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お菓子作りで失敗しない!生クリームの植物性・動物性の選び方

記事作成日:2025.09.16
お菓子作りで生クリームを選ぶとき、「どれを使えばいいの?」と迷ったことはありませんか?動物性と植物性の違いがわからず、なんとなく安い方を選んでしまい、ケーキがうまく仕上がらなかった経験もあるでしょう。本記事では、生クリーム選びの基本から失敗しない使い分け方法まで詳しく解説していきます。
お菓子作りで失敗しない!生クリームの植物性・動物性の選び方

目次

生クリームの基本とは?

お菓子作りを始める前に、まず生クリームの基本的な知識を身につけておくことが大切です。スーパーの売り場には様々な種類のクリームが並んでいますが、それぞれに明確な違いがあります。

1-1生クリームとは?

生クリームには法律で定められた厳格な基準があります。「クリーム」とは「生乳、牛乳又は特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したもの」で「乳脂肪分が18%以上のもの」と法律で定義されています。つまり、生乳だけを原材料として作られ、添加物を一切使用していないものだけが正式に「生クリーム」と呼べるのです。
動物性のクリームは生乳だけを原材料として作られます。原材料の種類に「クリーム」表記できるのは添加物等を一切加えず、生乳だけを原料としているクリームのみです。パッケージの表示欄に「クリーム(乳成分を含む)」と記載されているものが、この純粋な生クリームになります。
一方、植物性脂肪を原料に含んだり、添加物が加えられているものなどは、「乳又は乳製品を主要原料とする食品」に分類されます。これらは厳密には生クリームではなく、ホイップクリームやフレッシュクリームという名称で販売されています。

1-2ホイップクリーム・フレッシュクリームとの違い

生乳や牛乳等乳製品から作られたものを【生クリーム】、植物性のものや動物性と植物性が混合されたものは【ホイップクリーム】といいます。ホイップクリームは「泡立てる」という意味の英語から名付けられており、お菓子作りでの泡立て使用を前提として開発されています。
ホイップクリームの特徴は作業性の良さにあります。生クリームは泡立て過ぎるとぼそぼそになってきますが、植物性のホイップクリームは泡立て過ぎてもなかなか分離しないようになっています。これは乳化剤を組み合わせて分離しにくく作られているためで、お菓子作り初心者の方でも扱いやすい設計になっています。
ただし、熱が加わると分離しやすいという側面もあるので、クリームパスタなどに使用するのはおすすめできません。料理に使う場合は動物性の生クリームを選ぶのが安心です。

1-3パッケージ表示の見分け方とチェックポイント

商品を選ぶ際は、パッケージの食品表示欄をしっかりチェックしましょう。表示の「クリーム(乳成分を含む)」と書かれていれば、生乳や牛乳以外の原材料は使用していない【生クリーム】ということになります。「乳等を主要原料とする食品」と表示されているときは、食品添加物や植物性脂肪等牛乳以外の原料が使用されている植物性の【ホイップクリーム】ということです。
パッケージの商品名も重要な手がかりです。商品名も「クリーム」ではなく、「ホイップ」や「フレッシュ」など別の名称になります。「○○ホイップ」「○○フレッシュ」という名前の商品は、植物性脂肪や添加物が使用されていることを示しています。
価格も判断材料の一つです。動物性の生クリーム(200ml)は350円程度、植物性のホイップクリームは150円程度と大きな差があります。用途と予算を考慮して選択するのが賢明です。

動物性生クリームの特徴と選び方

動物性生クリームは、お菓子作りで本格的な味を追求したい方に最適な選択肢です。その特徴を詳しく理解して、上手に活用していきましょう。

2-1動物性生クリームのメリット・デメリット

動物性生クリームの最大のメリットは、豊かな風味とコクにあります。添加物を加えず純脂肪のみで作られた生クリームは、濃厚なコクや口溶けの良さが特徴です。クリーム本来の美味しさを活かしたいケーキや料理に加えるのがおすすめです。動物性生クリームのほうが風味豊かで口当たりなめらかだから、手作りには動物性の生クリームを使うといいよと、お菓子メーカーの明治も推奨しています。
牛乳を原料とした乳脂肪でできていて、濃厚でコクがある味わいです。風味と口どけがよく、舌の上ですっと溶けます。この特性により、ケーキやデザートに使用した際に、上品で深みのある味わいを演出できます。
一方、デメリットもあります。安定剤などが一切入っていないので、賞味期限が短くクリーム類の中では一番高価です。また、分離しやすいので泡立てすぎるとボソボソとした食感になってしまうので注意が必用です。賞味期限が短く(添加物なしの場合)、分離しやすい(特に高脂肪のもの)のも特徴です。

2-2乳脂肪分の種類と使い分け(35%・40%・45%以上)

乳脂肪分によって生クリームの特性は大きく変わります。お菓子作りには乳脂肪が35%~50%のものがよく使用されています。含まれている乳脂肪分が低めのものを使用すると軽いさっぱりとした風味になり、乳脂肪分が高いほど濃厚でコクのある味わいになります。
35%前後の生クリームは、軽やかな食感のお菓子作りに適しています。さっぱりとしたお菓子に仕上げたいときは、40%未満の乳脂肪分の低いものを選びましょう。ムースやプリンなど、軽い仕上がりを目指すデザートに最適です。
40%前後の生クリームは、乳脂肪分40%前後のものは、泡立ちがよく、安定感のあるクリームが作れるため、お菓子作りにぴったりです。デコレーションケーキやホイップクリームとして幅広く使用できる、最も汎用性の高い乳脂肪分です。
45%以上の生クリームは、濃厚な味わいのお菓子を作りたいときは、40%以上の乳脂肪分が多いものがおすすめです。ガトーショコラや濃厚なアイスクリームなど、リッチな味わいを求める際に使用します。ただし、泡立てすぎによる分離のリスクも高くなるため、注意深く扱う必要があります。

2-3お菓子作りに最適な動物性生クリームの選び方

お菓子作りで動物性生クリームを選ぶ際は、作りたいお菓子の種類を最初に考えましょう。チョコレートムースのような生クリームとチョコレートのそれぞれの味わいや風味を活かしたいときは、乳脂肪分の多い%のものを使うと生クリームの風味も楽しみやすくなります。
初心者の方は、まず40%前後の生クリームから始めることをお勧めします。泡立てやすく、失敗のリスクが比較的低いためです。慣れてきたら、お菓子の種類に応じて35%や45%以上の生クリームにチャレンジしてみてください。
購入時は、賞味期限と使用予定日も重要な判断材料です。動物性生クリームは日持ちしないため、使用する直前に購入するか、開封後は2〜3日以内に使い切れる量を選びましょう。

植物性クリームの特徴と活用法

植物性クリームは、動物性生クリームとは異なる特徴を持つ便利な選択肢です。その特性を理解して、適切な場面で活用することで、お菓子作りの幅が広がります。

3-1植物性クリームのメリット・デメリット


植物性クリームのメリット
植物性クリームの最大のメリットは扱いやすさにあります。作業性、保形性に優れており扱いやすいこともポイントです。動物性のクリームはやや黄みがかった白ですが、植物性は真っ白なので白く仕上げたいスイーツにも向いています。ホイップクリームは生クリームよりも形を保ちやすい特徴があります。デコレーションの形をできるだけ長く保ちたいときは、かたさの変わりにくいホイップクリームが作業に向いています。
経済的なメリットも大きく、値段は最も安価で手軽に使用でき、賞味期限が長いことが特徴です。また、乳アレルギーの方も安心して使うことができますので、食物アレルギーがある方への配慮としても活用できます。
植物性クリームのデメリット
一方、デメリットとして風味の面での制約があります。生クリームに比べると風味や口溶けは劣りますが、動物性のものに比べてさっぱりとした風味があり乳製品が苦手な方にも食べやすいです。動物性のものに比べてコクや旨味には欠けますが、これは用途によっては逆にメリットとなる場合もあります。
熱が加わると分離してしまうので料理にはあまり向いていませんという点も重要な注意事項です。加熱調理には使用せず、冷たいデザートや飾り付けに限定して使用しましょう。

3-2コンパウンドクリームとは?特徴と使い道

コンパウンドクリームは、動物性と植物性の良いとこ取りをした製品です。コンパウンドクリームとは、乳脂肪に植物性脂肪を加えたもののこと。動物性の乳脂肪とヤシやパーム、大豆の油など植物性の脂肪分を加えて作られることが多いようです。
乳脂肪と植物脂肪を混ぜて作られるコンパウンドクリームは、乳脂肪のコクのある風味を残しつつもさっぱりとした味わいが特徴です。動物性の風味を楽しみながらも、植物性の作業性の良さも活かせる中間的な選択肢として人気があります。
価格面でも魅力的で、値段も植物性クリームの次に安く手軽に使用できます。純生クリームよりもリーズナブルで、日持ちしやすいのも魅力ですので、コストパフォーマンスを重視する方にもおすすめです。

3-3植物性クリームが向いているお菓子作り

植物性クリームは特定の用途で力を発揮します。真っ白な仕上がりを求めるお菓子には最適で、お菓子を白く仕上げたい場合はホイップクリームを使うのがおすすめです。ウェディングケーキやクリスマスケーキなど、純白の美しさが重要なデザートには植物性クリームが向いています。
ケーキのデコレーションにおすすめですよという特性を活かし、複雑な絞り装飾や長時間の作業を要するデコレーションには植物性クリームが安心です。分離しにくく形状が安定するため、失敗のリスクを抑えられます。

用途別・お菓子別の生クリーム選び方

お菓子の種類や用途に応じて、最適な生クリームを選ぶことで、仕上がりの質が大きく向上します。ここでは具体的な選び方を詳しく解説していきます。

4-1ケーキデコレーション用の生クリーム選び

ケーキのデコレーションでは、見た目の美しさと作業性の両方が重要です。お菓子作りで絞ったり塗るために使いいときは、乳脂肪分35%以上50%以下の生クリームがおすすめです。特に初心者の方には、植物性クリームの安定性が心強い味方となります。
ナッペ(ケーキの表面塗り)には40%前後の生クリームが最適です。適度な固さがあり、スパチュラでなめらかに塗り広げることができます。一方、絞り装飾には45%以上の高脂肪分生クリームを選ぶと、シャープで美しい形状を保てます。
色にこだわる場合は選択が重要です。動物性のクリームはやや黄みがかった白ですが、植物性は真っ白なので白く仕上げたいスイーツにも向いています。純白のデコレーションを目指すなら植物性、温かみのある自然な色合いを求めるなら動物性を選びましょう。
長時間の作業が予想される場合は、デコレーションの形をできるだけ長く保ちたいときは、かたさの変わりにくいホイップクリームが作業に向いていますという特性を活かし、植物性クリームを選択するのが賢明です。

4-2ムース・プリン作りに最適な生クリーム

ムースやプリンなどの冷たいデザートには、軽やかな食感を演出できる35%前後の生クリームが適しています。さっぱりとしたお菓子に仕上げたいときは、40%未満の乳脂肪分の低いものを選ぶことで、口当たりの良い仕上がりになります。
ムース作りでは、6分立て程度の柔らかなクリームを使用するため、泡立てすぎのリスクが低い35%の生クリームが扱いやすいでしょう。プリンに添える場合も、軽い食感の方がプリン本体の味を引き立てます。
フルーツとの相性を考える場合も重要です。酸味のあるベリー類や柑橘系のフルーツには、さっぱりとした植物性クリームが良く合います。一方、バナナやマンゴーなど甘みの強いフルーツには、動物性生クリームのコクが相性抜群です。
ゼラチンやアガーと組み合わせる際は、動物性生クリームの方が安定した食感を得やすい傾向があります。植物性クリームは加熱に弱いため、温度管理に注意が必要です。

4-3パン・焼き菓子に使う生クリームの選び方

パンや焼き菓子に生クリームを使用する場合は、加熱への対応力が重要な選択基準となります。お菓子以外にもクリーム煮やクリームソース等の料理に使うと、まろやかさやコクが増すのでおすすめです。その場合は加熱しても分離せず使いやすい動物性の生クリームを使うといいですよ。
クリームパンやシュークリームなど、生地に練り込む場合は35〜40%の動物性生クリームが適しています。焼成時の安定性と風味のバランスが良く、しっとりとした食感を生み出します。
スコーンやマフィンに加える場合は、40%以上の高脂肪分生クリームを使用すると、リッチでコクのある味わいになります。生地の水分バランスも考慮し、他の材料との相性を確認しながら使用量を調整しましょう。

4-4料理・ドリンク用生クリームの選び方

料理やドリンクに使用する生クリームは、お菓子作りとは異なる選択基準があります。脂肪分が少なく熱に強いのでコーヒーや紅茶など温かい飲み物の合わせるのがおすすめですという特性から、18〜30%の低脂肪分生クリームが適しています。
コーヒーや紅茶に加える場合は、飲み物の味を邪魔しない軽やかな風味が重要です。高脂肪分の生クリームでは重すぎて、ドリンク本来の風味を損なう可能性があります。30%以下の生クリームを選び、適量を使用しましょう。
パスタやシチューなどの加熱調理には、必ず動物性生クリームを使用してください。熱が加わると分離してしまうので料理にはあまり向いていませんという植物性クリームの特性により、加熱すると見た目も食感も悪くなってしまいます。
スープやソースに使用する際は、35〜40%の動物性生クリームがまろやかなコクを与えてくれます。最後に加えて軽く煮込む程度に留め、沸騰させないよう注意することで、分離を防げます。

失敗しない生クリームの泡立て方と扱い方

正しい泡立て方を身につけることで、生クリームの持つ本来の美味しさを最大限に引き出すことができます。動物性と植物性の特性を理解し、適切な手順で進めていきましょう。

5-1動物性・植物性別の泡立てのコツ

動物性と植物性では、泡立ての特性が大きく異なります。動物性生クリームの場合、生クリームは保存するときも泡立てるときも常に冷たい状態を保つ必要があります。冷やさずに泡立てるとボソボソとした食感になってしまい美味しさが半減してしまいます。温度管理が成功の鍵となります。
生クリームは冷たい状態を保つことで、なめらかに泡立てることができます。冷やさずに泡立てると分離しやすく、ボソボソとした食感になってしまうこともため、使用直前まで冷蔵庫で保管し、氷水で冷やしながら泡立てることが重要です。
植物性クリームは比較的扱いやすく設計されています。植物性のホイップクリームは泡立て過ぎてもなかなか分離しないようになっています。お菓子作り初心者の方でもぼそぼその生クリームになりにくいので、泡立てやすいです。これは乳化剤の働きによるもので、失敗のリスクが低い特徴があります。

5-2泡立て器具の選び方と準備方法

泡立てを成功させるには、適切な器具選びと準備が欠かせません。必要な道具と準備方法を詳しく解説します。
必要な道具は以下の通りです。
・ステンレス製またはガラス製のボウル(深めのもの)
・泡立て器(手動またはハンドミキサー)
・氷水用の一回り大きなボウル
・保冷剤または氷
・キッチンタオル
準備手順は以下の通りです。
1.使用するボウルと泡立て器を冷蔵庫で30分以上冷やす
2.生クリームも使用直前まで冷蔵庫に保管
3.氷水を準備し、泡立て用ボウルを浸せるようにセット
4.全ての器具に水分や油分が付いていないことを確認
冷蔵庫で十分に冷やし、泡立てる際に氷水を使用することで、なめらかなクリームを作れるでしょう。この準備を怠ると、どんなに良い生クリームを使っても理想的な仕上がりにはなりません。
器具の材質も重要で、熱伝導の良いステンレス製が推奨されます。プラスチック製は熱が伝わりにくく、生クリームの温度が上がりやすいため避けましょう。

5-36分立て〜9分立ての見極め方

泡立て具合の見極めは、お菓子作りの成功を左右する重要なスキルです。それぞれの段階の特徴を理解し、適切な判断ができるようになりましょう。
6分立て
とろみが付き始めた状態です。泡立て器ですくい上げると、とろとろと流れ落ち、落ちた跡もすぐに消えてしまいます。ムースやババロアなど、柔らかい食感のデザートに適しています。
7分立て
もったりとした重さが出てきた状態です。持ち上げるとすじが残る程度の固さで、ケーキのナッペ(表面塗り)に最適です。まだ角は立ちませんが、スパチュラで塗り広げやすい理想的な固さです。
8分立て
ピンと角が立つ状態です。泡立て器を持ち上げた時に、しっかりとした角ができます。ケーキのデコレーションや絞り出しに適した固さで、最も汎用性の高い状態といえます。
9分立て
角が非常にしっかりと立ち、やや固めの状態です。絞り装飾で細かい模様を作る際に適していますが、これ以上泡立てると分離のリスクが高まります。
動物性と植物性では見た目にも違いがあります。クリームだとピンと角が立ち、植物性脂肪だとやや角が寝ますので、同じ8分立てでも角の立ち方で見分けることができます。

5-4泡立て失敗の原因と対処法

泡立ての失敗には必ず原因があります。最も多い失敗パターンと、その対処法を知っておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
泡立たない場合の原因は、温度管理の失敗が最も多い要因です。生クリームが温まりすぎていたり、器具が冷えていなかったりすると、なかなか泡立ちません。また、乳脂肪分の低いクリーム(35%以下)を使っていませんか?植物性のクリームを使っていませんか?という基本的な選択ミスも要因となります。
分離してしまった場合の対処法として、ボソボソになり始めでしたら少し新しいとろとろのクリームを足してあげることで治ることもありますが、完全にボソボソしてしまった場合は修復が困難です。予防が最も重要で、こまめに状態を確認しながら泡立てることが大切です。
器具の汚れも見落としがちな原因です。使用する器具に水分や油分が付いていないかチェックすることが重要で、少しでも残っていると泡立ちが悪くなったり、分離しやすくなったりします。
対処のコツとして、泡立て過ぎないように注意しましょう。ホイップ用クリームの表面がボソボソと荒れた感じになってきたら、泡立てすぎのサインです。この段階で気づけば、まだ修復の可能性があります。

生クリームの正しい保存方法と活用術

生クリームは傷みやすい食材だからこそ、正しい保存方法を知っておくことが重要です。また、余ってしまった場合の活用術も身につけておけば、無駄なく使い切ることができます。

6-1冷蔵保存の基本とコツ

生クリームの冷蔵保存では、温度と振動の管理が重要なポイントです。生クリームを保存する時は、10℃以下であまり出し入れしない場所がオススメです。特に以下の点には注意しましょう。
保存場所の注意点は以下の通りです
1.凍結する可能性があるので、冷蔵庫の冷気の吹き出し口付近に保管しない
2.ドアの振動で固まる可能性があるので、ドアポケットには保管しない
3.冷蔵庫の奥の安定した温度の場所に保管する
4.他の食材のにおいが移らないよう、密閉して保存する
開封後の保存期間は非常に短く、動物性生クリームの場合、開封後は1〜2日で使い切ることが推奨されます。植物性クリームでもせいぜい3〜4日が限界です。使い切れない量を購入しないよう、計画的な買い物を心がけましょう。
固まってしまった生クリームは、ニオイや味に問題がなければ使うことができます。ただし、再びホイップを作ることはできません。シチューのコク出しなど、料理に活用してくださいね。

6-2冷凍保存の方法と注意点

生クリームは正しい方法で冷凍すれば、保存期間を大幅に延ばすことができます。冷凍保存の手順と注意点を詳しく解説します。
冷凍保存の手順は以下の通りです。
1.生クリームをツノがしっかりと立つまで泡立てる(8〜10分立て)
2.金属製バットにラップを敷き、泡立てた生クリームを絞り出す
3.上からラップをかけて冷凍庫に入れる
4.完全に凍ったら冷凍保存袋に移して保存
冷凍保存時の注意点は以下の通りです。
液体のまま冷凍すると分離するため、必ず泡立ててから冷凍する
スイーツ用の場合は砂糖を加えてから泡立てる
料理用の場合は砂糖を入れずに泡立てる
冷凍後は約3週間〜1ヶ月程度保存可能
生クリームは、泡立ててから冷凍すると分離しません。ただし冷凍後にかき混ぜることはできないため、用途に応じて事前に味付けを完了させておくことが重要です。
解凍は冷蔵庫でゆっくりと行い、解凍後は再冷凍せずに早めに使い切りましょう。

6-3余った生クリームの活用レシピ

余った生クリームを無駄にしないための、簡単で美味しい活用法をご紹介します。少量から大量まで、それぞれの量に応じた活用術があります。
少量(50ml以下)の活用法: コーヒーの上にホイップクリームを浮かべて「ウインナーコーヒー」にすれば、コーヒーの苦味がまろやかになり飲みやすくなります。紅茶、ココアなど、お好みのドリンクに使用してみてくださいね。
中量(50〜100ml)の活用法: シチューやパスタソースに加えることで、濃厚なコクをプラスできます。牛乳だけでは出せない濃厚な味わいになり、料理のグレードが一段階上がります。
大量(100ml以上)の活用法: 手作りバターを作る方法もあります。200mlの生クリームだと、バターが約80gできますよ。作り方は振るだけなので、お子さんと一緒に作っても楽しそうです。純乳脂肪タイプの生クリームを使い、よく冷やした容器で10〜20分程度振り続けると、固まりと白い水(バターミルク)に分かれます。
アイスクリームにする方法も人気です。生クリームに砂糖を加えて泡立て、お好みでジャムやフルーツを混ぜて冷凍すれば、手作りアイスの完成です。市販品とは違う、自然な甘さが魅力です。

6-4賞味期限と品質の見極め方

生クリームの品質劣化は健康に関わる問題のため、正しい見極め方を身につけておくことが重要です。安全に使用するための判断基準を解説します。
危険なサインの見極めポイント: 傷んだ生クリームの見た目には特徴があります。変色していたり、膜が張っている、水分と脂肪分が分離して塊ができている、カビが生えているなどです。見ただけでいつもと違う状態と分かるものはすぐに捨てましょう。
においも重要な判断材料です。生クリームが傷んでしまっている場合は、酸っぱい匂いがしたり、カビ臭い匂いがします。このようなものは使用してはいけません。
味の確認も必要ですが、見た目や匂いでは傷んでいるか分からない場合に限定しましょう。食べてみて酸っぱい味がしたり、苦味があるものは使用しないようにしましょう。このような味を感じた際には、すぐに口から出すようにしてください。
賞味期限の考え方として、未開封の動物性生クリームは、製造日から約1週間〜10日が賞味期限です。一方、開封後は3〜4日以内が目安となります。賞味期限内であっても、開封後は品質が急速に劣化するため、できるだけ早く使い切ることが安全です。

おすすめ生クリーム商品の比較

市場には多様な生クリーム商品があり、それぞれに特徴があります。用途や予算に応じて最適な商品を選ぶための比較ポイントをご紹介します。

7-1動物性生クリームのおすすめ商品

高品質な動物性生クリームとして、北海道十勝産の生乳を使用した、乳脂肪分35%の生クリームが人気です。生乳100%で、クリーム本来の味が楽しめますよ。ホイップから料理まで幅広く活用できるので、お菓子作りなど生クリームの使用頻度が多い方にもおすすめです。
濃厚タイプでは、乳脂肪分48%の高脂肪タイプで、九州の大自然で育った乳牛の生乳のみを使用している商品があります。濃厚でやわらかく、口どけのよい生クリームです。スイーツや料理、パンなどに加えれば、コク深いミルクの味がおいしさを一層引き立ててくれますよ。
中間タイプとして、乳脂肪分47%の生クリームも人気があります。北海道産の特選生乳を使用したクリームは、やさしい黄色味のある色で、豊かで深みのある香りと味わいが特徴です。料理やお菓子にコクを加えてくれるので、濃厚なアイスや生キャラメル、クリーム煮などにおすすめです。
購入時のポイントとして、容量選びも重要です。200mlタイプは使い切りやすく、少量使いに適しています。1Lタイプは大容量でコストパフォーマンスが良く、頻繁に使用する方や業務用途に向いています。

7-2植物性クリームのおすすめ商品

植物性クリームでは、植物性油脂と有機豆乳で作られたクリームが注目されています。オリゴ糖や麦芽糖を加えているので、ほのかな甘みが感じられ、比較的豆乳感の少ない仕上がりになっています。乳アレルギーの方でも生クリームのような味わいを楽しめますよ。
作業性重視の商品では、ナッペや絞りなどの作業がしやすく、消費期限が長く、価格が安いなど植物性ならではの良さがある商品が人気です。デコレーション作業が多い方や、コストを抑えたい方に最適です。
コンパウンドタイプとして、動物性の適度なコクがありながらもさっぱりした味わいが特徴の商品があります。動物性の生クリームのミルク感や重さが苦手な方でも食べやすく、ホイップも作りやすいので、ケーキのデコレーションにおすすめです。
植物性クリームを選ぶ際は、用途の明確化が重要です。デコレーション専用なのか、味も重視するのかによって、最適な商品が変わってきます。

7-3用途別おすすめ商品ランキング

デコレーション用ランキング: 1位:植物性ホイップクリーム(作業性・安定性重視) 2位:動物性生クリーム40%(バランス型) 3位:コンパウンドクリーム(コストパフォーマンス重視)
味重視ランキング: 1位:動物性生クリーム45%以上(濃厚な風味) 2位:動物性生クリーム40%(汎用性の高い味) 3位:コンパウンドクリーム(軽やかな風味)
初心者向けランキング: 1位:植物性ホイップクリーム(失敗しにくい) 2位:動物性生クリーム40%(扱いやすく風味も良い) 3位:コンパウンドクリーム(中間的な特性)
コストパフォーマンスランキング: 1位:植物性ホイップクリーム(価格が安い) 2位:コンパウンドクリーム(品質と価格のバランス) 3位:動物性生クリーム35%(動物性では比較的安価)
料理用ランキング: 1位:動物性生クリーム35%(加熱に強く軽やか) 2位:動物性生クリーム30%(ドリンク用にも最適) 3位:動物性生クリーム40%(コクを重視する場合)
選択の際は、作りたいお菓子の種類、技術レベル、予算、味の好みを総合的に考慮し、自分に最適な商品を選んでください。最初は複数の商品を試してみて、自分好みの特性を見つけることをおすすめします。

まとめ

生クリーム選びで迷っていた方も、この記事を読んで動物性と植物性の違いがはっきりとわかったのではないでしょうか。お菓子作りの成功は、適切な材料選びから始まります。動物性生クリームは風味豊かで本格的な味わいを、植物性クリームは扱いやすさとコストパフォーマンスを提供してくれます。まずは作りたいお菓子の種類を決めて、この記事の選び方ガイドを参考に、あなたにぴったりの生クリームを見つけてください。正しい知識を身につけることで、お菓子作りがもっと楽しく、もっと美味しくなるはずです。

日本インストラクター技術協会編集部
インストラクターの専門性を高めるためや地位向上を目的とした団体である日本インストラクター技術協会(JIA)編集部が運営するコラムです。
美容・健康・ボディケアの資格の筋トレインストラクター、シェイプアップインストラクターや骨格診断士。心理カウンセラー資格のメンタル心理インストラクター、子供心理カウンセラー®、音楽療法カウンセラーや行動主義心理アドバイザー®など様々な資格を認定しています。
日本インストラクター技術協会編集部