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【マクロビオティック】外食時はどうする?選び方やリセット法

記事作成日:2025.09.16
マクロビオティックを実践している方にとって、外食は大きな悩みの種ではないでしょうか。せっかく家で気をつけた食事をしていても、外食で何を選べばいいのか分からない。本記事では、マクロビオティック実践者が外食時にメニューを選ぶコツや、外食後の体調管理について詳しく解説していきます。
【マクロビオティック】外食時はどうする?選び方やリセット法

目次

マクロビオティックとは何か

マクロビオティックを実践している方も、これから始めたい方も、まずは基本的な考え方を確認しておきましょう。

1-1日本発祥の長寿法

マクロビオティックは、古代ギリシャ語の「マクロ(大きな)」「ビオ(生命)」「ティック(術、学)」の3つの言葉から成る造語です。「長く健康的に生きるための方法」という意味を持ち、日本人の桜沢如一氏によって体系化されました。海外で注目されたことから海外発祥と思われがちですが、実は日本の伝統的な食事を基盤とした考え方なのです。
この食事法は、玄米を中心とした穀物と、旬の野菜や海藻を組み合わせた日本古来の食べ方をベースにしています。現代では、世界中のセレブリティや健康志向の人々に支持されており、単なる食事法を超えた生き方の哲学として広まっています。

1-2三つの基本原則

マクロビオティックには、実践する上で重要な三つの基本原則があります。身土不二とは、暮らす土地の旬のものを食べることで、季節に合った体調管理ができるという考え方です。たとえば、夏の野菜は体を冷やし、冬の野菜は体を温める作用があります。
一物全体とは、食材を皮や根も含めて丸ごと食べることで、自然のバランスを体に取り入れる考え方です。玄米なら精製せずに、野菜なら皮も含めて調理します。陰陽調和では、すべての食材に陰性と陽性があると考え、そのバランスを取ることで体調を整えます。陰性の食材は体を冷やし、陽性の食材は体を温めるとされており、季節や体調に合わせて選択することが大切です。

1-3避けたい食材と推奨食材

マクロビオティックでは完全に禁止される食材はありませんが、できるだけ避けたい食材があります。肉、卵、乳製品などの動物性食品は、消化に負担をかけやすいとされています。精製された白砂糖は血糖値を急激に上げるため、米飴やメイプルシロップなどの自然な甘味料が推奨されています。化学調味料や添加物の多い加工食品も避けるべき食材に含まれます。一方で推奨される食材は、玄米などの未精製穀物、旬の野菜、海藻類、豆類、発酵食品などです。食材の割合としては、穀物が50~60%、野菜が25~30%、豆類や海藻が10~15%、その他が5~10%が理想的とされています。

外食時の基本的な選び方

外食先でのメニュー選択は、マクロビオティック実践者にとって重要なスキルです。

2-1和食レストランでの選び方

和食レストランは、マクロビオティック実践者にとって最も選択しやすい外食先の一つです。定食スタイルでは、玄米ご飯があれば積極的に選択し、なければ白米でも大丈夫です。味噌汁は野菜がたくさん入ったものを選び、漬物や海藻サラダなどの副菜も取り入れましょう。焼き魚や煮物など、シンプルな調理法の料理を中心に選択することがポイントです。
天ぷらなどの揚げ物は油が多いため控えめにし、蒸し物や煮物を優先的に選びます。そば、うどんを選ぶ場合は、天ぷらそばよりも山菜そばやとろろそばなど、野菜中心のトッピングがおすすめです。だしの効いた温かい汁物は体を温め、消化を助けるため積極的に摂取しましょう。

2-2洋食店での注意点

洋食店では、乳製品や動物性食品の使用が多いため、注意深い選択が必要です。サラダは新鮮な野菜を摂取できる良い選択肢ですが、ドレッシングに注意が必要です。市販のドレッシングには化学調味料や添加物が含まれることが多いため、オリーブオイルと塩、レモンなどシンプルな調味料を使ったものを選びましょう。
パンは全粒粉パンがあれば優先的に選択し、白いパンしかない場合は少量に留めます。スープ類では、クリーム系よりも野菜ベースのコンソメスープやミネストローネを選択します。メイン料理では魚料理を選び、ソースは別添えにしてもらうことで調整しやすくなります。パスタでは、クリーム系よりもトマトベースやオイルベースを選ぶことが重要です。

2-3中華料理の選び方

中華料理店では、野菜中心の料理を多く選択することが可能です。野菜炒めや青菜の炒め物は、野菜を多く摂取できる理想的な選択肢です。ただし、化学調味料が多用されることがあるため、注文時に少なめにしてもらうよう依頼しましょう。蒸し料理は油の使用量が少なく、食材本来の味を楽しめるためおすすめです。
中華粥は消化に良く、体を温める効果もあります。麻婆豆腐などの豆腐料理は、植物性タンパク質を摂取できる良い選択肢ですが、辛すぎるものは避けましょう。白米よりもチャーハンの方が野菜が多く含まれている場合もありますが、油の使用量を考慮して適量を心がけます。

メニュー選びの具体的なコツ

より具体的なメニュー選択のテクニックを覚えることで、外食がより楽しくなります。

3-1玄米や雑穀を選ぶ方法

外食先で玄米や雑穀が提供されている場合は、迷わず選択しましょう。玄米には白米にはないビタミンB群、食物繊維、ミネラルが豊富に含まれています。玄米は消化に時間がかかるため、よく噛んで食べることで満腹感が得られ、食べ過ぎの防止にもなります。雑穀米が選択できる場合は、様々な栄養素をバランス良く摂取できるため理想的です。
玄米が提供されていない場合でも、麦ご飯や発芽玄米があれば選択しましょう。白米しかない場合は、海苔や胡麻をかけてミネラルを補うことも有効です。最近では健康志向の高まりから、玄米を提供するレストランも増えているため、事前に電話で確認することもおすすめです。

3-2野菜中心のメニュー選択

野菜の摂取は、マクロビオティックの基本です。サラダでは、レタスやキャベツなどの淡色野菜だけでなく、人参やトマトなどの緑黄色野菜も含まれているものを選びましょう。温野菜は体を冷やさず、消化にも良いため理想的です。煮物や蒸し物では、根菜類が多く含まれているものを選択すると、体を温める効果と食物繊維を同時に摂取できます。
野菜炒めでは、できるだけ多くの種類の野菜が使われているものを選び、油の使用量が気になる場合は軽く押さえて余分な油を取り除きましょう。海藻サラダやひじきの煮物など、海藻類を含む料理も積極的に選択します。

3-3調味料と調理法の確認

外食では調味料の種類や使用量を完全にコントロールできませんが、確認や調整は可能です。化学調味料の使用が気になる場合は、注文時に「薄味で」とリクエストしましょう。ドレッシングやソースは別添えにしてもらい、自分で調整することで摂取量をコントロールできます。
蒸す、煮る、焼くなどのシンプルな調理法の料理を優先的に選択し、揚げ物は控えめにします。塩分が気になる場合は、汁物は具を多めに摂取し、汁は少なめにするなどの工夫が有効です。甘味料についても、人工甘味料よりも自然な甘味を使用した料理を選択することが大切です。

外食チェーン店での攻略法

チェーン店でも工夫次第で、マクロビオティックの考え方に沿った食事が可能です。

4-1ファミリーレストランの選択肢

ファミリーレストランでは、サラダバーがある店舗を選ぶと野菜を豊富に摂取できます。サラダバーでは、生野菜だけでなく温野菜や豆類も積極的に取り入れ、ドレッシングはオリーブオイル系やゴマだれなど自然素材のものを選びましょう。定食メニューでは、焼き魚定食や野菜炒め定食など、野菜と魚を中心としたメニューを選択します。
ライスは大盛りではなく普通盛りにし、足りない場合は野菜を多めに摂取することで満腹感を得ます。汁物がある場合は必ず注文し、体を温めながら満足感を高めましょう。最近では玄米を提供するファミリーレストランも増えているため、メニューを確認してみてください。

4-2回転寿司での食べ方

回転寿司では、魚の栄養を効率的に摂取できますが、選び方にコツがあります。白身魚、青魚をバランス良く選択し、マグロなどの赤身魚も適度に取り入れます。軍艦巻きでは、いくらやうになどの魚卵系よりも、海藻サラダやオクラなど野菜系を選択しましょう。
わさびには抗菌作用があるため積極的に使用し、ガリ(生姜の酢漬け)も消化促進効果があるため適量摂取します。茶碗蒸しや味噌汁などの温かい料理も注文し、体を冷やさないよう配慮します。食べ過ぎを防ぐため、ゆっくりと味わいながら食べることが重要です。

4-3カフェチェーンの活用法

カフェチェーンでは、軽食を中心とした選択が可能です。サンドイッチでは、全粒粉パンや雑穀パンを使用したものを選び、具材は野菜中心のものを優先します。サラダは種類豊富な野菜が含まれているものを選択し、ドレッシングは控えめにしましょう。
スープ類では野菜スープやミネストローネなど、野菜ベースのものを選択することがポイントです。飲み物では、コーヒーよりもハーブティーや三年番茶などカフェインの少ないものを選択します。デザートを食べる場合は、人工甘味料を使用していない自然な甘さのものを少量楽しむ程度に留めましょう。

外食後のリセット方法

外食で理想的でない食事をした場合も、適切なリセット方法で体調を整えることができます。

5-1梅醤番茶でのリセット

梅醤番茶は、外食後のリセットに最も効果的な飲み物の一つです。梅干しにはクエン酸が豊富に含まれており、疲労回復と消化促進効果が期待できます。醤油には発酵による酵素が含まれ、腸内環境を整える働きがあります。番茶は体を温める効果があり、カフェインも少ないため就寝前でも安心して飲むことができます。
梅醤番茶の作り方は以下になります。
1.梅干し(無添加のもの)1個
2.醤油(天然醸造のもの)小さじ1
3.番茶(三年番茶が理想)180ml
4.生姜汁(お好みで)数滴
まず梅干しを湯呑みに入れ、箸でよく潰します。醤油を加えてさらに混ぜ合わせ、熱い番茶を注ぎます。お好みで生姜汁を数滴加えると、より体を温める効果が高まります。外食後30分から1時間以内に飲むことで、消化を助け、体内のバランスを整える効果が期待できます。

5-2大根おろしの活用

大根おろしは消化酵素が豊富で、外食後の胃の負担を軽減してくれます。大根に含まれるジアスターゼという酵素は、でんぷんの消化を助け、胃もたれを解消する効果があります。また、大根には解毒作用もあり、体内の余分な物質を排出する手助けをしてくれます。
大根おろしは食後すぐに摂取するのが最も効果的です。大根おろしに少量の醤油やポン酢を加えて食べると、消化促進効果がさらに高まります。作り置きはせず、食べる直前におろすことで酵素の働きを最大限に活用できます。外食で肉類や油っぽい料理を多く摂取した場合は特に効果的で、翌日の体調管理にも役立ちます。

5-3翌日の食事調整

外食後の翌日は、消化に優しい食事を心がけることが重要です。朝食は軽めにし、白湯や梅醤番茶で胃を温めることから始めましょう。昼食では野菜中心の料理を選択し、油分や塩分を控えめにします。玄米粥や野菜スープなど、消化に良い食事を中心に構成することがポイントです。
水分補給も大切で、常温の水やハーブティーをこまめに摂取し、体内の老廃物排出を促します。無理に食事を抜くのではなく、質の良い食材を少量ずつ摂取することで、体調を整えることができます。

マクロビ対応レストランの活用

専門的なレストランを利用することで、より安心して外食を楽しめます。

6-1東京のおすすめ店舗

東京には多くのマクロビ対応レストランがあります。表参道の「ブラウンライス」は、オーガニック食材を使用したヴィーガン料理が楽しめます。新宿の「チャヤマクロビ」では、マクロビオティックの原則に基づいた本格的な料理を提供しています。
原宿の「MOMINOKI HOUSE」は、43年の歴史を持つ老舗の自然食レストランです。汐留の「チャヤマクロビ汐留店」では、ホテル内でありながらマクロビ料理を楽しめます。これらの店舗では、玄米、有機野菜、自然な調味料を使用した料理が提供され、安心して食事を楽しむことができます。各店舗では季節の食材を活かしたメニューが用意されており、マクロビオティックの考え方を実際に体験できます。

6-2予約時の相談方法

マクロビ対応レストランでない場合でも、予約時の相談で対応してもらえることがあります。電話予約の際に、「マクロビオティックを実践している」旨を伝え、可能な配慮を相談しましょう。
具体的には、玄米の提供が可能か、動物性食品を使わない料理があるか、化学調味料を控えめにできるかなどを確認します。アレルギー対応の経験があるレストランでは、食事制限への理解も深いことが多いです。高級レストランやホテルのレストランでは、事前に相談することで特別メニューを用意してくれる場合もあります。予約時に詳しく相談することで、安心して食事を楽しむことができます。

6-3店舗選びのポイント

マクロビ対応レストランを選ぶ際のポイントがあります。有機野菜や自然農法の食材を使用しているかを確認しましょう。調味料についても、化学調味料を使用せず、伝統的な製法の調味料を使っているかが重要です。メニューに食材の産地や調理法が明記されている店舗は信頼性が高いと言えます。
スタッフがマクロビオティックについて知識を持っているかも重要なポイントです。口コミやレビューサイトで、実際にマクロビ実践者が利用した感想を確認することも有効です。立地や価格帯も考慮し、継続的に利用できる店舗を選ぶことが大切です。

外食時のトラブル対処法

外食で想定外の状況が発生した場合の対処法を知っておくことで、安心して外食を楽しめます。

7-1陰陽バランスの調整

外食で陰陽のバランスが崩れた場合の調整方法があります。冷たいものや生野菜を多く摂取して体が冷えた場合は、温かい飲み物や生姜湯で体を温めましょう。逆に、辛い料理や焼き物を多く摂取して体が熱くなった場合は、常温の水やハーブティーで体を冷ましてください。
塩分を多く摂取した場合は、カリウムの豊富な野菜や果物で調整します。甘いものを食べ過ぎた場合は、苦味のある野菜や海藻類を摂取することで血糖値の安定を図ることができます。翌日以降の食事で意識的に調整することで、バランスを取り戻すことが可能です。

7-2食べ過ぎた時の対応

外食で食べ過ぎてしまった場合の対処法があります。まず、無理に動かず、ゆっくりと休息を取りましょう。消化を助けるため、食後の散歩は効果的ですが、激しい運動は避けてください。梅醤番茶や大根おろしを摂取して消化を促進し、翌日は軽めの食事を心がけます。
水分補給を十分に行い、体内の老廃物排出を促しましょう。自己嫌悪に陥らず、次回から気をつけることを心がけることが重要です。一度の食べ過ぎで体調が大きく崩れることはありませんが、継続的な注意が必要です。

7-3体調不良時の対策

外食後に体調不良を感じた場合の対策があります。軽い胃もたれの場合は、白湯や梅醤番茶で胃を温め、消化を助けましょう。吐き気がある場合は、生姜湯を少量ずつ飲むことで症状が和らぐことがあります。下痢の症状がある場合は、脱水症状を防ぐため水分補給を心がけ、消化に良い食事を摂取してください。頭痛や倦怠感がある場合は、十分な休息を取り、無理をしないことが大切です。症状が重い場合や長時間続く場合は、医療機関への相談を検討しましょう。

コンビニ食材の活用術

コンビニでもマクロビオティックの考え方に沿った食材選択が可能です。

8-1玄米おにぎりの選び方

最近のコンビニでは、玄米おにぎりや雑穀おにぎりの種類が増えています。具材では、昆布、梅、鮭など自然な食材を使用したものを選択しましょう。添加物の少ないシンプルな具材のおにぎりが理想的です。
海苔は海藻類としてミネラルが豊富なため、積極的に摂取してください。マヨネーズ系の具材よりも、和風の具材を優先的に選択することがポイントです。複数購入する場合は、異なる具材を選ぶことで栄養バランスを向上させることができます。

8-2サラダとおかずの組み合わせ

コンビニのサラダは手軽に野菜を摂取できる便利な食材です。根菜サラダや海藻サラダなど、多様な野菜が含まれているものを選択しましょう。ドレッシングは別売りのものを購入し、ゴマだれや和風ドレッシングなど自然な材料のものを選んでください。
おかずでは、煮物や焼き魚など、シンプルな調理法の商品を選択することが重要です。揚げ物は控えめにし、豆腐や納豆などの植物性タンパク質を積極的に取り入れましょう。味噌汁やスープも一緒に購入することで、温かい食事を摂取できます。

8-3飲み物の選択基準

コンビニの飲み物選択にも注意が必要です。緑茶、ほうじ茶、麦茶などのカフェインが少ない飲み物を選択しましょう。人工甘味料を使用した飲み物は避け、自然な材料で作られたものを優先してください。
野菜ジュースを選ぶ場合は、添加物や砂糖の使用量を確認し、できるだけシンプルな材料のものを選択します。常温で飲めるものを選ぶことで、体を冷やすことを防げます。水分補給では、ミネラルウォーターや白湯も良い選択肢です。

まとめ

マクロビオティック実践者にとって外食は避けて通れない課題ですが、適切な知識と準備があれば安心して楽しむことができます。和食レストランでの玄米選択、洋食店での野菜中心メニュー、中華料理での蒸し物選択など、各ジャンルに応じた攻略法を身につけることが重要です。外食後の梅醤番茶や大根おろしによるリセット法も、体調管理には欠かせません。
完璧を求めすぎず、社交性との両立を図りながら、柔軟な姿勢で取り組むことで、マクロビオティックを継続しつつ外食も楽しめるはずです。今回ご紹介した選び方のコツや対処法を参考に、安心して外食を楽しんでください。健康的な食生活は継続が最も大切です。無理のない範囲で実践し、豊かな食体験を積み重ねていきましょう。

日本インストラクター技術協会編集部
インストラクターの専門性を高めるためや地位向上を目的とした団体である日本インストラクター技術協会(JIA)編集部が運営するコラムです。
美容・健康・ボディケアの資格の筋トレインストラクター、シェイプアップインストラクターや骨格診断士。心理カウンセラー資格のメンタル心理インストラクター、子供心理カウンセラー®、音楽療法カウンセラーや行動主義心理アドバイザー®など様々な資格を認定しています。
日本インストラクター技術協会編集部