ダイエットを決意したら、まずは普段の食生活を見直してみましょう。
食生活の乱れが、太る原因になっている可能性があるからです。
例えば、食事の改善が必要な人は以下のような人が挙げられます。
・早食いをしてしまう
・食事を抜くことが多い
・ジュース類が好き
・アルコールをよく飲む
・濃いめの味付けが好き
・間食に甘いものをよく食べる
・運動不足
上記の項目に当てはまり、最近肥満が気になっている方は自分の普段の食生活を振り返ってみましょう。これらの行動が積み重なると、体重が増えやすくなります。
早食いをすると、満腹感が感じられる前に食べ過ぎてしまいます。また、食事を抜くと体が飢餓状態になり、脂肪を溜め込みやすくなります。炭酸飲料などの甘いジュースには多くの糖分が含まれており、飲み過ぎると中性脂肪が増加し、太る原因となります。
また、運動不足になると基礎代謝が下がり、カロリー消費が難しくなります。夜遅くに食事をすると脂肪を溜めやすいタンパク質が体に影響を及ぼすため、食事時間にも注意が必要です。濃い味付けの食事はご飯やパンの摂取量を増やし、カロリーオーバーの原因になります。
自分の食生活を見直し、食事改善をすることでダイエットを効果的に進められるでしょう。
ダイエットには、食事がとても重要です。
ここではダイエットに効果的な食事改善の具体的方法を解説していきます。
ダイエットの基本は、消費カロリーが摂取カロリーを上回ることです。
太ってしまう主な原因は、摂取したカロリーを使い切れないからです。
食事で得たカロリーは、身体を動かすエネルギー源になりますが、消費しきれなかったカロリーは脂肪として蓄積されます。
普段の食事メニューを見直し、まずは摂取カロリーを減らす意識を持ちましょう。ただカロリーを減らすのではなく、栄養価の高い低カロリーな食品を取り入れ、ダイエットを効率的に進めましょう。
ダイエットを成功させるためには、摂取カロリーを減らしつつも、必要な栄養素をしっかりと摂ることが重要です。
ダイエットを成功させるには、主食・主菜・副菜・汁物を基本に、バランスの取れた食事を心がけましょう。特定の食品を抜いたり極端に食事を減らしたりするのは、栄養不足や過剰摂取の原因となるからです。
例えば、油を多用した揚げ物や炒め物を避け、煮物や蒸し物に調理法を工夫したり、お菓子や甘い飲み物、アルコールを控えるとカロリー調整が可能です。ごはんを主食に、肉や魚を使った主菜、野菜や豆類、海藻を使った副菜を組み合わせることで、栄養バランスの取れた献立が完成します。これは「日本型食生活」として農林水産省も推奨しています。
主食・主菜・副菜を意識した食事を意識すると、栄養を補いながらカロリーコントロールができるでしょう。
ダイエット中は、さまざまな食品を組み合わせて、必要な栄養素をバランスよく摂取しましょう。1つの食品だけでは全ての必要な栄養素を補えないからです。
食品ごとに含まれる栄養素が異なるため、食品を組み合わせることで、栄養バランスが整います。例えば、揚げ物や炒め物は脂質が多くなりがちですが、蒸し物や茹で物、サラダなどを加えると脂質を抑えながら、必要な栄養素を摂取できます。
例えば、必要な栄養素の主な効能は以下の通りです。
栄養素 | 効能 |
---|---|
炭水化物 | エネルギー源になる |
タンパク質 | 筋肉の維持や修復 |
脂質 | 身体の機能やホルモンバランスを維持 |
ビタミン・ミネラル | 代謝を促進 |
食物繊維 | 腸内環境を整える |
栄養素をバランスよく摂取すると、ダイエット中でも体に必要な栄養をしっかりと補給できます。食品と調理法を工夫して、より健康的な食事を目指しましょう
炭水化物を適切に摂取することは、ダイエットに効果的です。
極端な糖質制限は、他の栄養素の過剰摂取を引き起こし、健康リスクを高める可能性があるためです。
糖質制限ダイエットは、脂質やたんぱく質の摂取量が増えがちです。脂質の過剰摂取は肥満や動脈硬化のリスクを高め、たんぱく質の過剰摂取は生活習慣病を引き起こす可能性があります。
お米などの炭水化物は、適切な量を毎食摂取することで、脂質やたんぱく質のバランスを整え、健康的な体作りに貢献します。糖質制限のしすぎには注意しましょう。
タンパク質は、筋肉を作り基礎代謝を上げるために重要な栄養素です。
基礎代謝が高まると、身体が自然により多くのカロリーを消費するため、体脂肪の燃焼が促進されます。
タンパク質を多く含むダイエットにおすすめの食材は以下のようなものが挙げられます。
・鶏ムネ肉や鶏ササミなどの肉類、
・カツオやアジといった魚介類
・ツナ缶
・卵
・大豆製品(豆腐・納豆)
これらを食事に取り入れると効率的にタンパク質を摂取し、筋肉量を維持・増加できます。
タンパク質は、ダイエットの成功に欠かせません。基礎代謝を上げ消費カロリーを増やすために、毎日の食事にタンパク質をしっかりと取り入れましょう。
ダイエット中は、脂質の量と質を考えて食べましょう。
摂取エネルギーの20%以下に脂質を抑えることで、効率よくカロリーを管理し脂肪の蓄積を防げるからです。
性別や年齢、運動量に応じて摂取する脂質量を調整しましょう。
1日の必要エネルギー量は性別や活動量により異なるため、適切な脂質量を計算するのが重要です。
以下は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」に基づいた1日の推定エネルギー必要量と脂質量の目安です。
性別 | 年齢 | 推定エネルギー必要量(kcal) | 脂質量(g以下) |
---|---|---|---|
男性 | 30~49歳 | 2,650kcal | 58g以下 |
男性 | 30~49歳 | 2,700kcal | 60g以下 |
男性 | 50~64歳 | 2,600kcal | 57g以下 |
男性 | 65~74歳 | 2,400kcal | 53g以下 |
女性 | 18~29歳 | 2,000kcal | 44g以下 |
女性 | 30~49歳 | 2,050kcal | 45g以下 |
女性 | 50~64歳 | 1,950kcal | 43g以下 |
女性 | 65~74歳 | 1,850kcal | 41g以下 |
推定エネルギー必要量に基づき、脂質1g=9kcalで計算
ダイエットでは、性別や年齢に応じて1日の脂質量を管理することが大切です。
上記の表を参考に、適切な脂質量を目安にしましょう。
野菜は、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれているため、ダイエットに欠かせません。食物繊維は腸内環境を整え、食後の血糖値の上昇を抑え、コレステロールの排出を促進するためです。
野菜はダイエットだけでなく、糖尿病や脂質異常症などの予防にも効果があります。また、ミネラルの一種であるカリウムは、ナトリウムの排出を促し、高血圧の予防に役立ちむくみも解消してくれます。
野菜は1日350g以上の摂取が理想とされており、そのうち120g以上を緑黄色野菜から摂るのが望ましいでしょう。
塩分の摂りすぎは、間接的に太る原因となる可能性があるため注意が必要です。
塩分で直接的に太るわけではありませんが、体内に水分を溜め込んで体重を増加させたり、食欲を刺激したりするからです。
例えば、塩分の摂りすぎによってむくみが生じます。塩分濃度を一定に保つため、細胞が水分を溜め込み、その結果むくみや体重増加につながります。また、塩分の多い濃い味付けの料理は食欲を増進させ、よく噛まずに食べてしまうことが多いため、食べすぎてしまう原因となります。
塩分の過剰摂取は、むくみや食欲亢進を通じて間接的に太るリスクを高めるため、適切な塩分管理がダイエットにおいて重要と言えるでしょう。
ここでは、すぐに始められる簡単な食事改善法を紹介します。
ダイエットのために食事を抜くのは逆効果であるため、朝昼晩3食しっかり食べましょう。
食事と食事の間隔が空きすぎると、次の食事でドカ食いをしやすくなり、食後の血糖値が急激に上昇してしまうためです。
たとえば、朝食を抜いてしまうと、その後の昼食や夕食で食欲が増し、過剰に食べてしまいがちです。また、血糖値が急激に上がると、身体がエネルギーを脂肪として蓄積しやすくなるため、ダイエットがかえって難しくなります。
ダイエット中は食事を抜かず、適切な間隔でバランスの取れた食事を摂る意識を持ちましょう。
食事に野菜、きのこ、海藻類などの副菜を1品加える意識を持つと、ダイエットをサポートしてくれます。
副菜は身体の調子を整えるビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含んでいるため、満足感を得やすく血糖値の急激な上昇を防ぐ効果もあります。1回の食事に野菜、きのこ、海藻類を2品以上取り入れると満足感を得られやすいため、食べ過ぎを防ぐ効果も期待できます。
食事に副菜を1品加えると、不足しがちな栄養素を補い、満足感を高められるでしょう。
フルーツは糖質が多いため、ダイエット中は避けるべきと思われがちですが、実はおすすめの食材です。フルーツは、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれているので、偏った栄養素を補ってくれます。
厚生労働省が示している「健康日本21(第3次)」は、20歳以上の1日あたりの果物摂取目標を約200gと定めています。この適量を意識して摂取すれば、栄養バランスが整い、健康的なダイエットが進められるでしょう。
果物はダイエット中でも栄養補給に役立つ食材ですが、1日200gを目安に適度に楽しみましょう。
ダイエット効果をアップさせるためのおすすめの食材を5つご紹介します。
野菜はカロリーが低いため、ダイエット中に最適な食材です。
野菜には淡色野菜と緑黄色野菜があり、それぞれ異なる栄養特性を持っています。
2つの野菜をバランスよく摂取すると、腸内環境改善や免疫力の向上、美肌効果などがあります。
βカロテンが豊富に含まれる野菜で、栄養価が高く、特にビタミンやミネラルが多く含まれています。 βカロテンは抗酸化作用が強く、免疫力を高め、美肌を促進する効果があります。 |
ほうれん草・ニンジン・カボチャ・ピーマン・トマト・ブロッコリーなど |
淡色野菜は栄養価は緑黄色野菜に比べて低いものの、水分と食物繊維が豊富で、腸内環境を整え、満足感を得やすいのが特徴です。 | 玉ねぎ・レタス・キャベツ・ごぼう・大根など |
前述した通り、野菜は1日350gの摂取が理想で、そのうち120gは緑黄色野菜、230gは淡色野菜が推奨されています。
免疫力向上や美肌効果、タンパク質合成のサポートなど、健康はもちろんダイエットに大きなメリットをもたらします。
キノコ類は、ダイエットに役立つおすすめの食材です。
キノコ類は脂肪燃焼や腸内環境の改善など、さまざまな効果が期待できます。
キノコは100gあたり35kcal以下のものがほとんどで、カロリーを気にせずに摂取できます。また、「キノコキトサン」という成分は脂肪の分解を促進し、脂肪の吸収を抑える働きがあります。また、キノコに豊富な不溶性食物繊維が腸内環境を改善し、便秘予防やむくみ改善、血糖値の急上昇を防ぐ効果も期待できる優れものです。
例えば、肉野菜炒めにキノコを追加することで脂質の摂取量を減らしつつ、満腹感を得られるため食べすぎを防げるでしょう。
キノコ類は低カロリーでありながら腹持ちが良く、脂肪燃焼や腸内環境改善に役立つため、積極的に取り入れましょう。
大豆に含まれるたんぱく質は、満腹中枢を刺激し、食欲を抑える効果があります。
大豆サポニンには脂肪の吸収を抑え、血糖値の上昇を緩やかにする効果も期待できます。
大豆には、たんぱく質とビタミンB1が豊富に含まれており、代謝を上げ脂肪燃焼を促します。また、オリゴ糖や食物繊維も含まれており、腸内環境を整え、デトックス効果を発揮するため、ダイエット効果をより高められるでしょう。
大豆は脂肪の吸収を抑えるだけでなく、代謝を上げてデトックス効果をもたらすため、健康的なダイエットに最適な食材と言えるでしょう。
海藻類は水溶性食物繊維を含んでいるため、ダイエットに役立つ食材です。
水溶性食物繊維は満腹感を得やすく、食べ過ぎを防ぐことができます。
海藻に含まれるフコイダンには、糖質の消化吸収を抑え、血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。また、海藻類を食事に取り入れると、便秘解消の助けにもなり、腸内環境を整える効果も期待できるでしょう。
海藻類は、血糖値の管理や満腹感の促進、便秘解消といった効果があるため、ダイエット中に積極的に摂取したい食材です。
卵はタンパク質が豊富に含まれているため、ダイエットに効果的な食材です。
卵黄に含まれるレシチンには、代謝を促進する効果があります。
卵を日常の食事に取り入れると、効率的にタンパク質を摂取でき、代謝アップ効果も得られるため、ダイエットをサポートしてくれます。
卵は豊富なタンパク質と代謝アップ効果で、痩せやすい体作りに役立ちます。毎日の食事に積極的に取り入れましょう。
牛肉や鶏肉の赤身部分は脂肪の少ない部位なので、ダイエットに適した食材です。
特に赤身肉は脂肪が少なく、脂肪燃焼効果が期待できる成分を含んでいます。
牛肉の赤身やヒレ肉、もも肉は脂肪が少なく、L-カルニチンという脂肪燃焼をサポートする成分が含まれています。一方、鶏肉は、むね肉や皮を取り除いたもも肉が低脂肪かつタンパク質が豊富なので、ダイエットに最適です。
ダイエット中に肉を食べる際は、脂肪の少ない部位を選びましょう。無駄な脂肪を避け、脂肪燃焼を促進できるため、より効果的に体重を管理できます。
魚はお肉に比べて脂質が少なくタンパク質が豊富に含まれているため、ダイエットに最適な食材です。
魚は低カロリーで良質なタンパク質が豊富に含まれているだけでなく、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)というオメガ3脂肪酸が含まれていています。
DHAやEPAは、血中の中性脂肪を減らし、脂肪の燃焼を促進するとともに、悪玉コレステロールを減らす働きをします。
脂肪を燃焼してスリムな身体を作りたい人は、魚を積極的に摂ることがオススメです。
栄養が豊富で健康にも良い魚を、日常の食事に取り入れてみましょう。
ダイエット中は、外食をする機会もあるのではないでしょうか。
ここでは外食の際、メニュー選びのポイントをご紹介します。
外食の際は、サラダや汁物も取り入れると、野菜不足を補いながら食べ過ぎを防ぐことができます。ごはんやメイン料理だけでは野菜が不足しがちです。
ビタミンやミネラルが豊富な野菜を使ったサラダやスープは、栄養補給に適しており、満腹感を得やすいメリットがあります。また、食事の初めに野菜や海藻、キノコ類を摂取すると、食欲を抑える効果も期待できるでしょう。
外食の際はサラダやスープを取り入れる意識を持ちましょう。
外食の際は、脂質を控えるのは難しいですが「少しだけ控える」工夫をしてみましょう。
脂質を減らす意識を持つだけでも、継続的なダイエットに効果的です。
例えば、揚げ物を避け、焼き物や蒸し物を選んだり、ドレッシングをかけずに野菜を食べたりするだけでも、脂質の摂取量を減らせます。また、主食のご飯を2口程度に減らすだけでもカロリーを抑えられ、脂肪の蓄積を防げるでしょう。
「少しだけでも控える」意識を持てると、脂質の過剰摂取を防ぎ、健康的な食生活を維持できます。外食時でも、無理のない範囲で取り入れてみましょう。
飲み物のカロリーは意外と見落とされがちですが、ダイエット中には大きな影響を与えます。特に甘い飲み物やアルコールには、糖質が多く含まれているためです。
ダイエット中はノンカロリーの飲み物が推奨されており、食事中は水やお茶を、食後のコーヒーはブラックを選ぶと良いでしょう。
甘い飲み物には、想像以上の砂糖が含まれており、清涼飲料水や乳飲料は糖質が多く含まれています。また、ビールや日本酒、甘味の強いリキュールやチューハイなどは、糖質を多く含んでおり、カロリーが高くなりがちです。
ウイスキーやブランデー、焼酎、テキーラなどの蒸留酒は糖質がほとんど含まれていないため、ダイエット中にもおすすめです。しかし、蒸留酒をジュースなどで割ると糖質が増えてしまうため、水割りや炭酸割りにするといいでしょう。
飲み物のカロリーは無視できない要素です。
甘い飲み物やアルコールの糖質量を意識し、頻繁に飲むのは避けましょう。
今回は、ダイエットで健康的に痩せるための食事改善方法やおすすめの食材、外食の際のメニュー選びなど詳しく解説してきました。
ダイエットは、単にカロリーを制限するだけではなく、バランスの良い食事を摂り、健康的な生活習慣を身につけることが重要です。
正しい知識を持って食事を改善すると、痩せやすく太りにくい身体を作れるでしょう。
適切な食事のバランスが保てると、代謝が上がり健康的に痩せやすい身体づくりが可能です。また、無理なダイエットは短期的には効果があるかもしれませんが、長期的にみるとリバウンドや健康への悪影響のリスクがあります。
まずは自分のできる範囲で食事改善を始め、痩せやすい身体を手に入れましょう。