まずは、ぬか漬け資格がどんな資格なのかを知っていきましょう。
ぬか漬け資格の概要と、ぬか漬けを販売したい方に必要な資格について、それぞれ解説します。
ぬか漬け資格は、ぬか漬けが持つ健康効果やぬか漬けに合う野菜などの知識、ぬか漬けの作り方などの技術力を証明できる資格です。今あるものはすべて民間資格で、国家資格はありません。(2022年5月時点)
ちなみに、ぬか漬けを製造・販売するには、食品を扱うのに必要な資格を別に取得する必要があります。
ぬか漬け資格を仕事で活用したい場合は、覚えておきましょう。
ぬか漬けを製造・販売するには、「食品衛生責任者」の資格が必要です。
ぬか漬け資格だけでは営業許可は下りません。
そのため、自家製ぬか漬けをはじめとした料理を提供する飲食店や、ぬか漬けを販売する店を経営したい場合は、「食品衛生責任者」をはじめとした、お店の衛生を管理する資格を取得しましょう。
また飲食店や漬物などを製造する工場は、営業許可を得るために専用のキッチンや設備を整えなくてはなりません。
お店や工場の開業を目指す方は、営業許可を取るのに必要な条件を確認しておきましょう。
ぬか漬け資格は、主にふたつのシーンで活躍します。
ぬか漬け資格が活きる場面をご紹介します。
まずぬか漬け資格を取ると、ぬか漬けを自分で作って楽しむという活かし方ができるでしょう。
ぬか漬けは昔から食べられていた漬物で、今でも作って楽しんでいる方がいます。
しかし発酵食品であるぬか漬けは、漬ける食材やぬか床の管理など、たくさんのコツを押さえたうえで作らないと失敗することも多いです。
ぬか漬け資格では、ぬか漬けを作るうえで押さえておきたいコツをしっかり学べます。
ぬかやつける野菜について勉強すれば、おいしいいぬか漬けが作れるようになるでしょう。
ぬか漬け資格の知識や技術を活かして働くのも、資格の使い方のひとつです。
漬物や和食を提供する飲食店や販売店なら、資格で得た力を存分に発揮できます。
ただぬか漬けを販売するのではなく、おいしさや健康効果をアピールするなど、今の仕事に新しいやり方を加えられるようにもなるでしょう。
このほか、ぬか漬けを教える料理教室やワークショップで活躍することも。
ぬか漬けに関する知識や技術を広める活動も、仕事にできます。
活動が有名なれば、企業や有名店と一緒に仕事ができるなど、新しい仕事の可能性も見つかるでしょう。
次に、実際のぬか漬け資格の中から、おすすめの資格を3つご紹介します。
資格はそれぞれ違いがあるため、何が違うのかに注目しながらご覧ください。
認定協会 | 日本インストラクター技術協会(JIA) |
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受験資格 | 特になし |
受験料 | 1万円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申し込み |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上の評価 |
試験日程 | 毎年偶数月20〜25日 (申し込みは受験月前月1〜31日) |
資格試験概要 | ぬか漬けの歴史/ぬか漬けに適した容器/冷蔵庫でつける簡単ぬか漬けの作り方/ぬか漬けの作り方/ぬか床を使わないぬか漬けの作り方/ぬか漬けの塩分量/ぬか床に使う材料/ぬか漬けのお手入れ方法/ぬか漬けのにおいの原因と対処法/ぬか漬けが酸っぱいときの原因と対処法/購入したぬか床が塩辛いときの対処法/ぬか床の水分が多いときの対処法/ぬか床が変色した場合の原因と対処法/ぬか床を長期使わないときの保存方法/ぬかの栄養効果とは/ぬか漬けの栄養価と効果/ぬか漬けの美容効果/ぬか漬けとダイエット/ぬか漬けに含まれる乳酸菌の種類/ぬか漬けの植物性乳酸菌の効果/市販と手作りのぬか漬けの違いなど |
「ぬか床ソムリエ」は、ぬか漬けの健康効果や、さまざまなぬか漬けの作り方を学べる資格です。
ぬか漬けに適した野菜などの基礎的な知識だけでなく、ぬか床に異常が発生しているときの対処法も学べます。
ぬかの栄養や美容効果にも触れるため、健康や美容に興味がある方にも役立ちます。
「ぬか漬けを作ってみたい」「ぬか床のトラブルを予防・改善したい」と考えている方に、おすすめの資格です。
受験は在宅でできるため、忙しい方でも受験できます。
認定協会 | 日本安全食料料理協会(JSFCA) |
---|---|
受験資格 | 特になし |
受験料 | 1万円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申し込み |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上の評価 |
試験日程 | 毎年偶数月20〜25日 (申し込みは受験月前月1〜31日) |
資格試験概要 | ぬか漬けに合う野菜/フルーツぬか漬け/食材の捨てる部分を活用して作るぬか漬け/ぬか漬けに合う食材/ぬか漬けの歴史/ぬか漬けに適した容器/ぬか床に使う材料/ぬか漬けの作り方/ぬか漬けの塩分量/ぬか床を長期使わないときの保存方法/ぬか漬けのお手入れ方法/ぬか漬けの栄養効果/ぬか漬け以外のぬかの活用法/ぬか床の水分が多いときの対処法/ぬか床が変色した場合の対処法/ぬか床にカビが生える原因と対処法/ぬか漬けに含まれる乳酸菌の種類/ぬか漬けの植物性乳酸菌の効果など |
先に紹介した「ぬか床ソムリエ」同様、ぬか漬けについて学べる資格ですが、食材の捨てる部分を使って作るぬか漬けや、ぬか漬け以外のぬかの活用法を学べるなど、ぬか床をより活用したい方向けの資格といえるでしょう。
一方で「ぬか床ソムリエ」と「ぬか漬けソムリエ」は、受験方法や日程が同じです。
試験は在宅で答案用紙を記入・郵送する形で行うため、日程を調節して同じ日に試験を受けられるようにすれば、ふたつの資格を一気に取得できます。
ぬか漬けに関する知識や技能をより深めたい方は、同時取得してみるのも、ひとつの方法でしょう。
認定協会 | 全日本漬物協同組合連合会(全漬連) |
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受験資格 | ・3級:漬物製造管理に関する経験を有し、1年以上の実務を有するとみとめられたもの ・2級:漬物製造管理に関し、2年以上の実務経験を有し、かつ、漬物製造管理士3級に合格したもの ・1級:漬物製造管理に関し7年以上の実務経験を有し、かつ漬物製造管理士2級に合格したもの |
受験料 | 全漬連会員 ・3級:1万5,000円 ・2級:2万円 ・1級:2万5,000円 (再受験の場合は再受験手数料が必要) 全漬連会員以外 ・3級:2万円 ・2級:2万5,000円 ・1級:3万円 再受験手数料・学科試験 ・3級:1万円 ・2級1万5,000円 ・1級:1万5,000円 (再受験の場合は再受験手数料が必要) |
受験申請 | 必要書類を用意し、認定協会指定の住所へ郵送する |
受験方法 | ・学科試験:〇×式の筆記試験 ・実技試験:記述試験・物の製作・製造・組み立て・調整などを実際に行い試験する (作業試験の実施が困難な場合、記述式の技能要素試験も行う場合あり) |
合格基準 | 非公開 |
受験日程 | 認定協会より発表 |
資格試験概要 | 3級 ・学科試験 食品の概論/漬物製造定義と種類および特徴/漬物製造の調味資材の種類および特徴/漬物製造機械および器工具の取り扱い/漬物製造に使用する包装/電気一般/食品衛生・安全衛生 ・実技試験 漬物製造管理作業 2級 ・学科試験 食品の概論/漬物製造定義と種類および特徴漬物製造の調味資材の種類および特徴/漬物製造機械および器工具の取り扱い/漬物製造に使用する包装/漬物製造および品質管理/漬物検査/化学成分/電気一般/食品衛生/関連法規/安全衛生 ・実技試験 漬物製造管理作業 1級 ・学科試験 食品の概論・漬物製造定義と種類および特徴/漬物製造の調味資材の種類および特徴・漬物製造機械および器工具の取り扱い・漬物製造に使用する包装・漬物製造および品質管理・漬物検査・化学成分・電気一般・食品衛生・関連法規・安全衛生/ ・実技試験 漬物製造管理作業 |
今回紹介する中で、より本格的にぬか漬けを学べるのが、「漬物製造管理士」の資格です。
「漬物製造管理士」は、ぬか漬けだけでなく漬物全般の知識や技術を学べる資格。
漬物の製造・販売に必要な技能があることを評価・証明できるため、ぬか漬けを含めた漬物を扱う仕事に従事している方を中心に取得されています。
受験には漬物関係の仕事に従事した経験が必要ですが、その分より本格的な内容を勉強できます。
試験には学科試験だけでなく、実際に漬物を漬ける業務や作業を行う実技試験(場合により記述式の技能試験)があることを考えると、入念な試験対策が必要な資格といえます。
難易度が高い資格ですが、その分確かな実力を証明できるでしょう。
最初の方でも解説しましたが、ぬか漬け資格だけを取得しても開業はできません。
そこで、ぬか漬け資格を活かすのに役立つ資格を集めました。
開業や、ぬか漬けを扱う業務でのキャリアアップをしたい方はご確認ください。
認定協会 | 保健所 |
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受験資格 | 都道府県や保健所が実施する食品衛生責任者養成講習を受講する |
受験料 | 保健所により異なる |
受験申請 | 店舗などを管轄する保健所へ申し込む |
受験方法 | 筆記試験(講習会の最後に試験を行う) |
合格基準 | 非公開 |
受験日程 | 講習会日程に準ずる |
資格試験概要 | 主な食中毒・健康被害および食品事故ならびにその原因/食中毒などの発生を防止するための基本的な対応/食品衛生法の全体像/自主的な衛生管理に関すること/自主回収報告制度に関すること/営業規定に関すること/そのほか食品衛生関連法規に関すること/環境衛生/労働衛生など |
「食品衛生責任者」は、食品を扱うお店や工場を衛生的に管理するのに必要な資格です。
食品を扱う場所では、最低ひとり配置していなくてはなりません。
従業員の衛生や、食材・調理器具を清潔に保つための管理を行うのが主な役割です。
ぬか漬けを扱うお店や工場を開業する予定なら、ぬか漬け資格とともに取得しておくと役立つでしょう。
認定協会 | 都道府県 |
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受験資格 | 大学・短大・専門学校などの栄養士養成施設にて2年以上栄養士として必要な知識および技術を習得する |
受験料 | 指定の養成施設に通うための学費が必要 |
受験申請 | 養成施設の卒業と同時に都道府県知事へ申請を出す |
受験方法 | 養成施設の卒業と同時に都道府県知事へ申請を出す |
合格基準 | 養成施設の卒業と同時に取得可能になるためなし |
試験日程 | 養成施設の卒業日程による |
資格試験概要 | 栄養士として必要な知識や技術など |
「栄養士」は、医療施設や給食施設で栄養指導や献立を考える仕事を行う資格です。
資格の取得には指定の養成施設を卒業し、都道府県知事へ申請を出す必要があります。
「栄養士」の養成施設では、食べ物の栄養や効果について学べます。
学んだ知識を活かせば、ぬか漬けに含まれる栄養や健康・美容効果を正しく広められるようになるでしょう。
また「栄養士」の資格を取得すれば、国家資格である「管理栄養士」を目指せます。
管理栄養士の資格を得れば、医学的な知識による指導が行える力を証明できるため、栄養士のときよりも広める知識に説得力を持たせられます。
ぬか漬け資格の内容をより正確に専門的に活かしたいなら、「栄養士」もいいですが、「管理栄養士」の取得を目指してみてもいいでしょう。
紹介した3つのぬか漬け資格のひとつには受験資格が設けられていますが、どの資格もしっかり勉強すれば合格を目指せます。
では、どのように勉強すればいいのでしょうか?
次はぬか漬け資格の勉強方法について、特徴を踏まえながら解説します。
自分にはどの方法が向いているか考えながらご覧ください。
受験資格が設けられていないぬか漬け資格なら、独学でもしっかり勉強すれば合格を目指せるでしょう。
テキストを購入し、試験までの計画を立てて勉強するのが基本のやり方です。
自分のペースで勉強できるため、無理なく内容を学べるうえ、試験対策にかかる費用をテキスト代だけで済ませられます。
ひとりで黙々と作業できる方なら、独学の方が勉強しやすいでしょう。
一方、ひとりでの作業が苦手な方だと、独学は勉強しにくいと感じることも。
独学があわない方は、次に解説する通信講座がおすすめです。
資格の中には通信講座を利用して勉強できるものがあります。
通信講座は勉強の計画がカリキュラムの形であらかじめ組まれているため、自分で計画を立てる必要がありません。
試験対策に集中して取り組めるため、計画を立てるのが苦手な方でも取り組みやすいです。
また、添削問題や質問用紙を通して講師とやり取りできるため、独学が苦手な方でも、モチベーションを維持できます。
試験対策の偏りや、弱点問題も指摘してもらえるため、独学よりもしっかり対策ができるでしょう。
メリットが多い通信講座ですが、デメリットにお金がかかる点があげられます。
通信講座により費用の目安は違いますが、大体数万円かかることを考えると、コストパフォーマンスが気になるかもしれません。
メリットデメリット、両方あるため、利用する際はよく考えてから選択しましょう。
ご紹介したふたつの方法のほか、実際にぬか漬けを作ってみるのもよい方法でしょう。
ぬか漬けづくりは、独学と通信講座どちらとも並行でできる勉強法です。
ぬか漬けのやり方をテキストに記載された手順を守って実践することで、ぬかや野菜の触感・つける前と後の食材の変化・ぬか漬けの味など、五感を通して勉強できます。
ただテキストを読み問題を解いているだけの状態よりも、しっかりと内容を覚えられるようになるでしょう。
ぬか漬け資格の勉強をする際は、ぜひぬか漬けを実際に作って学びを深めてみてはいかがでしょうか。
ぬか漬け資格は、昔から愛されているぬか漬けの作り方や、ぬか床の管理技術などを学べる資格です。
おいしいぬか漬けを作るのはもちろん、資格で得た力を活かせば、仕事に役立てることもできます。
ぬか漬け資格を活かして店を開業したい場合は、ぬか漬け資格だけでなく営業許可に必要な資格も取得しなくてはなりません。また、開業に必要な設備も用意する必要があります。
ぬか漬けを扱うお店や工場の開業を検討されている方は、事前に確認しておくとよいでしょう。
ぬか漬け資格は、食生活を豊かにするのに役立つ資格です。
興味を持たれた方は、ぜひぬか漬け資格に挑戦してみてはいかがでしょうか。