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乳幼児にとって朝ごはんはなぜ大切?心と体を育てる朝食の役割を解説

記事作成日:2025.09.16
「朝ごはん、今日は食べてくれたけど…明日はどうかな」
「うちの子、朝はぼーっとして食べるどころじゃなくて…」

朝ごはんについて、そんな悩みを抱える保護者の方は少なくありません。

特に乳幼児期は食事のリズムがまだ定まらず、朝食の時間がバタバタしがちですが、朝ごはんは子どもの体と心の成長を支える大切な土台でもあるのです。

この記事では、乳幼児にとってなぜ朝ごはんが必要なのかをわかりやすく解説します。また、忙しい朝でも実践しやすい朝食メニューや、家庭でできる食育の工夫もご紹介します。

「食べるのが苦手」「時間がない」そんなときでも取り入れやすいヒントが満載ですので、ぜひ最後までご覧ください。
乳幼児にとって朝ごはんはなぜ大切?心と体を育てる朝食の役割を解説

目次

朝ごはんを食べることが乳幼児に必要な理由

乳幼児にとって朝ごはんは、1日のスタートに欠かせない大切な食事です。
朝ごはんをしっかり食べることで、夜の間に消費されたエネルギーを補給でき、体を動かす準備が整います。

ここでは、乳幼児に朝ごはんが必要とされる理由を、具体的に解説します。

● 1日のエネルギー源になり、体を動かす準備が整う
● 脳に栄養が届き、集中力や学習意欲が高まる
● 生活リズムが整い、健康的な習慣が身につく

1-11日のエネルギー源になり、体を動かす準備が整う

朝ごはんは、乳幼児が元気に1日をスタートさせるために欠かせないエネルギー源です。
朝ごはんをしっかり食べると、体温が上がり、筋肉や内臓の活動が活発になり、遊びや学びに向けた準備が整うためです。

特に乳幼児期は活動量が多く、1回の食事で得られるエネルギーが1日の行動に直結します。
夜の間に消費されたエネルギーは、朝になるとほとんど空っぽの状態になっているため、
朝ごはんを食べないと、体が目覚めず、活動量も減ってしまう場合もあるでしょう。

朝ごはんを食べると、乳幼児の体は目覚め、1日の生活に前向きに取り組む準備が整います。

1-2脳に栄養が届き、集中力や学習意欲が高まる

朝ごはんを食べると、脳に必要な栄養素が届き、集中力や記憶力が高まります。
特に脳の主なエネルギー源となるブドウ糖は、朝ごはんからの補給が重要です。

乳幼児の脳は発達段階にあり、栄養の影響を受けやすいため、朝にきちんと食べることで「考える力」や「学ぶ意欲」が高まりやすくなります。
保育園や幼稚園での活動中に集中が続かなかったり、落ち着かない様子が見られる場合、朝食不足が関係していることもあります。

朝ごはんには、脳の働きを支える栄養素が詰まっており、乳幼児の学習意欲や集中力を育む土台になるのです。

1-3生活リズムが整い、健康的な習慣が身につく

毎朝の朝食習慣は、乳幼児の生活リズムを安定させる大切なステップです。
「決まった時間に起きて食べる」という行動が繰り返されることで、体内時計が安定するためです。

朝ごはんを毎日しっかり食べると、毎朝決まった時間にトイレへ行けるようになります。また、自然と早寝早起きの習慣が身につき、登園準備に手間取らなくなったりというケースもあります。

朝ごはんの習慣は、乳幼児にとって健康的な生活リズムと、自立した食事習慣の土台づくりにつながるでしょう。

乳幼児の朝ごはんに取り入れたい栄養素と食材の例

乳幼児の朝ごはんには「炭水化物・たんぱく質・ビタミン」の3つの栄養素をバランスよく取り入れるのが大切です。
エネルギーを補給し、脳や体をしっかり目覚めさせるためにも、朝の食事内容がその日の活動や健康状態に大きく関わってきます。

ここでは、乳幼児の朝食に取り入れたい栄養素と、具体的な食材例についてわかりやすくご紹介します。

● 炭水化物・たんぱく質・ビタミンがそろった朝食が理想的
● ごはん・卵・野菜・果物など、家庭にあるものでOK
● 味噌汁や納豆など、和食メニューもおすすめ

2-1炭水化物・たんぱく質・ビタミンがそろった朝食が理想的

乳幼児の朝ごはんには、炭水化物・たんぱく質・ビタミンをバランスよく含んだメニューを意識するのが大切です。
それぞれの栄養素には役割があり、朝の食事でしっかり補うと、子どもの心と体の活動をサポートできるためです。

乳幼児の朝ごはんに取り入れたい「炭水化物・たんぱく質・ビタミン」の具体例は、以下の通りです。

栄養素の種類 役割 朝ごはんにおすすめの食材例
炭水化物 脳や体を動かすエネルギー源 ごはん
パン
うどん
バナナ
さつまいも
たんぱく質 筋肉や内臓、免疫など体をつくる材料
納豆
豆腐
ヨーグルト
チーズ
ビタミン・ミネラル 代謝を助け、体調を整えるサポート役 にんじん
ブロッコリー
トマト
りんご・みかんなどの果物

主食・主菜・副菜を意識すると、乳幼児に必要な栄養を自然に取り入れられます。
毎日の朝ごはんに、家庭にある食材を上手に取り入れてみましょう。

2-2ごはん・卵・野菜・果物など、家庭にあるものでOK

乳幼児の朝ごはんには、家庭にある身近な食材を使うだけでも十分です。
特別な食材や手の込んだ料理を用意しなくても、日常的に家にあるもので栄養バランスを整えられます。

たとえば、以下のような簡単な組み合わせでも、バランスの良い朝食になります。

● ごはん+卵焼き+ブロッコリー+りんご
● パン+ゆで卵+にんじんのソテー+バナナ
● おにぎり+納豆+小松菜のおひたし+みかん
● トースト+チーズ+トマト+季節の果物
● 雑炊+温野菜+卵+キウイ

無理なく続けられる朝ごはんを習慣化すると、乳幼児の健康と生活リズムの安定に役立ちます。
家庭にある食材で、できる範囲から始めるといいでしょう。

2-3味噌汁や納豆など、和食メニューもおすすめ

乳幼児の朝食には、味噌汁や納豆といった和食メニューもおすすめです。
和食は塩分や脂肪分が控えめなうえに、発酵食品や野菜が多く、栄養のバランスがとりやすいためです。

食事を通じて「だしの味」や「季節の食材」に触れることは、食育の観点からも重要です。

朝のひとときに、温かい味噌汁を取り入れるだけでも、栄養だけでなく心も満たされる朝ごはんになります。

忙しい朝でも準備しやすい朝ごはんの工夫

朝ごはんは子どもの健康的な生活リズムや脳の働きに欠かせない大切なエネルギー源です。

ここでは、忙しい朝でも無理なく続けられる朝食の工夫をご紹介します。

● 冷凍おにぎりやバナナなど、手軽に食べられる食材を活用
● 夕食で多めに作って朝に活用するのも一手
● 子どもが自分で選べる仕組みにすると食べやすくなる

3-1冷凍おにぎりやバナナなど、手軽に食べられる食材を活用

忙しい朝でも、子どもがしっかり朝ごはんを食べられるよう、手軽に用意できる食材を活用するのがおすすめです。
朝は保育園や幼稚園の準備でバタバタしがちですが、以下のような食材なら習慣化もしやすく、毎朝の食事が苦になりません。

食材 栄養ポイント 特徴
冷凍おにぎり 炭水化物(エネルギー源) 朝でもすぐに食べられ、腹持ちがよい
バナナ・りんごなどの果物 ビタミン・食物繊維 甘みがあって子どもが食べやすい
チーズ・ヨーグルト たんぱく質・カルシウム ・冷蔵庫から出すだけでOK
・成長をサポート

「手軽に食べられる朝食」を工夫すると、乳幼児でも毎日しっかり朝ごはんを食べる習慣が身につきます。

3-2夕食で多めに作って朝に活用するのも一手

朝食の準備をラクにしたいなら、前日の夕食の一部を活用するのが効果的です。
朝は時間が限られているため、ゼロから作るのは負担になりがちです。
あらかじめ多めに調理しておけば、温め直すだけで栄養バランスのよい朝ごはんが整います。

具体的には、以下の通りです。

食材・メニュー 朝の活用方法 栄養のポイント
味噌汁 翌朝に具を足して温め直す 水分・塩分・野菜などの栄養を補える
焼き魚・卵焼き 冷蔵保存して温めるだけで主菜に たんぱく質・脂質など成長に必要な栄養
野菜のおひたし・
きんぴら
副菜としてそのまま、または小鉢に盛るだけ 食物繊維・ビタミンが摂れる

「前日の夕食を朝にリメイク」する発想で、忙しい朝でもしっかり食事を整えられ、子どもの生活リズムも安定します。

3-3子どもが自分で選べる仕組みにすると食べやすくなる

朝ごはんを嫌がる子どもには、「自分で選べる仕組み」を取り入れると食べやすくなります。
自分で選んだものには関心が高まりやすく、主体的に食べる意欲が育まれるためです。
また、「何を食べたいか」を聞くことで親子のコミュニケーションにもつながります。

具体的には、以下の工夫がおすすめです。

● 「ごはんとパン、どっちがいい?」と選ばせる
● 小皿に数種類の食材を用意して自由に組み合わせさせる
● 「おにぎりの具は何にする?」と相談しながら作る

朝ごはんに「選ぶ楽しさ」を取り入れると、子どもが食べる意欲を持ちやすくなり、朝食習慣が自然と身につきます。

朝ごはんの大切さを伝える家庭での食育のコツ

朝ごはんの大切さはわかっていても、「なぜ食べなきゃいけないの?」「眠くて食欲がない…」という子どもの反応に悩んだ経験はありませんか?
家庭での食育は、そんな日々の小さな疑問や習慣づくりにこそ効果を発揮します。

特に乳幼児期は、生活リズムや食習慣の土台をつくる大切な時期。無理に教え込むのではなく、親子で一緒に朝ごはんを食べたり、「今日は何を食べようか?」と会話を楽しむことから始めるのがおすすめです。

ここでは、家庭で手軽に取り入れられる朝ごはんを通じた食育の工夫をご紹介します。

● 親子で一緒に食卓に向かう時間をつくる
● 食材やメニューについて話す機会を持つ
● 「朝ごはんを食べたら元気が出るね」と日常会話に取り入れる

4-1親子で一緒に食卓に向かう時間をつくる

朝ごはんの大切さを子どもに伝えるには、親子で一緒に食卓に座る時間を習慣づけるのが効果的です。
子どもは親の行動をよく見て育つため、一緒に朝ごはんを食べることで、食事が「毎日続けるもの」「大切な時間」であると自然に学べます。

具体的には、以下を意識するのがおすすめです。

● 朝は少し早めに起きて、5〜10分だけでも一緒に座る習慣をつくる

● パンと果物など、簡単なメニューでも「一緒に食べる」ことを優先
● 忙しい日は子どもと「おはよう、元気に食べようね」と声をかけるだけでもOK

朝の短い時間でも、子どもと一緒に食卓を囲むことで、家庭内での「朝ごはんの価値」が自然と伝わるでしょう。

4-2食材やメニューについて話す機会を持つ

朝ごはんを食育の機会に変えるには、食材やメニューについて親子で話す習慣をつくるのが大切です。
食べているものに興味を持つことで、子どもは「何を食べるか」「なぜ食べるか」を考えるようになるためです。
栄養バランスや健康に対する意識づけにもつながります。

具体的には、以下のような会話を意識してみましょう。

● 「このにんじん、甘いね!どこで採れたんだろうね?」と話しかける
● 「ごはんはエネルギーになるんだよ」「牛乳は骨を強くするよ」と教える
● 朝ごはんのメニューを子どもと一緒に決めてみる

会話を通じて食事に関心を持たせると、朝ごはんが「楽しく学べる時間」となり、子どもの食習慣や栄養意識も育まれます。

4-3「朝ごはんを食べたら元気が出るね」と日常会話に取り入れる

朝ごはんの大切さを子どもに伝えるには、「食べたら元気が出るね」といったポジティブな言葉を日常会話に取り入れるのが効果的です。
子どもは「楽しい」「うれしい」と感じる経験から学ぶことが多いため、朝ごはんを食べた後の体調の変化や気分の良さを言葉で実感させるのが大切です。

具体的な声かけの例は、以下の通りです。

● 「今日は朝ごはん食べたから元気に遊べるね」
● 「ちゃんと食べたから頭がよく働くよ〜」と声がけ
● 「おなかが空いてると元気出ないね、朝ごはんって大事だね」と共感

朝ごはんと「元気」「楽しい」を結びつける会話を意識的に重ねると、子どもにとって朝食は前向きな習慣として根づいていきます。

乳幼児の朝ごはんに関するよくある質問

5-1朝ごはんにパンとごはん、どちらを選べばいいですか?

どちらを選んでも大丈夫ですが、朝ごはんでは「ごはん」のほうがおすすめです。
ご飯は、腹持ちがよく、子どもにとってエネルギー補給に適しているためです。

ごはんはゆっくり消化され、午前中の活動や集中力を安定させる助けになります。一方で、パンは準備が簡単なため、忙しい朝には手軽に取り入れられるというメリットもあります。

和食に慣れた家庭では、朝ごはんにごはん・味噌汁・卵焼きといった定番の組み合わせがよく選ばれます。しっかりとした和食メニューは、炭水化物・たんぱく質・ビタミン類をバランスよく摂取できる点が魅力です。
一方で、朝に食欲がわかない子どもには、食パンとバナナ、牛乳を組み合わせた軽めの朝食もおすすめです。消化しやすく、準備も簡単なので、忙しい朝でも無理なく対応できます。

大切なのは、子どもの体に合った食事を毎日しっかり食べることです。ご家庭の習慣や朝の時間に合わせて、無理なく継続できる朝食を工夫してみましょう。

5-2毎朝、同じメニューでも大丈夫ですか?

基本的に、朝ごはんのメニューが毎日同じでも問題はありません。
乳幼児期は、食事の内容そのものよりも、「食べる習慣」が身につくことが大切な時期です。安心して食べられるメニューを繰り返すことで、子どもは自然と朝ごはんを食べるリズムを身につけていきます。

たとえば、毎朝「ごはん+味噌汁+卵焼き」でも、味噌汁の具や卵の調理法を少し変えるだけで、変化のある朝ごはんになります。
パン派の家庭では、トーストにフルーツやヨーグルトを添えることで、ビタミンやたんぱく質なども無理なく摂取できるでしょう。
また、子どもが好きなメニューをベースに、少しずつ新しい食材を加えていくことで、自然に食の幅も広がっていきます。

「楽しく食べられること」「しっかり食べる習慣を続けること」を優先しながら、無理のない範囲で栄養バランスに配慮していきましょう。

5-3寝起きが悪くて朝ごはんの時間がとれません…どうしたらいいですか?

寝起きが悪くても、少しでも食べられるように簡単で食べやすい朝ごはんを用意するのが大切です。
朝食は、体温や脳を目覚めさせ、生活リズムを整える役割があります。
子どもが食事に集中できる時間を確保するには、起床時間と朝の流れを見直すこともポイントです。

具体的には、以下がおすすめです。

● 寝る前におにぎりを用意しておくと、朝はすぐ出せて便利
● 食欲がないときは、バナナやスープなど喉通りの良いものを用意する
● 朝は無理に食べさせず、保育園前に少量ずつでも食べる習慣をつける

乳幼児の朝ごはんは、しっかり準備して食べるものというより、できる範囲でとる習慣と捉えていきましょう。少しずつでも食べることを続ければ、徐々に生活リズムも整ってきます。

5-4子どもが遊びたがって食卓につかないときはどうすればいいですか?

子どもが遊びたがって朝ごはんの時間に集中できないときは、「朝食=楽しい習慣」として定着させる工夫がおすすめです。
乳幼児期は「遊びたい気持ち」が自然な反応であり、無理に座らせようとするとかえって逆効果になる場合もあります。

朝ごはんの時間そのものを楽しく、前向きに捉えられるような声かけや環境づくりが大切です。

具体例は、以下の通りです。

● 食卓に「お気に入りの食器」や「キャラクターのコップ」を使って気分を盛り上げる
● 「〇〇を食べたらお散歩に行こうね」など、食後の楽しみを伝えて切り替えを促す
● 食べ始めを親子で一緒に行い、「一緒に食べる楽しさ」を体感させる
● テレビやおもちゃが目に入らないように、朝の食卓環境を整える

子どもにとって「朝ごはんの時間=楽しい・安心できる時間」となり、自然と遊びモードから食事モードへの切り替えがしやすくなります。

朝ごはんは「成長支援」と「家族の時間」

朝ごはんは、乳幼児の健やかな成長を支えるうえで欠かせない食事です。
エネルギー源となる炭水化物、体をつくるたんぱく質、免疫力や体調を整えるビタミン・ミネラルなど、必要な栄養素を朝のうちにしっかりとると、1日の活動に前向きに取り組める体と心の土台が整います。

また、朝ごはんの時間は、家族が一日の始まりに顔を合わせ、声をかけ合う大切な機会でもあります。「おはよう」「今日は元気?」「昨日の〇〇楽しかったね」など、短い会話でも子どもにとっては大きな安心感や愛情の実感につながります。
こうしたやり取りは、心の安定や社会性の発達にもよい影響をもたらすでしょう。

忙しい毎日の中でも、朝の食卓には、栄養を補給するだけでなく、親子の信頼関係を育む力があります。たとえ数分でも、子どもと向き合って朝ごはんを食べる習慣は、長い目で見て心と体の発達を支える「生活の土台」となります。

朝食は「成長支援」と「家族のつながり」を同時に育む貴重な時間です。
毎朝の食卓を、あたたかく、前向きな一日のスタートの場として大切にしていきましょう。

日本インストラクター技術協会編集部
インストラクターの専門性を高めるためや地位向上を目的とした団体である日本インストラクター技術協会(JIA)編集部が運営するコラムです。
美容・健康・ボディケアの資格の筋トレインストラクター、シェイプアップインストラクターや骨格診断士。心理カウンセラー資格のメンタル心理インストラクター、子供心理カウンセラー®、音楽療法カウンセラーや行動主義心理アドバイザー®など様々な資格を認定しています。
日本インストラクター技術協会編集部