を選ばずカウンセリングが受けられるため、外出や対面でのコミュニケーションが苦手な相談者からも受け入れられています。
また、育児や家事の合間に心理カウンセラーとして開業したい人にも人気の方法です。
心理カウンセラーとして独立開業しようと思っていても、「うまく軌道に乗らなかったらどうしよう」と不安になる人もいるでしょう。
確かに、独立開業したからといって、確実に成功するとは限りません。
独立開業で失敗しないためには以下のポイントを押さえておきましょう。
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心理カウンセラーとしてのスキルを身につける
l 開業後は、「自分はプロだ」と自覚と覚悟を持つ
l お客様に信用してもらえるコミュニケーション能力を身につける
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仕事人間になりすぎないよう、オンオフをうまく切り替える
売上げを上げるためにはどれだけ集客できるかもカギになります。
心理カウンセラーとして独立開業後成功するためには、自分にしか出せない特徴を見極め、ほかにはない魅力をどれだけ引き出すかが大切です。
心に悩みや苦しみを抱えた人やストレスに悩んでいる人を解決へ導くのが心理カウンセラーとしての魅力ですが、そのジャンルは多岐に渡ります。
心理カウンセラーの資格を取得する方法の1つとして、通信講座の受講がおすすめです。
家事育児をしながら、社会で働きながらでも、無理なく取得できるでしょう。
ここでは、心理カウンセラーの資格を自分のペースで習得できる、5つのおすすめ資格をご紹介します。
「メンタル士心理カウンセラー」とは、心理学の基礎知識やさまざまなストレスから起きる症状、また症状別の治療方法を十分に理解しており、カウンセラーとして活動するレベルに至っているとされた人へ認定される資格です。
主催団体 | 日本メディカル心理セラピー協会(JAAMP) |
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受験資格 | 特になし |
受験料 | 1万円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申し込み |
受験方法 | 在宅受験、期日までに解答用紙を提出 |
合格基準 | 70%以上の正答率 |
「子供心理カウンセラー」とは、子どもの発達段階、家族・社会との関係など、子どもの人格や性格の形成に関する事柄を理解し、適切なアドバイスやカウンセリングを行うための知識を有している人を認定する資格です。
主催団体 | 日本インストラクター技術協会(JIA) |
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受験資格 | 特になし |
受験料 | 1万円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申し込み |
受験方法 | 在宅受験、期日までに解答用紙を提出 |
合格基準 | 70%以上の正答率 |
「行動心理学資格の行動心理カウンセラー」とは、人の行動から相手の気持ちを読み解く学問である行動心理学についての基本的な知識を有していることが認定される資格です。
主催団体 | 日本メディカル心理セラピー協会(JAAMP) |
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受験資格 | 特になし |
受験料 | 1万円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申し込み |
受験方法 | 在宅受験、期日までに解答用紙を提出 |
合格基準 | 70%以上の正答率 |
「メンタル心理ミュージックアドバイザー」とは、人間を心の側面から学び、心が身体に与える影響、心身に対する音楽の作用を理解している人へ与えられる資格です。
主催団体 | 日本メディカル心理セラピー協会(JAAMP) |
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受験資格 | 特になし |
受験料 | 1万円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申し込み |
受験方法 | 在宅受験、期日までに解答用紙を提出 |
合格基準 | 70%以上の正答率 |
「夫婦心理カウンセラー」とは、夫婦関係や家族関係の問題解決や関係構築などに関して、正しい知識を持ち、適切なアドバイスやカウンセリングを行うことができることを認定する資格です。
主催団体 | 日本メディカル心理セラピー協会(JAAMP) |
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受験資格 | 特になし |
受験料 | 1万円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申し込み |
受験方法 | 在宅受験、期日までに解答用紙を提出 |
合格基準 | 70%以上の正答率 |
心理カウンセラーは、悩みを持つ人やストレスを感じている人を解決へ導くアドバイスをおくる職業です。
飲食業のように初期投資がほとんど必要ないことから、独立開業する人も増えています。
しかし、「心理カウンセラーとしてとにかく独立してみたい」といった安易な考えでスタートすると、後悔することになるため、必ず事前の準備は入念に行いましょう。
また、開業後に失敗しないためにも自分で自信が持てるスキルを身につけておくことも大切です。
心理カウンセラーとして独立開業しようと考えているなら、まずはどのジャンルで資格を取得するか検討してみてはいかがでしょうか?