
幼児期は、1年ごとに驚くほど体つきが変化していく時期です。
ここでは、1歳から6歳までの男女別の平均値を年齢ごとにまとめました。
体重や身長の目安を確認しながら、お子さんの成長を見守るヒントにしてみてください。
● 1歳〜1歳半の平均体重|歩き始めの時期に注目
● 2歳〜3歳の平均体重|食べムラが出やすい時期
1歳〜1歳半は、歩き始めとともに体重と身長が大きく伸びる時期です。
この頃は身体機能の発達が進み、つかまり立ちからひとり歩きへと移行する重要な段階です。
筋肉や骨の成長が活発になるため、体重・身長の把握は発育を見守るうえでの目安となります。
こども家庭庁「令和5年乳幼児身体発育調査」のデータによると、1歳〜1歳半ごろの平均値は以下のように読み取れます。
| 性別 | 平均体重(kg) | 平均身長(cm) |
|---|---|---|
| 男子 | 約10.0〜10.5kg | 約76〜78cm |
| 女子 | 約9.5〜10.0kg | 約74〜76cm |
(参考:こども家庭庁「令和5年乳幼児身体発育調査」)
歩行が始まるこの時期は、体重や身長の増加に加えて、動き方や姿勢にも注目しながら日常の成長を見守りましょう。
2歳〜3歳は、食べムラや偏食が目立ち始め、成長ペースに個人差が出やすい時期です。
この年齢は自我の芽生えとともに、食事の好みや気分によるばらつきが出てきます。
そのため、体重の増え方が一定でなくなる傾向があります。
こども家庭庁「令和5年乳幼児身体発育調査」のデータによると、2歳〜3歳未満の平均体重と身長は以下のとおりです。
| 性別 | 平均体重(kg) | 平均身長(cm) |
|---|---|---|
| 男子 | 約12.0〜12.5kg | 約87〜89cm |
| 女子 | 約11.2〜11.7kg | 約86〜88cm |
(参考:こども家庭庁「令和5年乳幼児身体発育調査」)
体重の数値だけでなく、普段の活動量や睡眠・排便・機嫌なども含めて総合的に成長を見守るのが大切です。
4歳〜6歳は、身長と体重のバランスを見ながら生活習慣を整えることが大切な時期です。
この年代になると、保育園や幼稚園などでの集団生活が安定し、活動量や生活リズムも定まってくるためです。
身長の伸びと体重の増え方に注目すると、肥満ややせすぎなどの身体的な偏りに早めに気づけます。
令和5年乳幼児身体発育調査によると、年齢ごとの平均値は以下の通りです。
| 性別 | 年齢 | 平均体重(kg) | 平均身長(cm) |
|---|---|---|---|
| 男子 | 4歳 | 約16.4kg | 約101cm |
| 男子 | 5歳 | 約18.5kg | 約108cm |
| 男子 | 6歳 | 約21.0kg | 約114cm |
| 女子 | 4歳 | 約16.0kg | 約100cm |
| 女子 | 5歳 | 約18.2kg | 約107cm |
| 女子 | 6歳 | 約20.0kg | 約113cm |
(参考:こども家庭庁「令和5年乳幼児身体発育調査」)
子どもの体格は年齢とともに変化します。
身長と体重のバランスを確認しながら、食事・運動・睡眠などの生活習慣を見直すことが、健やかな成長を支えます。
ここでは、性別による傾向の違いや、平均値との向き合い方について解説します。
数字にとらわれすぎず、わが子らしい成長を見守るための考え方を整理しておきましょう。
● 男の子と女の子では体重に差が出ることもある
● 成長には個人差があるため目安にとらわれすぎない
乳幼児の体重は、男の子と女の子で平均に差が見られる場合があります。
性別によって身体の発育スピードや骨格の成長が異なるため、同じ年齢でも体重や身長に違いが出るのは自然なことです。
特に3歳〜6歳の幼児期には、男児の方が体重・身長ともにやや高めになる傾向があります。
こども家庭庁「令和5年乳幼児身体発育調査」のデータでは、5歳〜6歳未満の平均体重は、男子が約18.8kg、女子が約18.2kgでした。また、身長は男子が約108.3cm、女子が約107.3cmと、どちらも男児の方がやや高めという結果です。
(参考:こども家庭庁「令和5年乳幼児身体発育調査」)
年齢別の体重を比較する際は、男女差も一つの目安としてとらえ、平均値や成長曲線とあわせて確認するとより正確です。
体重や身長の平均値はあくまで参考値であり、個人差を尊重することが重要です。
子どもの発育には遺伝・栄養・生活環境などさまざまな要因が関わっており、平均より軽い・重いからといって直ちに健康問題があるとは限りません。
必要以上に「標準体重」や「kg数」にとらわれると、親子ともに不安を感じやすくなります。
たとえば、2歳児の平均体重は男子で約12.5kg、女子で約11.8kgですが、±1〜2kgの差は「発育の範囲内」として扱われます。
体重だけでなく、睡眠・食欲・排便・生活リズムなどの日常の様子もあわせて見守るのが大切です。
体重や身長のデータは健康チェックの一つの目安です。成長曲線や保健指導なども活用しながら、子ども自身のペースを大切にしましょう。
幼児期の体重には、発達段階や体質、生活習慣などさまざまな要因が関係しています。
ここでは、平均と比べて体重が軽い・重い場合の見方や考え方について解説します。
● 平均より軽いとき|発達や体質に応じた見守りが大切
● 平均より重いとき|食習慣や運動量を振り返るきっかけに
幼児の体重が平均より軽くても、発育全体に問題がなければ過度に心配しすぎる必要はありません。
体重は発育の一つの指標ですが、体質・食事量・活動量・睡眠など、さまざまな要因が影響します。
特に幼児期は、身長に比べて体重が軽めになる子も多く、「よく動く」「よく食べる」など、生活面に問題がなければ成長過程の範囲内とされます。
たとえば、4歳児の平均体重は男子で約16.3kg、女子で約15.8kg前後とされていますが、±1〜2kgの幅は十分に個人差の範囲です。
発育曲線に沿って身長も伸びており、健康診断で特別な指摘がなければ経過観察で十分とされます。
体重だけにとらわれず、日常の行動や生活リズムを通してお子さんの成長全体を見守りましょう。
幼児の体重が平均より重い場合は、生活習慣や栄養バランスを見直すきっかけと捉えましょう。
体重が平均より重めでも、身長とのバランスが取れていれば大きな問題ではありません。
しかし、運動不足・間食の頻度・食事量が多いなどが重なっている場合は、将来的な肥満傾向や生活習慣病のリスクにつながる可能性があります。
たとえば、5歳児の平均体重は男子で約18.8kg、女子で約18.2kgですが、同年齢で22kg以上の場合は、体格指数(BMI)や身長とのバランスを確認し、保健センターや小児科で相談することが推奨されます。
平均より重い=すぐに「太りすぎ」ではありません。
食事内容・運動習慣・生活リズムを一度立ち止まって見直すことで、より健康的な発育をサポートできます。
栄養バランスのとれた食事や、十分な睡眠、適度な運動は、幼児の健やかな発育を支える大切な土台です。
ここでは、成長を支える生活習慣の基本と、家庭で意識したいポイントについてわかりやすく解説します。
● 「食事」は成長の土台|栄養バランスを整える
● 「生活リズム」を整える|睡眠・運動・排便の習慣化が重要
栄養バランスのとれた食事は、幼児の健康と成長の土台です。
体重や身長の伸びだけでなく、情緒の安定にも影響するため、毎日の献立を意識するのが大切です。
幼児期は、身体の発育が急速に進む時期で、特にたんぱく質・カルシウム・鉄・ビタミンなどが不足しないように配慮する必要があります。偏りのない食事が、肥満や発育不良の予防にもつながります。
栄養バランスを整えるための献立例は、以下の通りです。
| 献立構成 | 食材の例 | 栄養のポイント |
|---|---|---|
| 主食 | ごはん、パン、うどん | エネルギー源(炭水化物) |
| 主菜 | 鶏肉、鮭、豆腐 | 成長に必要なたんぱく質 |
| 副菜 | にんじん、小松菜、ブロッコリー | ビタミン・ミネラル・食物繊維 |
| 汁物 | 味噌汁、野菜スープ | 水分補給と栄養補完 |
| 補助食材 | 牛乳、バナナ、ヨーグルト | カルシウム・ビタミン補給 |
毎日の食事を「学びと成長の場」として捉え、必要な栄養素をバランスよく取り入れることが、健康な体づくりにつながります。
幼児の発育を支えるには、生活リズムの安定が欠かせません。
特に、睡眠・運動・排便の習慣を整えることが、身長や体重の健全な増加に影響するためです。
睡眠中には成長ホルモンが多く分泌され、運動は骨や筋肉の発達を促します。
また、排便のリズムも消化・吸収の状態を示す指標であり、生活全体の健康度を表します。
生活リズムを整えるための1日のスケジュール例は、以下の通りです。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 7:00 | 起床・朝食(便意を促す) |
| 9:00 | 外遊び・通園(運動で代謝UP) |
| 12:00 | 昼食(食物繊維と水分を意識) |
| 13:00 | 昼寝(1〜2時間) |
| 15:00 | 遊び・おやつ |
| 18:00 | 夕食(消化のよいものを) |
| 20:30 | お風呂・歯みがき |
| 21:00 | 就寝(毎日同じ時間が理想) |
上記のリズムを継続すると、子ども自身の体調管理能力も育ち、健やかな成長につながります。
子どもの成長には個人差があるため、過度に心配しすぎる必要はない一方で、必要なタイミングで専門家に相談することも大切です。
ここでは、自己判断せずに適切に対応するためのポイントや、発達曲線・SDスコアなどの客観的な見方について解説します。
● 自己判断せず、保育園や小児科で相談する
● 発達曲線やSDスコアを参考にする
子どもの体重や身長が「平均より少ない・多い」と感じても、自己判断せず、保育園の保健担当やかかりつけの小児科医に相談することが大切です。
幼児の発育には個人差があり、一時的な偏りや体質の可能性もあります。
専門家の視点で成長曲線や生活習慣全体を評価してもらうと、必要な支援や安心感を得られます。
以下のような状況では、医療機関や保育園に相談しましょう。
● 月齢・年齢に比べて身長や体重が著しく低いまたは高い
● 急激な体重の減少や増加が見られる
● 食欲不振・活動量の低下などの体調変化が続いている
● 家庭だけで判断が難しいと感じたとき
発育の悩みは専門家と一緒に確認・対応すると、健康的な成長に向けた適切なアドバイスが得られます。
幼児の体重や身長の発育状況を正しく判断するには、「発達曲線」や「SDスコア」などの統計的な指標を活用するのがおすすめです。
見た目や周囲の子どもと比べるだけでは、発育の遅れや肥満に対して正しい判断ができません。日本の乳幼児身体発育調査にもとづく統計データを活用すれば、年齢・性別ごとの平均値からのずれを客観的に確認できます。
代表的な指標は、以下の通りです。
| 指標 | 内容 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 発達曲線 (成長曲線) |
年齢別に体重・身長の推移を記録し、成長の傾向を確認 | 健康的な発育かどうかを視覚的に把握可能 |
| SDスコア | 平均値との差を数値化して体格の評価に用いる | ・SD -2.0未満:やせ傾向 ・SD +2.0以上:肥満傾向 |
「うちの子、ちょっと小さいかも…」と感じたときでも、主観的な判断ではなく、発達曲線やSDスコアをもとに、幼児の健康と発育を支える正しい対応をしていきましょう。
ここでは、幼児の体重に関する質問について回答してください。
● 体重の測定はどのくらいの頻度ですればいいですか?
● 同じ年齢でも身長や体重がバラバラなのはなぜですか?
● 幼児の体重が急に増減したらどう対応したらいいですか?
● 服のサイズが平均より小さいけど問題ないですか?
幼児の体重測定は、月1回を目安に、定期的に行うことが望ましいです。
成長のスピードには波があるため、毎日や毎週測っても誤差や一時的な変動に振り回されやすくなります。
月単位で記録することで、発育の流れを無理なく把握できます。
たとえば、以下のようなペースで記録するのが一般的です。
| 項目 | ペース |
|---|---|
| 保育園の身体測定 | 月1回のペース |
| 家庭での健康管理 | 月1〜2回を目安に家庭用体重計で測定 |
| 3歳児健診や4歳児健診など | 自治体の定期健診でも体重測定が実施される |
体重の記録は「健康管理の手がかり」として大切ですが、過度に神経質にならず、月に1回ほどを目安に見守っていきましょう。
年齢が同じでも、身長や体重に差が出るのは「個人差」や「体質」の影響が大きいためです。
遺伝的な要素、性別、生活環境、運動量、睡眠の質、食事の内容などによって、成長のスピードは異なります。また、成長の「時期」も一人ひとり違うため、比較して一喜一憂する必要はありません。
周囲と比べて不安になるよりも、「その子自身の成長のリズム」を大切にするのが健康的な発育につながります。
短期間で大きく体重が増えたり減ったりしたときは、生活習慣や体調の変化を見直し、必要に応じて専門家に相談しましょう。
体重の急激な変動には、風邪や胃腸炎などの病気、運動不足、過食や偏食、成長スパートなどが関係している場合があります。
放置すると、栄養バランスや健康に影響する可能性もあります。
具体例は、以下の通りです。
| 状況 | 対応例 |
|---|---|
| 2週間で−1kg減少 | 体調不良や食欲低下がないか確認し、小児科で相談 |
| 1か月で+2kg増加 | おやつの量や食事の内容を見直し、運動時間を増やす |
| 食欲が急に落ちたなど | ストレスや病気の前兆かもしれないため、様子を見る |
体重の増減が「一時的」か「継続的」かを見極め、必要があれば早めに保育園の先生や医師に相談すると安心です。
服のサイズが年齢の目安より小さくても、体格や骨格の個人差によるもので問題はありません。
同じ年齢でも、筋肉量や体型の違いにより着心地やサイズの好みは異なります。
数値だけにとらわれる必要はありません。
具体的には、以下の通りです。
● 平均体重18kg前後の5歳児でも、服のサイズは100〜110cmとばらつきがある
● 細身の子はワンサイズ小さい服を着ていても動きやすければ問題なし
体重や身長と服のサイズが必ずしも一致するわけではないので、本人が動きやすく過ごしやすいサイズ選びを優先しましょう。
幼児期の体重や身長はあくまで「平均値」や「目安」にすぎず、すべての子どもがその通りに育つわけではありません。
成長には個人差があり「小柄でも元気いっぱい」「大きめでも健康的」などの子どももたくさんいます。
体重の数値だけで過度に心配するのではなく、日々の生活習慣や子どもの様子をトータルで見ていくことが大切です。
食事や睡眠、運動のリズムが整っているか、笑顔で過ごせているかなど、目に見える日常のサインに目を向けてあげましょう。
もし気になることがある場合は、一人で抱え込まず、保育園の先生や小児科の医師など、専門家に相談するのも安心につながります。
子どもが自分らしく、のびのびと成長できるよう、体重という「数字」にとらわれすぎず、あたたかい気持ちでその子なりの育ちを見守っていきましょう。
保護者の方が笑顔で見守る姿勢そのものが、子どもにとっての安心材料になります。
比べるのではなく、寄り添いながら、小さな成長を一緒に喜んでいきましょう。
