ピラティスは、主に「マットピラティス」と「マシンピラティス」の2種類に分けられます。それぞれに特徴やメリットがあり、自分の目的や体力に合わせて選べます。
マットピラティス
マシンピラティス
ピラティスはどちらの方法でも体幹を鍛え、姿勢を改善する効果が期待できます。
目的や環境に応じて自分に合った方法を選び、継続するのが大切です。
ここでは、マットピラティスで使用するおすすめの道具を7つご紹介します。
・ピラティスマット
・ピラティスボール
・セラバンド
・ピラティスリング
・フォームローラー
・ストレッチポールハーフ
・ピラティスバレル
以下で、一つずつみていきましょう。
ピラティスマットは、自宅でピラティスを始める際の必須アイテムです。
ピラティスでは、横向きや仰向けになる動きが多いため、硬い床の上で行うと身体に痛みを感じるためです。
ピラティスマットは、以下のポイントで選ぶといいでしょう。
厚み | ピラティスには、4~6mmがピラティスには理想的 |
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滑り止め | 体幹を使った動きが多いので滑り止め加工が施されたマットが必須 |
携帯性 | 自宅だけでなくスタジオでも使う場合は軽量タイプが便利 |
ピラティスマットがあれば基本的なストレッチポーズから高度なエクササイズまで、幅広いトレーニングを快適に行えるでしょう。
ピラティスマットは、身体を保護しながらフォームを正しく保つために重要なアイテムです。初心者から上級者まで、快適なエクササイズ環境を作るためにぜひ取り入れてみてください。
ピラティスボールは、エクササイズの安定性を高めながら、体幹や深層部の筋肉を効率よく鍛えられる道具です。
いわゆるバランスボールよりも小さめのピラティスボールは、軽い抵抗を加えながら、座る・寝る・立つ・挟むといった動作で体幹を意識させるのに効果的です。
ピラティスボールのサイズは、直径20〜25cmの小型サイズで、金額の相場は約700円〜2,000円と比較的安価です。
ピラティスボールを足で挟みながらポーズをキープするエクササイズや、ボールに座ってバランスを取る動きがおすすめです。特に、腹筋や背筋、骨盤周りの筋肉を鍛えながら、姿勢改善やストレッチの効果も期待できます。また、呼吸を深くしながら行うとリラックス効果も得られるでしょう。
ピラティスボールは、手軽に導入できる道具として、筋力強化や柔軟性向上に効果的です。
セラバンドは、柔軟性と筋力を同時に鍛えられるゴム製のエクササイズバンドです。
軽量で持ち運びやすく、リハビリから本格的なピラティスまで幅広く活用できます。
セラバンドのサイズは、幅12.5cmで、好みに応じて長さをカット可能です。金額の相場は約1,000円〜3,000円とリーズナブルです。
セラバンドは伸縮性があり、バンドの抵抗を利用して上半身や下半身のさまざまな筋肉を鍛えられます。柔軟性の向上にも効果があり、筋力トレーニングや姿勢改善、関節のケアに役立ちます。もともとリハビリ目的で開発されたため、体力や筋力に応じて強度を調整できる点が特徴です。
セラバンドは、自宅でも外出先でも手軽に使える万能なエクササイズ道具と言えるでしょう。
ピラティスリングは、バランス感覚と筋力を効率よく鍛えるために役立つフィットネス器具です。リングを使用すると全身のバランスを意識しながら安定性を高めるトレーニングが可能です。
ピラティスリングのサイズは、直径30〜40cm程度で、金額相場は約1,500円〜8,000円と幅広いです。
ピラティスリングは、腕や脚を集中的に鍛えながら、全身のバランス感覚を高められます。正しいフォームで取り組むと、効率的に筋力強化と姿勢改善を目指せます。
フォームローラーは、筋膜リリースや筋肉ほぐし、ストレッチ効果を高めるために役立つ道具です。トレーニング前後のケアや体幹トレーニングにも使用でき、初心者から上級者まで幅広く活用できます。
フォームローラーは、一般的なサイズは長さ30cm×直径14cm程度で、値段の相場は1,500円〜10,000円と幅広い価格帯で展開しています。
フォームローラーは、特定の部位に圧をかけながら転がすと、筋膜リリースや筋肉の緊張を和らげる効果があります。軽量でコンパクトなため、自宅でも手軽に使用できるのが特徴です。
例えば、肩や腰の張りが気になる場合、フォームローラーをその部位にあててゆっくりと転がすことで筋肉をほぐせます。また、仰向けでローラー上に寝ると、背骨周りの緊張を解消し、姿勢改善やリラックス効果を得られるでしょう。
また、不安定な状態を利用して体幹を鍛えるトレーニングにも適しており、ピラティスのエクササイズにも取り入れられています。
ストレッチポールハーフは、背骨や筋肉に沿って配置し、安定性を保ちながらストレッチやトレーニングができる便利な道具です。初心者や運動が苦手な方でも、安全に活用できます。
ストレッチポールハーフは、サイズが長さ40cm×幅15cm程度で、値段相場は2,000円〜5,000円程度です。
ストレッチポールハーフは、通常のストレッチポールと異なり、半円形の形状が特徴です。この形状により転がらず、安定的に使用できるため、怪我のリスクを抑えて安心してエクササイズに取り組めます。また、背骨や筋肉に沿わせて使用すると、柔軟性の向上や姿勢改善に役立つでしょう。
ストレッチポールハーフは、安全性と安定性を兼ね備えた道具として、ストレッチやトレーニングの幅を広げてくれます。
ピラティスバレルは、柔軟性の向上や体幹の強化に効果的な道具です。
背骨や深層筋に働きかけ、姿勢改善やバランス感覚を養うのに役立ちます。
ピラティスバレルは、クジラ型や円弧型など、形状によってサイズや重さが異なり、持ち運びには不向きです。値段の相場は、15,000円〜30,000円程度で比較的高価です。
バレルは背骨や背中をサポートしながら、身体の柔軟性を高め、体幹の安定性を向上させるためのエクササイズに適しています。特に腹部や背中の深層筋を集中的に鍛えられるため、正しい姿勢の維持をサポートします。
バランス感覚を必要とする動作が多いので、無理なくトレーニングを行いながら体幹を効果的に鍛えられるでしょう。
ピラティスバレルは、自宅でのエクササイズに取り入れると、姿勢改善やバランス感覚を養う効果が期待できます。しかし、サイズや価格を考慮し、自分のトレーニング環境に合うかどうかを十分に検討してからにしましょう。
マットピラティスの道具を使用する際は、以下の3つに注意しましょう。
・十分なスペースの確保する
・道具の使い方を正しく理解する
・正確なフォームと呼吸を意識する
詳しく解説していきます。
自宅でマットピラティスを行う際は、安全にエクササイズを行うために十分なスペースを確保しましょう。
ピラティスは手足を大きく動かす動作が多いので、狭いスペースでは家具や壁にぶつかる危険があるためです。
主に、以下の点に注意してスペースを確保しましょう。
スペース確保 | 手足を完全に伸ばしても周囲の家具や壁に当たらない広さを確保する |
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床面の配慮 | 硬い床の場合はピラティスマットを使用して身体への負担を軽減する |
滑り防止 | 滑りにくい素材のマットを選ぶ |
ピラティスを快適かつ安全に行うためには、十分なスペースを確保し、床面の状態にも配慮しましょう。
マットピラティスの道具を使用する際は、道具の正しい使い方を理解しましょう。
ピラティスの道具は、エクササイズを効果的にサポートする一方で、誤った使い方をすると効果が得られなかったり、怪我の原因になったりする場合があります。
特に初心者の場合、道具の特性や正しいフォームを理解せずに使用すると、不安定さによりバランスを崩したり、筋肉に過剰な負担がかかったりする場合があります。
たとえば、以下の道具を使用する場合の注意点です。
ピラティスマット | 滑り止めが付いていないマットではエクササイズ中にバランスを崩す可能性があるため、適切な素材を選ぶ |
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ピラティスリング | 押しすぎたり引きすぎたりすると筋肉を痛める可能性があるので、力加減を調整し、ゆっくりとした動作で行う |
フォームローラー | 筋膜リリースに使う場合は、痛みを感じない程度の力でゆっくり転がすことがポイント |
ピラティスボール | 不安定さを利用する道具のため、バランスを意識しながら無理のない動きで使用する |
道具の使い方を正しく理解していると、ピラティスの効果を最大限に引き出せます。特に初心者の人は、インストラクターの指導を受けたり、説明書や動画を活用したりして正しい使い方を学びましょう。
ピラティスの効果を最大限に引き出すには、正確なフォームと呼吸を意識しながらエクササイズを行いましょう。
フォームが乱れると、筋肉を正しく使えず、ピラティスの本来の効果を十分に得られないためです。また、呼吸を意識しないと酸素の供給が不十分になり、身体が緊張して効果が半減する場合があります。
例えば、「胸式呼吸」を意識すると、体幹の安定性を高められます。息を吸う時は胸を広げるように深く吸い込み、吐く時はお腹を引き締めながらゆっくり吐き出しましょう。酸素を十分に取り入れ、リラックスした状態でエクササイズを続けられます。
ピラティスの効果を実感するためには、正確なフォームと呼吸を意識することが欠かせません。正しい姿勢を保ちながら道具を適切に使い、酸素を十分に取り入れてリラックスした状態を維持できると、ピラティスの質が向上します。
ここでは、マシンピラティスで使用する器具を5つご紹介します。
・リフォーマー
・キャデラック
・チェア
・スパインコレクター
・ラダー・バレル
一つずつ詳しくみていきましょう。
リフォーマーは、初心者から上級者まで幅広い人に対応できるマシンピラティスの代表的な器具です。全身運動を通じて、僧帽筋・広背筋・脊柱起立筋などを鍛え、美しい背中と良い姿勢を目指します。
リフォーマーは、ベッドのようなフレームにフラットな台(キャリッジ)を設置した構造が特徴で、スプリングを使って負荷の調整が可能です。初心者でも正しいフォームを維持しやすく、体力に自信がない方や腰痛持ちの方でも無理なくトレーニングを続けられます。
また、全身運動を行いながら体の左右差や筋肉の使い方に気づきを得られる点も魅力です。
個々の身体に合わせて調整可能なため、初心者から筋力アップを目指す上級者まで対応可能です。
キャデラックは、初心者から上級者まで幅広く活用できるピラティスのベッド型マシンです。柔軟性や体幹の強化、左右の筋力バランスの改善を目指せます。
キャデラックはベッド型の土台にフレームが設置され、フレームにはバー、スプリング、ストラップが取り付けられています。
仰向けでバーを握ったり、足をストラップに引っ掛けたりしてトレーニングを行えます。また、スプリングの強度は左右で個別に調整できるため、筋力バランスを整えながらのトレーニングが可能です。
また、スプリングの反発力を利用すると、インナーマッスルを効果的に鍛えられるのも大きな特徴です。安定した体勢でエクササイズを行うため、初心者や高齢者でも無理なく取り組めます。
キャデラックは、多機能性と安全性を兼ね備えたマシンとして、初心者から上級者まで幅広いトレーニングをサポートします。
ピラティスチェアは、小型でコンパクトな設計が特徴のピラティス機器です。
狭いスペースや自宅でも使いやすく、さまざまな体勢でのトレーニングに対応しています。
ピラティスチェアは、平らな座面と一つまたは二つの可動式ペダルを備えた設計で、座ったり立ったりした状態で運動が可能です。スプリングの抵抗を調整すると運動の強度を変えられるため、初心者から上級者まで幅広く活用できます。他のピラティス機器と比べてコンパクトなため、自宅や狭いスペースでの使用にも適しています。
チェアを使ったエクササイズでは、座った状態でペダルを押すと、脚や臀部の筋肉を鍛えられます。また、立った状態での運動ではコア筋肉の強化やバランス感覚の向上が期待できます。
ピラティスチェアは、脚や臀部、コア筋肉の強化に加え、上半身のトレーニングにも効果を発揮します。
スパインコレクターは、脊椎のアライメント(整列)と柔軟性の向上に特化したピラティス機器です。背中や腰、肩を効果的にケアしながら姿勢改善をサポートします。
スパインコレクターは、木製またはプラスチック製の半円形や波形のアーチ状デザインを採用しており、背骨の自然なカーブを支えながらストレッチや強化運動を行うのに最適です。脊椎の健康と機能改善に特化しており、操作が簡単なため、初心者やリハビリ中の方でも安心して使用できます。また、他の機器と組み合わせると、背骨に関連する運動の効果をより高められます。
スパインコレクターは、脊椎の柔軟性向上や姿勢改善に特化したピラティス機器として、初心者からリハビリ中の方まで幅広く活用できます。
ラダーバレルは、身体の柔軟性とコアの強化に特化したピラティス機器です。
背中や脚のストレッチ、コア筋肉のトレーニング、バランス感覚の向上を効果的にサポートします。
ラダーバレルは、曲面状のバレルと一方の端に取り付けられたはしご状の構造を組み合わせた設計が特徴です。バレルの上でポーズを取ったり、動作を行ったりすると、筋肉を伸ばしながら鍛えられます。
ラダーバレルは、初心者から上級者まで幅広いレベルに対応できるため、ピラティスを始めたばかりの方でも安心して取り組めます。身体の柔軟性や筋力向上に取り組みましょう。
マシンピラティスをおこなう際も注意点があります。
・正しいフォームを維持する
・無理のない負荷を設定する
・ウォームアップとクールダウンを必ず行う
以下で詳しく解説しますので、よく読んで安全にマシンピラティスをおこないましょう。
マシンピラティスを安全かつ効果的に行うには、正しいフォームを維持しましょう。
各機器には専用の使い方があり、正確なフォームでトレーニングを行わないと、効果が半減するだけでなく、怪我のリスクも高まるためです。
例えば、リフォーマーを使用する場合、動作中に背中を丸めすぎないように意識しましょう。背骨を自然なアライメント(整列)に保つと、腰や背中への過剰な負担を避けられます。また、スプリングの負荷を適切に調整すると、フォームを維持しやすくなります。インストラクターの指導や動画を参考にし、正しい姿勢を学びながらエクササイズを進められるでしょう。
マシンピラティスを効果的に続けるためには、自分のレベルに合わせた無理のない負荷に設定しましょう。
初心者が一度に高い負荷を設定してしまうと、筋肉痛や疲労が強くなり、トレーニングを継続するモチベーションを失う可能性があるためです。
たとえば、初心者の場合リフォーマーのスプリングを軽めに設定し、動作に慣れることを優先しましょう。フットバーを使ったレッグプレスでは、最初は軽い負荷で正しいフォームを習得し、動作に慣れてきたらスプリングを一段階重く設定して強度を上げていきます。身体への負担を軽減しながら徐々に筋力を高められます。
初心者は軽い負荷から始め、焦らず自分のペースで進めていきましょう。
マシンピラティスを安全に行い、効果を最大化するためには、エクササイズの前後にウォームアップとクールダウンを取り入れましょう。
ウォームアップは筋肉を温め、身体を動かす準備を整えることで、エクササイズ中の怪我のリスクを減らします。一方でクールダウンは、運動後に筋肉をリラックスさせ、疲労回復を促進する役割を果たします。
例えば、リフォーマーを使用する前に、軽いストレッチや体を温める動きを行い、筋肉を動かしやすい状態にします。リフォーマーを使う前にフットバーに足を乗せ、軽く押し引きして脚を動かすだけでも筋肉がほぐれ、身体が準備された状態になるでしょう。
エクササイズ後は、筋肉をリラックスさせ、心拍数をゆっくりと下げることを目的としクールダウンを行います。例えば、仰向けの状態でリフォーマーのフットバーに片足を乗せ、もう片方の脚は台の上に伸ばします。スプリングを軽く調整して、脚を持ち上げた状態でゆっくりと伸ばしましょう。ハムストリング(太ももの裏)を伸ばし、脚の疲労を緩和します。
ウォームアップとクールダウンを取り入れると、筋肉や関節を保護しながらトレーニング効果を高められます。運動前後の準備とケアを欠かさず行い、安全にマシンピラティスを実践しましょう。
ここまで、ピラティスで使用される主要な器具や道具の種類、それぞれの使い方や効果について詳しく解説してきました。
ピラティスでは、道具や器具の活用で、エクササイズの幅を広げ、より効果的に理想の体型を目指せます。
マットピラティスで基礎を固めた後、リフォーマーやキャデラックなどのマシンや、ピラティスリング、フォームローラーなどの道具を取り入れてみましょう。筋力強化や柔軟性の向上、バランス感覚の向上など多くの効果を期待できます。
初心者の人はもちろん、上級者の人も、自分の目的やレベルに合わせた器具を選び、無理なく効率的にピラティスを楽しみましょう。ぜひ、この記事を参考に、自分に合ったピラティスを取り入れてみてください。