ピラティスは、リハビリを起源とした身体機能を向上させるエクササイズです。
ピラティスは、第一次世界大戦中に負傷兵のリハビリを目的として考案されました。創始者のジョセフ・ピラティスは、幼少期に身体が弱かった経験から、多様な運動やスポーツに取り組み、それらを組み合わせて新しいエクササイズ法を編み出したのです。
その後、高いエクササイズ効果が評価され、世界中に広まりました。現在でも、運動経験が少ない人や体力に自信がない人でも、自分のペースで無理なく始められるエクササイズとして支持されています。
ピラティスは、リハビリに由来し、身体機能を高めるエクササイズです。
初心者でも取り組みやすく、継続で体力や筋力を少しずつ向上させられます。
ピラティスとヨガは、それぞれの違いを理解すると自分の目的に合った方法を選べます。
目的や効果、呼吸法、身体の動かし方において異なる特徴を持つエクササイズです。
ピラティスとヨガは、以下の3つの違いがあります。
ピラティス | ヨガ | |
---|---|---|
目的と効果 | 筋力強化 姿勢改善 全身のバランスを整える |
身体の柔軟性向上 心の安定 集中力向上 心身の調和を重視 |
呼吸法 | 胸式呼吸 | 腹式呼吸 |
身体の 動かし方 |
流れるような動作を連続して行う | ヨガはポーズごとに静止を取り入れ、静と動の切り替えが明確 |
筋力や姿勢改善を目指すならピラティス、心身の調和やリラクゼーションを求めるならヨガがおすすめです。目的や効果の違いを理解し、自分に合った方法を取り入れると、より効果的なエクササイズが実現するでしょう。
ピラティスの種類は主に2種類あります。
・マットピラティス
・マシンピラティス
以下で詳しく解説します。
マットピラティスは、日本では特に普及しているピラティスのスタイルです。
マットピラティスは、専用の道具を必要としないため、スポーツジムやフィットネスクラブのスタジオなどで手軽に行えます。また、グループレッスン形式が多く、初心者から経験者まで幅広い層が参加しやすいのも特徴です。ピラティスといえばマットピラティスをイメージする人が多いほど普及しています。
マットピラティスは、体幹を鍛えながら、全身を満遍なく動かせる内容が魅力で、多くの人が健康維持や運動習慣の一環として取り入れています。
マシンピラティスは、専用のマシンを使って行うエクササイズです。
負荷調整が可能なため、リハビリから本格的なトレーニングまで幅広く対応できるのが特徴です。
専用の器具を使うマシンピラティスは、通常マンツーマンやペアで行われることが多く、細やかな指導を受けながらトレーニングできます。マットピラティスでは得られない精密な負荷調整やサポートが可能で、リハビリの場面でも多く利用されています。
代表的なマシンには以下のようなものがあります。
・リフォーマー
・キャディラック(トラピーズテーブル)
・チェアー
・スパインコレクター(バレル)
・ラダーバレル
これらを活用すると、負荷を強めたり弱めたりしながらエクササイズのバリエーションを大幅に増やせるでしょう。
マシンピラティスは、リハビリ目的から本格的な体幹強化を求める人まで、幅広いニーズに応えられます。
ピラティスでは、以下の4つの効果が期待できます。
1.姿勢がよくなる
2.腹式呼吸が身に付く
3.身体の動きがスムーズになる
4.ストレスの解消
一つずつみていきましょう。
ピラティスを行うと、姿勢を支えるインナーマッスルが鍛えられ、姿勢改善に大きな効果が期待できます。ピラティスでは、体幹を支えるインナーマッスルを集中的に鍛えられるためです。
たとえば、インナーマッスルを強化すると、背筋が伸びやすくなり、猫背や腰の反りといった不良姿勢の改善につながります。また、骨盤の歪みを整えるエクササイズにより、全体のバランスが良くなるため、見た目も美しくなります。
ピラティスには、身体の歪みを整える動きが多く含まれており、姿勢が乱れる原因を根本的に改善できるでしょう。
ピラティスを行うと、胸式呼吸を身に付けられます。
胸式呼吸は主に胸の筋肉を使い、胸部が膨らんだりへこんだりするのが特徴的な呼吸法です。交感神経を刺激する効果があり、気分をスッキリさせ、活力を生み出す働きがあります。
たとえば、胸式呼吸は、集中力を高めたり、リフレッシュしたりするときに役立ちます。ピラティスのエクササイズを通じて胸式呼吸を習慣化すれば、日常生活でも前向きな気持ちを維持しやすくなるでしょう。また、腹式呼吸と組み合わせると、呼吸法の幅を広げられるでしょう。
ピラティスで胸式呼吸を身に付けると、気分がリフレッシュされ、やる気が引き出されます。胸式呼吸を意識しながらのエクササイズは、心身の活性化に効果的です。
ピラティスを行うと、柔軟性と筋力が向上し、身体の動きがスムーズになる効果が得られます。さまざまなポーズや動きを通じて筋力を鍛えながら身体の可動域が広がり、日常の動作がよりスムーズに行えるためです。
たとえば、「ピラティスを続けて身体が軽くなった」「日常の動作が楽になった」と感じる人が多いのは、柔軟性が向上し、動きやすさが実感できるからでしょう。また、筋力がつくと、以前は難しかった動きが可能になるケースもあります。
ピラティスは、柔軟性を高め筋力を強化すると、身体の動きやすさを改善します。
ピラティスは、心身のリラックスを促し、ストレスの解消に効果的なエクササイズです。
ピラティスでは、一つひとつの動作を正確に行うために集中力を高める必要があるためです。
たとえば、ピラティスの動作に集中している間、日常の悩みや不安を一時的に忘れられます。また、深い呼吸を繰り返すと副交感神経が優位になり、気持ちが穏やかになるでしょう。
ピラティスは、ストレス解消や精神的なリラックスをサポートします。心身のバランスを整えたい方にぴったりのエクササイズです。
ここでは、ピラティスが向いている人をご紹介します。
・姿勢をよくしたい人
・身体を引き締めたい人
・肩こり・腰痛がある人
・運動不足な人
・ケガで身体に制限がある人
ピラティスに興味がある人は、参考にしてみてください。
ピラティスは、姿勢を改善したい人におすすめなエクササイズです。
ピラティスでは、体幹を支えるインナーマッスルを鍛えるので、正しい姿勢を保持しやすくなります。また、身体の歪みを整える効果も期待できるため、姿勢の崩れを根本から改善できます。
たとえば、インナーマッスルが鍛えられると、背筋が自然と伸び、猫背や身体の左右差などが改善されやすくなるでしょう。また、骨盤の歪みを整えるピラティスの動きにより、姿勢全体が安定し、見た目にも美しくなります。
ピラティスは、身体の歪みを整えながらインナーマッスルを鍛えるので、しなやかで引き締まった身体を目指せます。ピラティスでは、身体全体がバランス良く引き締まりやすくなるためです。
たとえば、ピラティスを継続すると姿勢が整い、筋肉が均等に引き締まるため、華奢で美しいシルエットを目指す人におすすめです。また、インナーマッスルを鍛えると代謝が上がり、全身が引き締まった印象になるでしょう
ピラティスは、身体の歪みを整えながらインナーマッスルを鍛えたい人や、しなやかで女性らしい身体を目指す人に理想的なエクササイズです。
ピラティスは、肩こりや腰痛の改善に効果的なエクササイズです。
肩こりや腰痛は、猫背や反り腰などの悪い姿勢が原因となることが多いです。
ピラティスは体幹のインナーマッスルを鍛えるので、姿勢を改善し、肩こりや腰痛の軽減が期待できます。また、体幹を強化すると腰回りを筋肉でしっかり支えられるようになり、腰痛の予防にもつながります。
肩こりや腰痛に悩んでいる人は、ぜひピラティスを試してみてください。
姿勢改善や体幹の強化を通じて、症状の緩和だけでなく、予防効果も期待できるでしょう。
ピラティスは、運動不足を解消し、基礎体力を向上させたい人におすすめなエクササイズです。
ピラティスは常に身体を動かすので、運動をした実感を得やすいためです。また、インナーマッスルや体幹といった身体の内側の筋肉を使うため、筋肉への負荷がかかりやすく、効果的に身体を鍛えられるでしょう。
他のスポーツを始める前に基礎体力をつけたい人にも効果的で、体幹が強化されるとスポーツパフォーマンスの向上にもつながります。
運動不足を感じている人や基礎体力をつけたい人には、ピラティスがおすすめです。
ピラティスは、ケガや身体に制限がある人でも無理なく取り組めるエクササイズです。
ピラティスはリハビリを起源としているので、身体の動きや運動強度に制限がある場合でも、自分のペースに合わせて調整しながら行えます。
たとえば、「ケガや病気で療養中だけど、少しでも運動をしたい」という人は、ピラティスの動きは幅広い調整が可能です。しかし、身体に制限がある場合は、医師の指示に従って安全に行いましょう。
ピラティスは、自分の体調や状態に応じて運動強度を調整できるため、ケガや体に制限がある人におすすめです。医師の指導を受けながら、安全に取り組みましょう。
ピラティスに向いていない人もチェックしておきましょう。
・すぐに効果を求める人
・ボディビルディングをしたい人
向いていないかもと思っても、ピラティスがどんなものか理解した上で始めるなら問題ありません。読んで参考にしてください。
ピラティスは、短期間で効果を求める人には向いていないと言えるでしょう。ピラティスは即効性がある運動ではなく、数回のレッスンで体重が減ったり体型が大きく変わったりすることは期待できないためです。
ピラティスは3カ月程度続けると、体幹の強化や姿勢改善、柔軟性の向上を実感する人が多いと言われています。短期集中ではなく、長期的な取り組みで成果を積み重ねていきましょう。
ピラティスは、短期間で目に見える効果を求める人には不向きですが、長期的にコツコツと成果を積み重ねていきたい人にぴったりのエクササイズです。
ピラティスは、筋肉を大きく鍛えたい人には向いていないエクササイズです。
筋肉を大きく見せるトレーニングとは異なり、身体を引き締めたりバランスを整えたりすることに重点を置いているためです。
たとえば、ピラティスはインナーマッスルを強化し姿勢を改善するため、しなやかで引き締まった身体を作ります。筋肉のボリュームを増やしたり、外側の筋肉を発達させたりするのを目的としていません。
ピラティスは、身体のバランスを整えながら引き締まったボディラインを目指すエクササイズと言えるでしょう。
ここでは、ピラティスの始めかたについてご紹介します。
・動画を参考にして動きをマネしてみる
・ピラティススタジオへ入会する
以下で、詳しく解説します。
ピラティスを始めるには、まず動画を参考にして動きを試してみるのがおすすめです。
インターネット上には、インストラクターや専門家が配信しているピラティスの解説動画が多数あります。
動画を活用して、ピラティスがどのようなエクササイズなのかを目で見て簡単に理解し、動きをマネして見ましょう。
たとえば、初心者向けのピラティス動画は、基本的なポーズや呼吸法をわかりやすく解説しているため、自宅でも気軽にチャレンジできます。
ピラティスをはじめたい人は、まず動画を参考に動きをマネしてみましょう。
ピラティスを深く学ぶなら、専用のピラティススタジオに入会してみるのもおすすめです。
専用スタジオでは、身体の動きやフォームについて詳しい指導が受けられるため、より効果的なエクササイズが可能です。
専用のピラティススタジオでは、自分に合った質の高いインストラクターから学べます。
スタジオで基礎をしっかり習得すれば、自宅での練習にも役立ちます。また、ピラティス中に感じた疑問を直接インストラクターに相談できる点も大きなメリットです。
専用のピラティススタジオは、初心者から上級者まで、しっかりとピラティスを習得したい人におすすめです。
ここでは、ピラティスの目的に関するよくある質問について3つ回答します。
・ピラティスの由来は何ですか?
・ダイエット目的でピラティスを行うことは効果的ですか?
・ピラティスを始める際、道具は必要ですか?
一つずつ回答しますので、よく読んで参考にしてください。
ピラティスは、創始者であるドイツ人の元従軍看護師、ジョセフ・ピラティス氏に由来しています。もともとは戦争で負傷した兵士たちの身体機能の回復や精神の安定を目的としたリハビリ法として開発されました。その後、体幹を鍛えて身体機能を高める効果が認められ、世界中に広がりました。
ピラティスは動作がゆっくりで、負荷を調整しやすいのが特徴で子どもからお年寄りまで年齢や体力に関係なく取り組め、多くの人に支持されています。
ピラティスは、調整可能な負荷とゆっくりとした動きで、あらゆる年齢層に適した運動法として定着しています。
ピラティスは、直接的な脂肪燃焼効果は高くありませんが、ダイエットをサポートする効果が期待できます。
ピラティスは、有酸素運動のような即効性のある脂肪燃焼運動ではありませんが、インナーマッスルを鍛えるので身体のラインを引き締める効果があります。また、基礎代謝が向上するため、長期的な体重管理やダイエットに役立ちます。
ピラティスを継続すると姿勢が改善し、日常生活の中でも消費カロリーが増やせるでしょう。また、他の有酸素運動と組み合わせると、さらにダイエット効果を高められます。
ピラティスは脂肪燃焼を目的とする運動ではありませんが、体幹強化や基礎代謝向上を通じて、ダイエットを効果的にサポートしてくれるでしょう。
ピラティスを始める際、基本的には特別な道具は必要ありません。しかし、より効果を高めるためにマットや簡単な補助器具を用意するのがおすすめです。
ピラティスは、自重を使ったエクササイズが中心のため、基本的には道具がなくても始められます。しかし、専用のピラティスマットを使うと、床でのエクササイズが快適になり、ケガの予防にもつながります。また、エクササイズの幅を広げたい場合には、小型のボール、ストレッチバンド、ローラーなどの補助器具を取り入れると、効果をより引き出せるでしょう。
ピラティスは道具がなくても始められるシンプルなエクササイズですが、マットや補助器具を活用すると、より快適で効果的に取り組めます。
ここまで、ピラティスの目的やヨガとの違い、得られる効果、向いている人などを詳しく解説してきました。
ピラティスは、リハビリ目的で考案されたエクササイズで、身体の深層部にあるインナーマッスルを鍛えることを重視しています。骨盤を正しい位置に戻し、姿勢の改善や内臓機能の向上、ダイエット効果などを期待できます。柔軟性を高める動作や胸式呼吸を取り入れるため、しなやかでバランスの取れた身体づくりにも役立つでしょう。
継続すると体幹が安定し、姿勢が良くなり、疲れにくい身体へと変化するでしょう。ピラティス創始者ジョセフ・ピラティス氏も「10回で気分がよくなり、20回で見た目が変わり、30回で身体が変わる」と語っています。最初は自宅で簡単に始められますが、スタジオでのレッスンを受けると、より効果を実感しやすくなります。
ピラティスは、無理なく身体を整えたい方に最適なエクササイズです。特に長期的に健康的な身体を目指したい人におすすめです。少しでも興味があるならぜひはじめてみましょう。3ヶ月継続し、効果を実感してみてください。